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みちくさ日誌 2018
みちくさあんの収穫、採集、農工作業の記録です(各植物は草リストを参照してください)

 二〇一八年四月  今月は、NYの展覧会のことでおおわらわ。無事作品を送ったものの、送られて来た写真はパッキングで髪の毛がぺったんこになったおめんたち。これは自分で行って直すしかない。というわけで6月に3泊4日のNY行をバタバタと決めました。航空券を買って、宿泊を予約したけど、まだ肝心のパスポートを取っていない。只今GW真っ最中で、長蛇の列だそうで。おまけにアメリカは2009年からビザの代わりの様なFTAという制度ができて、14$払わなければならない。ホテルはものすごく高い。なんだか内向きなというか排他的なと言うか、そんな空気を感じます。不安と期待の入り混じる初NYです。作品はまた当地に行ったときにでも。
 
 箕研(箕の研究会)が盛り上がっている機運に乗って、小箕を二つ作る。一つ目大失敗。二つ目はまあまあですが、一つ目の失敗すれすれ。いつになっても上達しない。もっとたくさん作れるほど材料が取れればなあ・・・

 研究会は盛り上がっているのですが、肝心の作り手の方は減る一方。ここ数か月の間に亡くなったという情報2件、やめたという情報3件。今この瞬間にも同様の事が起こっているのでしょう。

 福島県三島町で編み組みの研修生として活動している方とお話しました。あれだけ編み組みのブランドみたいにもてはやされているのに、実態は50%近い高齢化、材料の枯渇、若者がいない、という状態らしいです。「若い人をどんどん呼んで、どんどん編み組品を作らせて売るという政策では、地元をダメにするだけだ」というのがその方のご意見。
 
 「村おこしは人のためにするのではなく、自分たちのためにするのです。”内向き”でよいのです。」というのは藁の権威、宮崎清さんのお言葉。まずは自分のために、自分のものを作る、人間の生の基本。忘れがちではあるけれど。

 四月のみちくさ庵
採集(食):アマドコロ新芽・根、虎杖コマツヨイグサ花、スイバ花、杉菜、土筆、菜の花、ノビル繁縷マツヨイグサ花、メマツヨイグサ根、
採集(材):葉、ツバナハルガヤヨモギ
野良仕事:宇宙芋、モロヘイヤ、コリアンダー、ラベンダー、当帰、ホーリーバジル、モロヘイヤ、タカキビ、落花生、和棉、紅吉兆、緑米、神丹穂
保存食:柿酢絞り、筍・土筆酢漬け、虎杖塩漬け
家仕事:糸作り、機織り、縄綯い、繕い物、小箕

昨年柿が豊作だったおかげで柿酢がたくさん。でも人力で絞るのは一苦労です。→
 
 二〇一八年三月   6月からNY のCavin Morris Galleryのグループ展に参加することになり、4月の郵送に向けてラストスパートかけています。
 出品作品を選ぶのにはかなり苦労しました。私の作品の多くは花や種がついており、輸入禁止である可能性が高いからです。2000年代にたくさん出品していた海外公募展に出さなくなったのも、これが理由です。でも、せっかく出すからには大好きな作品を出したい、最初に選んだのはこちら。植物防疫所に問い合わせたら、案の定いくつかの草がアウト。やはり皮や繊維だけを使ったものにした方が無難だな、と、帽子タイプのおmenを出品することにしました。
 しかし、これらはおmenに没頭していた頃の作品。今の自分の最重要課題である「日常」と関係づけたい。なのでクズとカラムシの布を織って作品の下に敷くことにしました。糸づくりからですから、思いついたからと言ってすぐにできるわけではありません。久し振りに必死でスパートをかける。おりしも季節は春。土筆も出る、繁縷も出る、もう虎杖も出ている。気だけが焦ります。
写真は左上から時計回りに
カラムシ績み、クズ布、カラムシ経糸整経、葛糸撚り掛け

 年度末ということもあり、今年のお仕事が続々と(でもないけど)入ってきます。今年はどうやら身体よりも、ない頭を使う事の方が多くなりそうです。
 
 
三月のみちくさ庵
採集(食):アブラナ葉・花・蕾、虎杖、羊蹄、杉菜蒲公英、土筆、繁縷ヤブカンゾウ
野良仕事:ジャガイモ植/ムベ播ノラボウナ播/柿酢絞り/アピオス植え
保存食:金柑干し、アブラナ酢漬け、柿酢絞り
家仕事:糸作り、機織り、縄綯い、繕い物

採集植物が華やかな季節です!世間では桜、桜と上を見る傾向のようですが、みちくさ庵は下ばかり見ています。

写真は左上より時計回りに
花ニラ、ハルノノゲシ、ヤブカンゾウ、ジャガイモの芽
 
二〇一八年二月   「箕の研究会」が発足しました。メンバーは博物館学芸員などの研究者+竹職人、竹商人などが少し、計12人。学者先生たちの箕に対する思い入れに驚く。千葉大工学部の先生は、アクド(箕の奥の方の、深くなっている部分)の角っこの形がとても好きだそうで、すごいマニアックな箕フェチ。皆さん、箕について話し始めると止まらない。どんんどん深みに落ち込み、ブラックホールに吸い込まれてしまいそう。
 
 私はと言えば、この人たちの情熱をブラックホールから引き出し、世間に広めることはできないか、と思案中。死にゆく箕を「今のうちに」と、撮影したり聞き書きしたりするのも大事だけど、このまま滅びるがままにさせておいていいものでしょうか。取材される側にしてみれば、少しでも宣伝になって、商品が売れたり、後継者ができることに結びつけばという思いで取材に応じてくれるのだと思う。今回、うずもれている貴重な資料がどれだけたくさんあるかを知り、愕然としました。自分が学者先生の中に仲間入りさせてもらっている意味を考え、何ができるか思案中です。


 箕の世界が面白いのは、地域性が材料や形に明確に出ること、絶対数が少ないので対象を追い易いことでしょうか。私は形や素材と言うより、とにかく片方が開いている籠、ということで、日々の農作業、籠や布などのものづくり作業にとても便利な道具として、魅力を感じています。塵取りもすべて箕です。そして何より、穀物を「簸る=実と殻を分ける」という動作。この、魔法のような技術を習得したい。私の場合は自分で作ることが条件なので、シノダケとフジを使った木積の箕しかもっていませんが、今後は他の産地のものも使ってみようかな。
(家で使っている箕はこちらのページ最下段をご参考ください)
 
参加者は20〜50代の働き盛り世代。箕の未来は明るい。
二月のみちくさ庵
採集(食):アブラナ葉・花・蕾
採集(材):シュロ、フジ、アズマネザサ、真竹
野良仕事:じゃがいも植え付け
保存食:味噌仕込み、アブラナ酢漬け
家仕事:シノキリ、シノコガシ、シノサキ、ヒゲへゲ、フジ伐り、ゴザ編み、もじり編み、竹籠、おめん、縄綯い、繕い物


冬場の採集物はもっぱら竹と箕作り用のフジとシノダケです。カゴ編みや靴下などの編み物はこの時期にやることが多いのですが、今シーズンはあまり時間もなく、何もかも中途半端になってしまう。4月になって本格的に野草摘みが始まる前に、やっておかねば、と、気ばかり焦ります。

小麦の種播きに失敗したので、久しぶりにじゃが芋を植えました。

やっと糀が届き、味噌を仕込みました。昨年はカメムシの害で、あまり収穫は上がらず。3割ほど他の大豆を混ぜました。今年こそ!今年も杉の桶で。一年後が楽しみです。

自転車の籠がボロボロになったので、思い切って竹籠を取り付けてみました。ちょっと粗目すぎたかな。今のところ順調ですか、雨の多い季節になったらカビるかな・・・命名「みちくさ号」。

写真→:左上より時計回りで
シノコガシ=シノダケの皮(葉鞘)を取る
シノ割り
みちくさ号
フジを土に埋める
 
二〇一八年一月   ブルガリアのことを調べることがあって、古い写真やビデオを整理していました。ミニDVカセットを今のうちにPCに移しておかなければ、と思い立ち、ビデオキャプチャー を買って作業開始。ブルガリアにいた頃や、原始布をめぐる旅の映像を見直して、思い出に浸っていました。

 一番の思い出は、ブルガリアのトゥリヤという村に住むマリヤばーちゃん。山羊、鶏、野菜を育て、家族の服を編む。朝から晩まで働く。ばーちゃんのお母さんの時代は、何でも手作りで、糸を紡ぎ、染め、機を織っていた。ばーちゃんも娘のころは布を織っていたそうです。糸を取るため大麻を植えていたという発言も。何でも自分で作る、理想の生活。自分も頑張ろう!と、発奮しました。

 2003年、私の原始布元年の映像もあり、忘れていたこと、新しい発見も。15年間自分のやり方でやって来たので、ちょっと初心に戻ることも大切ですね。

 でも、思い出したくない思い出も。ブルガリア人の作家たちと企画した日―ブル交流展は、派手に宣伝して、わーっと盛り上がり、最後には私は裏切られ、泣いたのでした。人間て、自分の都合の良いように記憶を作り変えているものです。ビデオで正確に記録しなくてもいいんじゃないかと思うことも有ります。ただ、これを見たくないために、長い間ビデオに触っていなかったのだと思いますが、今は比較的冷静に過去を振り返ることができるくらい成長したかな。

 最近、インスタグラムを始めて、毎日何かしら更新しています。以前、ブログでやっていたことですが、ブログサービスの廃止と共に中断していました。特別なことが無くても、自分の考えや好きなものを継続的に発信し続けることは大事だな、と思うこの頃です。いつまで続くかわかりませんが・・・インスタをしていない方も、Facebookにも共有していますので、お楽しみください。
 この「みちくさ庵」サイトでは、SNSでは書けない事を掘り下げて書いていきたいと思います。私にとっては、やはりこのサイトが芯となっています。

→写真はトゥリヤ村のマリヤばーちゃん(手前)と娘のドンカ母さん。(2003年9月撮影)
 一月のみちくさ庵
収穫:
採集(食):アブラナ葉・花・蕾、麦門冬
採集(材):
野良仕事:からむし移植
保存食:菊芋乾燥、麦門冬梅酢漬け
家仕事:シノ切り、シノコガシ、シノサキ、ヒゲへゲ、縄縫い、縄綯い、繕い物


12月に播いた小麦が、遅すぎて発芽せず。7月に大豆を播くまでに収穫できるものは・・・と、久しぶりにじゃが芋の種イモを購入するも、まだ寒すぎるかな。例年この時期はもっぱらアブラナ摘みだけです。

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