トップ

top page
近況

news
作品

works
素材と技法

materials & techniques
みちくさ日誌

diary
リンク

links
草の寺子屋

Grass-craft class
メール

contact

みちくさ日誌 2017
みちくさあんの収穫、採集、農工作業の記録です(各植物は草リストを参照してください)

 二〇一七年一一
月   
 一一月のみちくさ庵
収穫:甘柿、菊芋、大豆、花柚子、落花生(今年は自分の豆で味噌ができるかな?)
採集(食):アブラナ葉・花、ウシハコベ、麦門冬コマツヨイグサ葉、山芋ムカゴ
採集(材):スズメノヒエ
野良仕事:大豆収穫、小麦播種
保存食:柿酢仕込み、菊芋乾燥
家仕事:藁仕事(背負い紐・注連飾り)、糸績み縄綯い、繕い物
  一一月は、一年で一番忙しい時期です。なのに、急性蓄膿症と肋間神経痛との戦いでした。めったに病気をしないので、どこの医者に行ったらよいのかわからず、あちこちいった挙句漢方薬を煎じて治療に励んでいます。しかしいろいろな出会いがありました。東京文化財研究所で「箕サミット」が行われ、箕の研究会を立ち上げようと言う動きもあります。だんだん箕の世界に引きずり込まれていく〜

 久し振りに葛をいじりました。12月のグループ展に出品するためです。初めて葛の縦糸で織ってみたけれど、糊でバリバリに固めれば意外と切れません。でも、細い糸はできないので限界があるかな。カラムシでもっと細くて丈夫な糸ができることを考えれば、わざわざ葛を使う意味って何?と考えてしまう。確かに光沢があってきれいではあるのですが。採集も繊維を取り出すのもめんどくさいので、数年前に取った在庫の繊維でいろいろやってみようと思います。クズといえども侮れません。


→左は綾織り、右は平織。
二〇一七年一〇
月   
一〇月のみちくさ庵
収穫:甘柿、渋柿、タカキビ、椿実、紅吉兆、緑米
採集(食):アブラナ葉、クリコマツヨイグサ花・蕾・葉、渋柿シロザスベリヒユ
採集(材):カラムシ、キウイ?の葉、クズ葉、楠葉・木部、毬、スズメノヒエ
野良仕事:稲刈り
保存食:柿酢仕込み
家仕事:藁仕事(背負い紐・注連飾り)、糸績み縄綯い、繕い物
10/31

10月はいろいろなことがありました。岩手の箕をめぐる旅 に始まり、ネコを保護したり、注連飾りの展覧会を見に行ったり。個々のお話や写真はフェイスブックをご覧ください。岩手の画像はアルバム「岩手-箕を巡る旅」でご覧になれます。

今月のキーワードは「コレクション」。岩手では日本一の箕コレクションを見ました。東京では注連飾りのコレクターの講演会に。この人たちの特定の「もの」に対する執念は一体何なんだろう?自分は一つでもそこまで愛することのできる何かを持っているだろうか?お面?人形?作るのは好きだけど集めようとは思わないなあ。ああ、でもこれがあった!草縄標本(→)!これこそ私の「草コレ」ではないか!自分を鼓舞するために仕事場の壁に冬季のみ常設。

でもまだ75種類。上記の人々とはケタが違います。植物の方が箕や注連飾りより絶対数は多いはず。せめて三桁目指して頑張ろう。

草リストでは、草縄標本があるものに○をつけました。
縄自体の写真を載せることも検討中ですが、何せ写真を撮るのが難しく、頓挫しております。
二〇一七年
九月
 
九月のみちくさ庵
収穫:甘柿、シュロガヤツリ、椿実、紅吉兆、緑米、レモンバーム、和棉
採集(食):アオジゾ、アオゲイトウ、アブラナ葉、クズ花、クリクワ新芽、コセンダングサ葉、コマツヨイグサ花・蕾・葉、渋柿シロザスベリヒユテッポウユリ花、唐辛子、ニラ花・葉、フヨウ花、マツヨイグサ花、メマツヨイグサ花・蕾、ヤマノイモムカゴ
採集(材):アカメガシワ葉・皮、カサスゲカラムシ、キウイ?の葉、キンエノコロクズ葉、毬、クワ皮、スズメノヒエチカラシバ葉・花、ネズミノオ
野良仕事:稲刈り、脱穀、籾摺り
保存食:柿酢仕込み/栗の渋皮煮/にら味噌漬け
家仕事:藁仕事(注連飾り)、縄綯い、織物、縫物、繕い物、箕作り
 

実りの秋です。栗拾い、柿拾いが始まりました。昨年は両方とも不作だったのですが、今年はバッチリ。柿酢もうまくいきそうです。初めて渋皮煮にも挑戦していますが、皮を傷つけずに剥くのが難しい。「年取って渋皮煮ができる余裕が出て来た」と人が言っているのをよく耳にしますが、納得。
9/30

今月は箕づくりに取り組みました。

ウォームアップのために小さな塵取り箕を二つ作りました。一つ目(写真左)は箕先が開きすぎて隙間が開いてしまい、もう一回!やっと、隙間が開かずにうまく作れたかな?と思ったのですが、箕先が広がっていないとゴミが取りにくいことが判明。逆に失敗と思っていたものの方が塵取りとしては使いやすいようです。まだまだ工夫が必要ですね。
そのあと一斗箕に取り掛かりました。板箕を織り終わり、あと仕立てだけです。木積の箕作り映像を見直して「次は必ずここを改善」と思うのですが、いつも同じところがうまくいかない。でも、他地方の箕をいろいろ見てみると、いろんな形のものがあって、木積ではB品とされる失敗も、他の地方では標準の形になっていたりする。例えば、箕先がつぼまってしまったものを木積では「おたふく」と言って嫌いますが、わざわざおたふく形に作る地方もけっこうあります。結果オーライ、使えればよし、としようかな。

実は、10月上旬に岩手県に箕を巡る旅に行くことになったのです。なので、予習と言いますか、手が動いていると目も良く動くので、現地でものをよく見ることができるように「体力づくり」みたいなもの。報告ご期待ください。
 二〇一七年
八月
八月のみちくさ庵
収穫:アップルミント花・葉茎、ウイキョウ葉・実、ハナハッカ花・葉
採集(食):イノコズチ若葉・根、クワ新芽、コマツヨイグサ花・蕾、シロザ、スベリヒユニラメマツヨイグサ蕾・花、ワラビ
採集(材):アサガオ葉、アカメガシワ葉・皮、カサスゲ、カヤツリグサ、カラムシクズ葉、クワ葉・皮、スズメノヒエ、チカラシバドクダミ(外用)、ネズミノオ、ハギ皮、フヨウ葉、ヤブマオ
野良仕事:小麦脱穀・選別/落花生土寄せ/キミガヨラン移植
家仕事:藁仕事、糸績み縄綯い、繕い物、織物、箕、苧引き
8/27 「ひでじいの植物集」をとうとうwebに載せました。2013年に福島県喜多方市山都町の名物じいちゃんとその植物の記録に出会ってから、ずっと温めていたものです。まだ写真も完全ではないし、リンクを見落としている部分もありますが、少しずつ改善していきたいと思います。

本当は、町や市や県がサイトを管理して、地元で膨らませて行ってくれたら一番良いのですが、今のところ良い反応はありません。オカミが頼れないならば、自分でやるしかない、と、みちくさ庵のページにこっそり組み込む形で存在しております、今のところ。皆さんのご意見、ご指摘お待ちしております。

ところで、最近何回もアシナガスズメバチに刺され、そのたびに何が効くのか試してみました。まずは針が残っていたら抜き、水で患部を洗い流し、オトギリソウの焼酎漬けをガーゼにくるんで当てておきます。これ、喜多方に行ったとき摘んで、作っておいたのですが、今になって役に立った。でも、地元にないものだと続かないので、他のものを考えなければ。ひでじいのリストには「アサガオの葉をつける」と有るので、只今実験中。それと、昨年末仕込んだ柿酢が失敗して、クサヤみたいなものすごい匂いになっている液があるので、なんだか効きそう。よいこは真似しないように。
 8/25 先日、バスケタリー作家のHさんのお宅に伺い、何千という籠や編み組製品を見てきました。あまりに多いので「箕」に絞ってみることにし、韓国の藁の小さな箕を見つけました(写真左上)。そういえば、「韓国の藁と草の文化」という本に同じようなものが載っていました。早速お借りして真似してみました。

材料は、以下の通り。
左上(見本):腕木=細い木/タテ材=藁縄4o/横材=稲藁
右上:腕木=孟宗竹/タテ材=藁縄4o/横材=稲藁
右下:腕木=真竹/タテ材=カラムシ縄3o/横材=カラムシ
左下:腕木=孟宗竹/タテ材=カラムシ縄2o/横材=真竹皮

見本は猫編み(もじり編みを一段ごとに捩る方向を変えることで矢羽模様の網目になる)で、目が良く詰まっていると言う点では竹と藤の箕(一つ前の記事参照)より優れているようです。が、箕先が分厚く、網目がぼこぼこしているので、細かい粟などを扱うのは難しそう。

目的は塵取りなので、なるべく箕先を薄く、と追及していきましたが、結局猫編みでは細かい塵が取れないのと、この編み方ではアクド(深くなっている部分)の形がうまくできないことに気づき、あきらめた。

でも、もう少しやり方を工夫したら、いろいろな材料で箕が作れそうです。40肩(もしかして50?)が治ったらまた挑戦しよう。
 
 
8/1 作りたてホヤホヤの一斗箕で小麦の脱穀と選別をしました。

左は今年三月(↓)に作ったもの、右が昨日完成したものです。随分巾が狭くなりました。フジをぴっちりと隙間なく織り込めないと、どんどん幅が広くなってしまうのです。実際、ウデをつかんでザッザッと上下に振ると、左のくらい広いと使いにくいのが分かります。

 本当は、東北のおばちゃんたちみたいにかっこよくザッザッと風を切りたいのですが、そこまでの腕前はないので、とりあえず上下に振って軽いゴミを向こう側に出しておいて、あとはフーフー吹いて左側の箕に移す、という不器用なやり方です。でもちょっとだけ、「箕で風を起す」という感覚が分かりかけてきましたよ。と、調子に乗っていると実の方もこぼれてしまい、元の木阿弥になったりする。フーフーしていると、酸欠になってフラフラする(スパッタリング状態)。まだまだ道は遠い。

 箕作りも、連続して作ればもっと上達するのだろうけど、あぐらかいて前かがみの姿勢はかなり膝と腰に来る。ぶっ続けはきつい。最盛期には板箕(腕木にはめる前のペラペラ状態)を1日に10枚も作ったというから、職人さんたちの体力は計り知れません。しかも80歳過ぎても現役でつくっている。若いころからやっているから、その姿勢が普通になって、身体が順応しているのかもしれません。今さら彼らのようにはなれないので、自分なりにのんびりとやろうと思います。今年はあと2枚くらいは作りたいなあ。


 
 二〇一七年
七月
七月のみちくさ庵
収穫:キクイモ新芽、ハナハッカ、ギボウシ花・葉、ウイキョウ
採集(食):アマドコロ根、オオバコ実、ガマ花、クズ新芽、クワ葉・新芽、コマツヨイグサ花・葉、シロザ、スベリヒユタチアオイ花、ニラ葉、フジ新芽、ヘラオオバコマツヨイグサ蕾・花、メマツヨイグサ花・蕾、ヤブカンゾウ蕾・花、ワラビ
採集(材):アカメガシワ葉・皮、アップルミント、カサスゲガマ葉、カラムシキクイモ皮、クズ葉、クワ皮、ネズミノオヘラオオバコマダケ皮、メドハギ、メリケンカヤツリヤブマオ
野良仕事:大豆・黒大豆播き、緑米籾播き
家仕事:  藁仕事、糸つくり、箕作り
7/29 それにしても暑い。街で履く履物が革靴しかないので、さすがにもっと涼しい履物を考えねば。で、いつも履いている草鞋(左写真)を一工夫してみました。
  今回新しいのは、ヨツヂワラジ(乳〈「チ」=ひもを通すわっか>が4つあるもの)にして、縛り方を変えたこと。今までは「乳」のないヒッカケワラジを左写真のように足首に縛りつけていました。しかし、ヒッカケワラジはカカトがずれやすく、この縛り方だとかなりきつく締める必要があり、痛いので靴下やサルッパカマの上から縛らなければなりませんでした。いろいろな資料を見ていると、右の写真のように、ヨツヂワラジの後方の乳にカカトの耳(ひもを通す大きな輪)を通し、そこにさらに芯縄を通して足の甲で留めているものが多くあったので、さっそく挑戦。すると、足首が解放されてとても楽。見た目もちょっとしたサンダル風で、都会で履いても違和感ありませんでした。
 そもそも左の縛り方は、最初に草鞋つくりを教えてくれた職人さんのやり方です。教わったことを鵜呑みにして、自分で考えていなかった。頭だけの「お勉強」の弊害ですね・・・
 ちなみに爪先はカラムシでつくったツマゴです。ツマゴ1組みに対してワラジ5足くらいの割合で長持ちします。擦れて来たら上下をひっくり返して履きます。草鞋を履くコツは、毎日左右を取り替えること。特に私は右がすり減る傾向があるので、左右均等に擦り減らすためです。これは靴ではできません。。
 今回のもう一工夫は、爪先とかかと部分に縄を編み込んだこと。草鞋は、何はなくともまずこの二カ所が擦り切れます。よく、布を入れているものがありますが、あれはあまりきれいではないしゴミになるので、あくまで藁で補強します。草鞋はどうしてもつま先とカカトが真っ先に擦れてしまうので、ペラっとした土台だけ作って擦れたら取り替えるのが一番効率的なのです。頭いいね、昔の人は。
 二〇一七年
六月
六月のみちくさ庵
収穫:ウイキョウ、梅、金柑、ギボウシ、小麦、茱萸、枇杷実、桃
採集(食):イノコズチ、オオバコガマ、カントウヨメナ、キミガヨラン花実・葉・新芽、コマツヨイグサ葉・花、シロザ、スイカズラ、セリ、タチアオイ花ドクダミノアザミ葉・根、ノビル根・ムカゴ、ハコベフジ新芽、ヘラオオバコ真竹筍、マツヨイグサ花、ユキノシタヨモギワラビ
採集(材):アカメガシワ葉・皮、アップルミント、オギ葉、カニツリグサ、カラムシクズ葉、クワ葉、ツバナハルガヤ真竹皮、ヤブラン葉、ヨモギ
野良仕事:種播き()、田植え
手仕事:藁仕事、糸績み縄綯い、繕い物、苧引き

保存食:梅漬けワラビ塩漬け、桃塩漬け、真竹筍酢漬け

6/28「木積の箕をつくる」DVDおよび報告書作成について寄稿しました。https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=sites&srcid=ZGVmYXVsdGRvbWFpbnxiYXNrZXRyeW5ld3N8Z3g6NDViNzY1ODVmZDgxNTAwZQ   

6/18 小石川植物園に行きました。自分の植物リストのためと、もうひとつ、92歳のジーちゃんが作った植物リストのための写真を撮りに。昨年秋から二か月おきくらいに通っています。今の季節は花が咲いたり実を着けるものも多く、いっぱい収穫ありました!ちょうど紫陽花が見ごろでしたが草イストとしては「分類標本園」を征服しているネコジャラシに感服。知らない人が見たらネコジャラシを「スミレ」とか「カントウタンポポ」だと思ってしまいそうです。秋は全部メヒシバになります。

 今回最大の課題は「イトラン」(左)と「キミガヨラン」(右)。よく民家の庭先に植えてある「ユッカ」と呼ばれている肉厚の葉の熱帯っぽい植物。はじめは若い葉を腐らせて繊維を採っていましたが、あんまり長くないのと、めんどくさいので、最近はもっぱら花を食うことに専念。キャベツのような食感で、美味しいのです。いろいろな写真を見て勝手に「イトラン」と思いこんでいたのですが、前回4月に小石川植物園を訪れた時、葉っぱを見て太さが違うことに気づきました。もう一つ同属の植物で「キミガヨラン」というのがあり、こっちだな、と判断。HPのリストも訂正しました。ところがまたどんでん返し。植物園の花暦を見たら「キミガヨラン」の開花は10月となっています。でも現実には5月から6月にかけて花を採っているのに。もう一回この目で、いや、目だけでなく体で触って確かめなければ!いつも花を採るとき、硬くて尖った葉先が痛いのを思い出して触ってみたら、イトランの方は柔らかくて薄い葉。やっぱりキミガヨランだ!花も咲き終わりだけど咲いた形跡あり。調べると、年2回咲くような傾向があるらしい。やっぱり画面と頭だけで考えてちゃいけませんね。でも、イトランの花も美味しそう!

   
 6/9発売の「チルチンびと」(風土社)という季刊誌に紹介していただきました。本来は住宅に関する雑誌なのですが、今回は「草」の特集と言うことで、お声がけいただきました。表紙になっているのは拙作、冬の綿毛が落ちた荻の容れ物です。
今年は出版・編集関係の仕事が重なり、3月の「箕つくり」DVDに引き続き、校正の毎日でした。目を皿にしてチェックしたつもりだったのに、やっぱり間違いが・・・まあ、しょうがないですね。読者はあんまり細かく見てないものかもしれません。。
私(草編みびと)の他に、草花を紙に漉き込む人、草で染める人、藺草籠の若き跡継ぎなどが紹介されています。
他の記事は住宅資材関係のことが多く、勉強になります。が、せっかくなら藁ぶき屋根とか昔ながらの草でできた住宅の特集とか古民家再生とか、そういう記事だったらよかったのになあ、と妄想してしまいました。でもセルフビルドでおうちを建てようと考えてらっしゃる人には読み応えがあると思います。


 あまりそこいらの書店には売ってなさそうなので、直接出版社にお問合せ下さいませ。定価917円+税。このボリュームで、季刊誌で1000円以下とは。出版業界はどこもたいへんみたいです。

  
 
  二〇一七年
五月
  
五月のみちくさ庵
収穫:ウイキョウ、菊芋、金柑、茱萸
採集(食):ウマゴヤシ、カントウヨメナ、キミガヨラン花実、コマツヨイグサ葉・花、スイバスギナドクダミノアザミ葉、ノビル根・ムカゴ、ハコベ、ハルジオン、フキ茎、真竹筍、マツヨイグサ花、ユキノシタヨモギワラビ
採集(材):アカメガシワ葉・皮、イチゴツナギオギ葉、カラムシコバンソウスズメノヤリツバナハルガヤフキ葉、ミゾイチゴツナギ孟宗竹
野良仕事:種播き(、落花生)
手仕事:藁仕事、糸績み縄綯い、繕い物、苧引き(カラムシの苧引き解禁です!)
イベントが終わり、荷物が続々と返ってきました。使い古した段ボールは粘着テープでネトネト。テープと紙のゴミの山。毎回これを繰り返すたびに、もうやめようと思うけど・・・。
今回、展示の什器もできるだけ竹やカラムシを使って手づくりし、ごみを出さないようにしたつもりだったのに、思わぬ落とし穴が。会場は県の文化財なので、傷をつけてはいけない。搬入作業は県の教育委員会の人が監視する中で。特に障子は細かい細工で、張り替えるのが大変。「くさきの縄標本」が障子に当たらないように、急遽和紙で養生することに。といっても、和紙もどうやって貼ろう?コーディネーターさんが教えてくれた「ひっつき虫」。ネリケシの様なゴム状の物質で、素材を傷めずに貼ることができる。おお、便利、とさっそくダイソーで購入。ダイソーだけには行きたくなかったけど、仕方ない。でもお客さんに「展示用品は化学的なものを使ってるんですね」と指摘され、がっくり。繰り返し使えるからと言って、そのものが工業製品だったら意味がない。和紙を竹に挟んで吊るすとか、もっと工夫すればよかったと反省。
イベントに参加すると、時間がなかったり、人に合わせてしまって、こだわっていられない場面に遭遇する。ゴミを出さない生活を勧めるための展覧会が、ごみを出してる矛盾。頭痛い・・・
 

「我孫子アートな散歩市」に参加しました。久し振りのイベントです。今回は江戸時代の風情を残す旧村川別荘と言うまさに<庵>全体を使わせてもらいました。その名も「くさきの庵」。作品を展示するというより、生活の中の植物の活躍を紹介する内容にしました。
この「我孫子アートな散歩市」というイベントは、他の多くのアートイベントと同様、作家たちが手弁当で運営しているもので、なかなかスムーズに事が運ばないことも多く、難儀した点もありしました。でも、知らない人と出会ったり、普段なかなか展示販売には来てくれない人が来てくれたり、たまにはこういうのもいいかなと思わせてくれた催しものでした。
こちらに写真を載せましたので、お楽しみください。
 
二〇一七年
四月  
四月のみちくさ庵
収穫:キクイモ(イモと新芽)、金柑
採集(食):アブラナ葉、蕾、花、アマドコロ(新芽)、イタドリ、ウマゴヤシ、ギシギシ(葉)、コマツヨイグサ、スイバ(蕾)、スギナ、セリ、土筆、ノビル、ハコベ、ハルジオン、蕗(茎)、ヤブカンゾウ(若芽)、ユキノシタ、ヨモギ、蕨(いよいよ草摘みに忙しくなってきました!)
採集(材):コバンソウ、ジャノヒゲ、スズメノヤリ、ハルガヤ、蕗(葉)、ミゾイチゴツナギ
野良仕事:田んぼの準備、種まき(棉、米、オクラ)
手仕事:藁仕事、糸績み、縄綯い、繕い物 
 ゲンベイ(爪先の覆われた藁の履物)を作り直しました。昨年10月の写真↓のようなすっぽりと履く「靴」タイプだと、どうしても履いてるうちにゆるくなってきて歩きにくい。庭周りならいいのですが、散歩にはやはり草鞋のように紐で括り付けなければ。
 それから新たな改善点は二重底にしたこと。足の裏のつま先とかかと部分が真っ先に擦り切れてしまうので、ツマガケを丁寧に作る労力がもったいない。そこで、擦り切れた部分だけを取り換えればいいようにしました。
 そう考えると、普通の草鞋と言うのは最小限の面積だけ素早く作ればよい構造になっていて、とても効率的な履物なのですね。

 それにしても、爪先がある履物は指が詰まってしまって痛いし、外反母趾気味になることは変わりません。指股のある草鞋を堂々と履けるくらい暖かくなってくれるといいな。
 ちなみに、この写真は撮影のために素足で履いてますが、履き初めでそんなことしたら傷だらけになります。


 このゲンベイも、五月の「我孫子アートな散歩市」に展示しようかと思っています。
 二〇一七年
三月
三月のみちくさ庵
採集(食):薊、アブラナ、タネツケバナ、土筆、野蒜、繁縷、スイバ、フキノトウ(少しずつ春の野草が増えてきました!)
採集(材):ヘクソカヅラ、リョウメンシダ
手仕事:箕作り、繕い物 
 三月は箕に明け暮れました。DVDと印刷物の完成に奮起し、初めての一斗箕(18リットル)に挑戦。巾約80p。でかすぎてしまいました。大きさが違うだけで、まったく別の物質であることを再認識。私の力ではきっちりと腕木を巻くことができない。箕の産地千葉県匝瑳市木積では、元来平べったい状態の板箕を女性が作り、腕木に取り付ける仕立ては男性の仕事でした。納得。

 ならば、今度は小さな箕に挑戦です。先日木積の箕保存会で会員の方に見せていただいたいわゆる「民芸箕」。まさに塵取り!忘れてましたがこれぞ、最初に箕に惹かれた理由だったのです!箒は各地で講習会があったり、自分でも作ったりしてきましたが、塵取りは相変わらずプラかせいぜいトタン。和紙に柿渋を塗ったものもあるようですが、和紙を作れない。何か、身近な材料でできるものは・・・と考えていた折に箕に出会ったのです。余った材料でできるので、去年の端材で3つできました。取っとくもんだ、何でも。左から作った順です。最初のは縦が長すぎて失敗。でも、失敗したのが一番、塵取りとしては使い勝手がよい、皮肉なことに。どうしても箕先がまっ平らにならないので、最後まできれいに塵を取り切れない。悔しいなあ。でも、段差を使うなど掃き方を工夫して、人間の方が道具に合わせればいいのです。
 
 余談ですが、このお土産ものの小さな箕が「民芸」と呼ばれているのを苦々しく思います。生活の必要のために作られる、余計な装飾のない素朴な箕こそ、柳宗悦の言う真の「民芸」なはずだけど、逆に飾り物のミニ箕が「民芸」と呼ばれるとは・・・
 
 年度末。木積の箕作り記録映像および教本作成作業も正念場を迎えています。3月4日、5日は保存会で映像を観賞しました。編集が間に合わず、全6時間と言う長編に。それでも熱心な(と言うより近所の)会員は二日かけてじっくり見てくれました。普段の保存会では見られない、職人の作業を全工程見られること、詳細にわたる細かい説明の教本に、皆さん感心してくださいました。「5年目にして初めて知った」とか、「時々こういう勉強会をするのもいいね」というご意見、ご感想も。
 映像と教本の作成は東京文化財研究所が担当してくれました。さすが、民俗学者。箕作りはまだ体験程度しかやったことがないのに、ここまで詳しく分析、解説できるとは。ものを作る工程を言語化することほど難しい翻訳はない。だからこそ昔から「技術は教わるのではなく盗め」と言われ続けてきたのでしょう。しかし忙しい現代社会においては親方や師匠にぴったりくっついて盗んでいる時間がない。今こそ現代のテクノロジーがアナログな作業を助ける時なのだ。

 私が藁細工を教わった職人さんは、5-6回お会いしただけで亡くなってしまいました。しかしその講習会の映像をビデオ撮影していた人がいて、映像が私の師となりました。職人さんが高齢化していなくなっている今、このような映像記録が急務です。地域のPR映像程度のものではなく、ほぼリアルタイムに近い作業の映像です。すべてのものづくりを記録映像に残して、アーカイブスを作ってほしい。もちろん、生身の人間の作業を実際に傍らで見るのとは雲泥の差です。が、全て手取り足取り教えてもらうよりも、映像をヒントに自分で試行錯誤して考えながら作る。この方がよい作り手を育てるのではないか、とも思います。昨今、容易に「弟子にしてください」「教えて下さい」と言う人が多いのですが、なんでもかんでも一から十まで教えてもらえると思っているのは戦後教育の過ちです。自分で考え、工夫すること。それが今一番必要なこと。「先生」は人ではなく、素材そのものなのです。
 
 二〇一七年
二月  
二月のみちくさ庵
採集(食):メマツヨイグサ根、アブラナ葉、蕾、花、コマツヨイグサ、花、葉
採集(材):ナキリスゲ、篠竹、真竹
手仕事:竹籠、竹ピン、フック、羊毛糸紡ぎ、繕い物、編み物、フジキリ、シノキリ、シノコガシ、シノサキ、ヒゲヘゲ、草筆
 先月に引き続き、竹籠を作りまくっています。暖かくなって来たらもう竹は採れないから。長いこと先延ばしにしていた「草の服」に取り掛かっています。わがみちくさ庵の4つの倉庫には草がいっぱい。ほとんどは紙にくるんで素材別にバスケットの中に立ててあります。このバスケットはよく薬局なんかで使っている針金にニット地がかぶせてあり、パタンと折りたためるようになっているやつです。当初はうまいアイディアだと感心してたくさん買ってしまいましたが、今となっては土に分解しないゴミ。少しずつ竹籠にシフトしていかなければ・・・
 写真の六つ目籠は下から草が抜けてしまわないように底にヒゴを挿してあります。材料は、3年前にカーテン代わりに窓に立てかけようと作ったすだれを分解して編み直しました。このすだれ、2m×2mで重過ぎてたいへんだったのです。それと籤が長すぎて自重でたわんでしまった。すっかり硬くなっていたので無理かなあと思っていたけど、しっかり水に漬けたら以外にスムーズにヒゴ採りができました。一番左の大きなのは、ひごが厚すぎて目が大きくなってしまったもの。こんなに円周が大きいと、運ぶのも大変。
 一番右の籠に入っている長いものは、ひごを採った後の身竹(裏側のカス)で作ったすだれです。クラフトペーパーでは風通しが悪いので、これも竹すだれにシフトだ。しかし、草の種類は主なものだけでも20以上あるし、小さいのや細かいのもすべてすだれにくるむとなると、いつ終わるんだろうか・・・一生作り続けるしかありませんな。
 
二〇一七年
一月 
 一月のみちくさ庵
採集(食):メマツヨイグサ根、アブラナ葉、蕾、花、コマツヨイグサ、花、葉
採集(材):ナキリスゲ、椿実、、篠竹
手仕事:竹籠、木綿糸紡ぎ、繕い物、編み物、フジキリ、シノキリ、シノコガシ、シノサキ、ヒゲヘゲ
年が明けると、やっと自分のものを作る時間ができます。というより、寒くてアカギレが痛いので、なるべく水を使わない作業がしたい。竹籠と木綿の糸紡ぎは、みちくさ庵では冬の仕事です。昔なら冬季の農閑期に藁仕事をしたのでしょう。この寒いのによくやったねー、と感心してしまいます。

 壁の整理棚用に籠を作りたい、とずっと思っていて、昨年は個展準備のために一つも作れなかったのですが、久々に奮起しています。お風呂屋さんの脱衣所みたいなイメージ。とはいえ、全部で66カ所あり、まだ12カ所しかできていない。33カ所霊場を二周するくらいのテンションですね。右上の方に青々した籠が今年に入ってから作ったものです。植物性の籠は落ちても壊れません。こんなに上の方に置いてもOK。
 
 

2016年の日誌


トップへ
Back to the top page