雨を見ている(2020.7.11)

 
 我が家の、私の部屋は2階にある。
2ヶ所ある窓のひとつを開けると、隣家の壁しか見えないが、
少し視線を上に向けると、その屋根と少しばかりの空が見える。


【 部屋の窓越しに見える風景 】

今日も雨が降っている。
隣家の屋根に降る雨を見ている。
シトシトと降る雨もあれば、音をたてて降る強い雨もある。

この7月3日前後から降り始めた記録的な雨を、
気象庁が 「令和2年7月豪雨」 と命名した。
この豪雨は、熊本県 人吉市を中心とした球磨川流域に
特に甚大な被害をもたらしている。
熊本県のみならず、福岡、鹿児島、佐賀、長崎、大分、
東日本方面でも岐阜、長野と、多くの県に被害が及んでいる。

コロナ禍が少しも落ち着かない時期に、この豪雨被害である。
隣家の屋根に落ちる雨粒をながめながら、
ニュースで見た、豪雨の被害の一シーンを思い出した。

そのシーンとは、
人吉市内で球磨川からほんの少ししか離れていない住宅と、
その前の道路が映っている映像である。
防犯カメラの映像か何かである。
早朝の、雨が降っている何の変哲もない道路風景が、
わずか17分後には数mの濁流の川に変貌して、
何台かのライトバンが、なにか白い荷物のごとく流されて行くのである。

今朝の私のように、部屋の窓から降る雨を眺めていて、
 「あらー、今日も雨かぁ、よう降るよなぁ、、、」
と思いながら過ごすうちに、わずか17分で家の1階が水没してしまう、、、、

そんなすごい光景を想像してみた。
隣家の屋根に落ちる雨を見ながら。

ふとパソコンで、天気予報を見てみたら、
この先一週間もずっと雨の予報である。


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