稲穂の香り (2017.7.2)

 天草市の棚底港へ、ある用件があって車で出かけた。
いつもは、釣行のため行く場所であるが、今回は、釣りではない用件である。
まあ、用件はどうでもいい。

熊本市内の自宅を、午前11時に出発。
宇土、三角、天草五橋、知十、教良木、、 と車でとばす。

天気は晴れで、とても暑いが、
前後左右、車のウィンドウを全開にして走った。
少しムッとするくらいの、初夏の風を感じながら、車は走った。

途中の、教良木あたりの田舎道を走っていると、
運転席の右方向から、懐かしい香りが、風とともに
車内いっぱい入ってきた。

 「ああ、懐かしかねーっ! この、稲穂の香り!」

田植えの後、稲が実る過程で漂って来る、あの懐かしい香りである。
思わず、車を停め、その懐かしい香りが吹いてくる方角に、
スマホのカメラを向けて、”パチリ!”


【 「我が故郷は、緑なりき!」 そう叫びたい気分で、シャッターを押した。 】

遠い山から吹いてくる風に、稲穂の香りが乗ってくる。
ほら、スーッと息を吸ってみて!
あの懐かしい稲穂の香りと、少年時代の想い出がよみがえってくる。


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