黎 明
未だに夜の明けやらぬうちに・・・
平和な静けさを破る嵐は突然に襲ってくる
渺々と吹きすさぶ風
遠くに轟く雷鳴
そして突然の強い叩き付けるような雨
・・・雷鳴・・・雨・・・風・・・
嵐の中に取り残され救いようのない恐ろしさが身に押し迫る
・・・風・・・雨・・・雷鳴・・・
永く続く無明の嵐も、やがては終わりを迎える
静けさの中に滴る穏やかなる雫
遠音に心に沁みる鐘の聲が響き渡る
空を見上げると白々と夜が明け始め
そして黎明を迎える・・・
鳥達のさえずりに囲まれ歩みを進めるその前に
古く荘厳なる幾多の星霜を経た堂宇が近づいてくる
二返の金磬が鳴りやまぬうちに
祈りの聲が響き渡る
如来妙色身
世間無与等
如来色無尽
一切法常住
鳥の聲、それは夜の帳を開く黎明を象徴するもの
鐘の聲、それは人の心の闇を照らす光を呼び覚ますもの
祈りの聲、それは光明の中に輝く佛の心を伝えるもの
この世に生きて求め得る輝けるもの
それは闇を開く黎明
静寂の中に光り輝くみ佛の心
その心を伝える祈りのことば
その中に身を委ね歩き続けよう
心の黎明を迎える為に・・・
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