6月の日記

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【庭のテッセンが2m近く伸びた所で美しい花をつけました。5月30日撮影】

※これが6月最後の日記です。明日から3日間、山にこもります。

626日()晴れ

人間はみな寂しいんだ!

 最初はモバイル通信のこと

モバイル(携帯PC)を外で使うために、先にダイヤルアップ方式を、ショップ店の人に

自宅へきてもらって一応、セットアップしたが、あまり使用チャンスがない。

先日、ITサービスしているビルの部屋からつないで確かめたが、これもうまくいかない。

 友人に相談すると、メールの確認ぐらいなら、ケーブルで携帯とパソコンをつないでやった方がいいですよと、助言されヨドバシカメラで購入した。

このセットアップが大変であったが、土曜日の夕方、店が混雑するなかで、一応、携帯で通信できる状態になったが、1つのメールを受信する時間が非常に長く、このままでは、電話料金がものすごいことになりそうである。しかも、切断処理をしないと、永久に電話料金が加算される心配が残る。これでは、緊急の時にしか使えない。 

このため、カードを差し込むだけで使い放題できるAIR EDGEWILLCOMで契約利用とも考えたが、毎月6千円払うほど、利用しないと思い、止めた。

 その足で、久しぶりにエレガンス会に参加。そこでPCに詳しいO氏に聞くと、彼はインターネットカフェで自宅のメールをのぞき (1時間350円)メモリーに記憶させたのちに携帯PCに取り込むことをやっているようです。これなら、安くできるが、一定の場所(都心)で活動している人には、すごくいいという感じはした。私のように、地方に出かけ、見知らぬ土地で通信をやりたい人間には、そう役に立ちそうもない。また、ID,パスワードをプロバイダーから新たに入手しなければならないなど、面倒である。

 そこで、携帯のインターネット接続で、メールチェック(誰から、どういう内容)する方法が簡単で経済的にも一番の格安だということが分かった。これだと長文のメールは読めないが、チェックは可能である。あとは、自宅へ戻った時に、読めばいいわけである。

 ここから本題

 さて、3ヶ月ぶりにエレガンス会HPNET108に掲載)に参加。会員の間で人気が高い外資系に勤務のO氏は、年収1200万円を捨てて50歳で会社を辞めた報告もあって、30人近いエレガントな老若男女の方々が参加していた。

 ある65歳のシニアの方が、「いろいろ事業をしようという人が多いが、泡沫的なもので生活ができるのが不思議ですね。キーワードはマルチ型人間、それと1つの企業にしがみつかないということか。」と、分析していた。

私が周りの参加者に聞いた事業に、スピリチアル・マザーと言って、40歳そこそこの美形の女性が、ネットを通じて悩みの相談、ストレスの解消をしてあげているビジネスを披露。千葉、奄美大島など全国から相談に来る言う。

 私がよく行く石切神社の参道に占い師の店がずいぶん増えた(店の所有者は高齢化で跡継ぎもいないので、占い師に店を貸している)。占い師に相談する人は、誰かに自分の悩みを打ち明けたくて行っていることだと最近、気づいた。

身内や友人に相談する人がいないため、占い師に聞いてもらう。占い師は運命を言い当てる看板を出して商売をしているが、私から言わすなら、「それなら貴方の運命を言ってみろ」と、言いたい。おそらく非科学的な占いによって、時間をシェアーする(付き合う)ことで、カネを稼いでいるだけだといわれるだろう。

スピリチアル・マザーも、いわば占い師もどきである。真顔で「他人の霊感の大きさが分かる」というのである。それなら、霊感を見せろと言っても、「私にしか見えません」と、答えるはずだ。

こうしたことに、立派に会社人間を終えた人たちが、まじめな顔して聞いている風景に、いまの日本の病める姿を見る思いがするのは、先に感想を述べた人と同じである。

 「この人、を出したんです。岡田さんに名刺を渡しなさい」と、スピリチアル・マザーに連れられてきた男性がいた。

その本を見た。ほとんど、新聞、TVで伝えられた情報にコメントをつけたもので、「これ自費出版でしょう」と言うと、「そうです」と答えた。制作費80万円だそうだ。

年間購読料8千円(記憶違いかも?)B51枚に書き綴った情報を毎日、流しているとも言う。80人の会員がいると聞いて、NPO活動で毎週、仕事情報を流していても、彼の会員数にかなわないことに、衝撃を受けた。「貴方、著作権知っている?」と聞くと、「何ですか?」と聞き返された。

彼はこのほかにカフェーバーも経営している。マルチ型人間である。そのエネルギーのすごさに感心する。

 そのほか、会社に勤めながら、サイドビジネスをしている参加者も数人いた。「ネットで販売するだけですから、会社にはバレません」というのである。そういう仲間が、この会にきている。

 そこへ、大企業をリタイアーした紳士たちも楽しみながら来ている。この風景を見ると、病的な日本平和な日本、そして格差を生んでいる日本悩めるサラリーマン社会が見えてくる。かく言う私自身もエレガンス会という占い師にはまっていることは、間違いがない。

「私が編集している季刊誌は・・・・・」と、いつの間にか、マイクを握ってPRしている自分がいる。

みんな、なにかしたいんだ。そいう気持ちを持つことが大事なんだということを教えられた。

「1億円ビジネスを目指しています」という女性の声を聞いた時、彼らはニート族の対極にいる風に思えた。

会の会長でM社を退職後、現役の大学教授となっているO氏が「松下幸之助さんから学んだ大切なことは@素直になれA現場、現物を大事にせよ(売り上げは現金で見て、納得する)B人を簡単に信用しない(モノ事の裏をとること)」という格言を挨拶で述べた。どれも難しいことだが、この3つができて、はじめて事業と呼べることになることだけは、確かである。








6月25日(土)晴れ


                  出版考

 6月最後の日記です。

 昨日は久しぶりに京都に仕事で出かけました。地下鉄・丸太町から御所の近くのホテルまで歩きましたが、京都はいつ行っても別世界の感じですね。ここで、3人の美女と2人男で会議をもちました。しばらく政界で某大臣秘書をしていた女性の話は新鮮で面白かった。「政治家が地元に帰ると、頭を下げっぱなしなので、永田町にいたがるのです。そこではふんぞり返ることができるからです。」という話、さまありなんと思ったものです。

 さて、本日は編集長平松南氏のメルマガ『神楽坂まち帖』に興味あるコラムが載っておりましたので、ご紹介します。このメルマガのURLは『NET108=ネットテン・エイト』ページに掲載しておりますので、関心のある方は開いてください。

−−(※太字は岡田が印しました)

 出版に志ということがよく言われる。食品や電気製品と違い、売れればなんでもいいかというわけにはいかない世界だからだ。

 価値あるものが売れるとは限らない。しかし売れないからといってその考え方が無価値だとも、その作品が無益だとも言えない。30年後に先見性を認められるかも知れないし、50年後の人々が遅れ馳せに再発見するかもしれない。

 そんな書物はごまんとあるから、わたしたち編集者は常に過去の出版物に注目する。その時代に売れた物でも、その後忘れ去られた作品も多い。それが再評価されることもままあることであり、編集者はそれも念頭に置く。
事実わたしは、「日本鳥類写生大図譜」「日本森林樹木図譜」「日本植物誌」をそうした観点から蘇らせ、新版として出版した。

 志ある出版社とはどこだろう。志という点で言えばそれはいくつもあるし、志ある編集者は講談社にも多い。しかし講談社が志ある出版社かというとそうではない。わたしのようなOBだけではなく、読者もそう思っている。

 岩波書店は、平凡社は、筑摩書房は、といろいろ問うても、それはそれで選別が億劫になる。講談社より岩波書店の方が利潤追求が緩やかで、地味でもよい企画が通りやすいのは確かだろう。

 志の出版社と並んで良心的出版社ともいうが、しかし日本資本主義の傘下にある出版社であれば、なにがしかの利益が出てはじめて、単純再生産も拡大再生産もできる。経済成長が右肩上がりのころには、多くの出版社は人や事務所を増やして、拡大再生産に努めた。その時代も過去になり、いまは単純再生産か縮小再生産の道を歩んでいる。

 社員の募集も少ないし、事務所も撤退傾向にある。定年退職者がでてもその分に見合う社員を補填していないから、講談社などは、社員数で見る限り縮小している。しかし本の種類や販売額は減少していないので、それだけ外注に発注し、派遣社員が増加しているのである。

 社員と派遣社員、純社員と契約社員、契約社員と短期アルバイト社員。こうして身分が細分化し、区別から差別が生まれている。

 講談社は給与が高い。50代で年収2000万を越えるというと驚く人は多い。わたしは55歳で早期退職したが、辞める寸前の給与は1800万円台だった。一般の社会常識からいうと、ひところの銀行やテレビなどと並んで桁違いに高い給与水準だ。

 組合が強いのもこうした原因のひとつだが、それだけではない。出版社の数は日本全国で3000社とも4000社ともいわれる。大半の出版社は中小、零細企業であるが、小出版社や中堅出版社の社員は給与が高いわけではない。

 講談社の社員編集者の共産党員夫婦は、男女同一賃金でダブルポケットであったから、年収が4000万円もあった。党費で数パーセント取られても有り余ってしまい、毎年夏休みには南太平洋に出かけるのが恒例となっていた。中小出版の社長など遠く及ばない、貴族的な生活をしていた。

 この夫妻は、党の活動にも、編集者としての仕事にも、誠実に取り組んでいたから、生活は労働貴族の典型だったが、決してダラ幹ではなかった。わたしは、共産党とはいつも一線を画していたが、彼らとは親しく付き合ってきた。

 しかし、一般論としていえば、出版文化を支える者たちが、普通の人々より遥かに豊かな生活を保証されていて、反体制の人々が、海外旅行に、カラオケに、アウトドアーにうち興じているとしたら、文化が依って立つべき人間を見据える目も曇っていかないだろうか。

 それは、大手のテレビ業界にも言えることである。かつて「貧乏、無名、若さ」を創造の条件にした哲人がいたが、「暖衣飽食」は、人の感受性を破壊し、連帯感を阻害し、文化を衰退させる。日本の出版界を支配する巨大出版社の講談社で、わたしが垣間見てきた事実はそうであった(第二十八話終)。



6月19日(日)曇り



           ロボット考


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その前に、健康談義 

 人生晩節の最初のヤマが60歳といわれます。定年が65歳になる時代ですから、現役の方も多いでしょう。だけど、体はとくに私の場合、体重が70kgから65kgに減りました。身長167cmですから、理想は60kgと言われています。私は65kgでも少し減りすぎだと考えていますが、数値上は指摘を受けるわけですから、そういう認識をもつことは大事だと考えています。

 それにしても、1日1万歩以上歩くことは、定年になった人間にはかなり厳しい数値ですね。ここ10日間の万歩計の数値を示しますと、15,321、7,309、2,574、4,750、1,754、11,01613,746、3,670、7,706、8,417、11,59017,200ということで、12回のなかで5回1万歩を超えています。これは、健康教室で記録をとっていて、この数値ですから、そういうことをしていない場合は、もっと厳しいことになるでしょうね。

 先日、新聞の声欄に91歳の熊本の男性が「退職後、早寝、早起きを厳守。日中はもっぱら読書、飽きると繁華街に出てデパートや書店をのぞき、喫茶店でコーヒーをすすりながら若い男女の会話に耳を傾ける。夕方は、付近の山道を1時間半(6キロ)ほど歩き、帰宅後、晩酌を楽しんでいます」と、これまで、医者にかかったことはないということです。この声の主が91歳で6キロも毎日、歩いていることに驚かされます。

 そういえば、私が散策する公園に、見たところ80歳前後のおばあちゃんが息子さん(60歳前後)と思われるかたに付き添ってもらいながら、毎日(いつも行っていませんが・・・)手押し車に頼りながら歩いている姿を見て、「意外に早足である」ことに、感心しています。

 つまり、歩くことが健康保持ポイントの一つです。健康教室では、昨年の経験者を招いて、グループ別に話を聞く機会がありました。その方は71歳で、血糖値が160に上がったので、この教室でプール体操をしながら、医者の指示で薬も併用して努力したそうです。いまは130以下に下がっているということです。
 それは薬の効果も考えられますが、ここしばらくは薬を止めて、それを確かめているそうです。私は彼の話の中で、「たえず、水を飲んでいます」という点は、同感です。私もまず起きたとき、風呂上り、寝るとき、日中もよくミネラルウオターを飲んでいます。人間の体の80%は水ですので、これを浄化していくことが大事だと考えています。

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ここからロボット談義

 健康談義はこれくらいにして、今日は、ロボットの話題をしたいと思います。先日、「ロボットと暮らす明日」のテーマで大阪大学教授浅田稔氏らが参加するシンポを拝聴しました。ロボット研究、それも関西で進んでいることを改めて知りました。そのなかで、独立行政法人「情報通信研究機構」の上田博唯研究員がユビキタス社会を想定して家屋全体を情報管理してロボットとの共生を試すため、2〜3週間、研究所内の2DKマンションに住んでもらってデータを取っていることに興味を持ちました。
 
 これまで、機械と人の共生という論議はありませんでしたが、ロボットとは共生という、いわば擬人化した形でとらえるようになっている点が注目されるという指摘がありました。

 不思議なことに、自動車以上にロボットについて感情移入する面が強いようです。円盤状の掃除機(4万円)は売れないだろうと見られていましたが、2年間で100万台売れているそうです。この掃除機はモノがあると避けてしまうので、思い通りに掃除をするロボットではないと、思われていました。それがわずか、2年間で100万台売れた事実はすごいわけで、購入した人は、この掃除機と一緒に掃除をしているそうです。  掃除の時間は従来の倍以上かかっているというのです。これはまさに人がロボット掃除機と一緒に暮らしているということです。

 ソニーのアイボー犬を購入している人は、会場(約200人)のなかで数人いましたが、ひょっとしたら、爆発的に、携帯のように売れる時がくるかもしれないということでした。

 私は、ロボットの発展に期待する半面、新たな犯罪の種を撒くだろうと想像しています。携帯やPCがいろんな犯罪を巻き起こしている以上のことが起きると推測します。
 人間と見た目も違わないロボット人間が暗闇の街角に立っているだけで、ぞっとします。そのロボットが、銀行強盗に入ったら、どうなります。銀行でなくて、一般住宅に侵入したらと思うと、恐ろしい社会になるのではないでしょうか。一方、恋をできない男女はロボットに恋をして、少子化に一層、拍車がかかる心配も出てきます。しかし、科学技術の進歩はとめられませんので、今後、法律の整備も急を要する時がくるでしょう。

 私が先日、大阪商工会議所発行の「大商ニュース」に掲載したインタビュー記事を参考に掲載します。

大商ニュース06月10日号

「核心を聞く」 大阪大学大学院工学研究科教授 石黒 浩氏

見出し:人間らしく振舞うロボット

    リード:ロボットは、一段と人間に近づいているように見える。開催中の愛知万博でも人とコミュニケーションするロボットが注目されている。このロボット開発に知能、機能の面から長年、取り組んでいる大阪大学大学院工学研究科教授石黒浩氏に「どこまで進化するか、ロボット」と題して話を聞いた。「人間を理解するためにも新しいロボット技術にチャレンジするためにも,アンドロイド(人間酷似)型ロボットを開発している.」と、熱い思いを語った。

――いまも日本は世界をリードしていますか。

石黒氏 日本は産業用ロボットで優位でしたが、次世代ロボットでもその組立技術は圧倒的に世界をリードしています。ただ、コンピュータ同様、モター、センサーなど、部品やデバイスは欧米が優勢です。いまのところビジネスは明白になっていないのが実情です。

――ヒューマノイド型ロボットの実用化の見通しについて。

石黒氏 例えば、皿を洗う機能だけを求めるなら、ヒューマノイド型ロボットは不要です。皿洗い機で十分です。このロボットを求める狙いは、人とコミュニケーションする人間型しかできないものをつくるためです。人間の脳はコンピュータや機械を扱うためではなく、人間を認識するために発達したのですから・・・。

    普通の人が日常生活の中で、情報処理活動のためコンピュータを利用するのは、その一割程度で、残り九割は人とのコミュニケーションをおこなっています。この九割の部分を人が認識しやすい人間型ロボットで補うことを研究目標に置いています。

    ロボットはコンピュータの次のメディアです。今日のようなコンピュータ社会を誰も予想できなかったように、ロボットのマーケットもいつ爆発的に広がるか分りません。新しい工学的産物は従来のように明確な目標があって開発がはじまるのではなく、コンピュータの開発以降、技術の発展の仕方が変わってきています。コンピュータ同様,ポテンシャルの高いロボットをどう使うかを考えなら技術開発を続けていると,ある時突然のように普及していく.そういったものだと思っています.。

――一番、進化しているロボットの知能は人で言えば何歳ですか。またロボットは心を持ちますか。

石黒氏 能力としては人間を越えているとも言えるし、振る舞いでは三、四歳という心理学者もおられます。例えば、1ギガバイトの容量のメモリチップは記憶容量としてはすごい
ですが、それを見て賢いという感情は湧きません。ロボットに人間との豊かな関わり合いを持たせることによって、知能とか感情を持つロボットと感じるようになります。


――今後、大飛躍するためにブレイクスルーすべき最大の技術のカベについて。

石黒氏 ヒューマノイド型の一つの形態がアンドロイド(人間酷似)型ロボットですが,それを人間と認知できるのは今のところ二秒間程度です.これを一日一緒にいてもロボットだと気付かないようなレベルのものにするには,開発に多くの年月を要するとともに,大きな技術の壁があります。それには人間そのものの解明と技術開発双方が発展する必要があります.

    ただおもしろいのは,それがアンドロイドだとわかっていても,無意識のうちに,人間であるかのように,我々はアンドロイドに対して振る舞ってしまうという点です.そういった点を考えると,現在のアンドロイドでも,実用化できる可能性はあるんです。

――大阪はロボット開発の最適地ですか。(今年のロボカップ世界大会の見通しも)

石黒氏 IT技術開発は場所を選びませんが、ロボットは実証試験として最適な場所が必要です。それは公共団体の協力、研究機関の集積、実験に興味を示す企業の存在などの条件を満たす必要があります.そのような地域として、関西が一番いいと思っています.その上、関西人は進取の気性があり、夢への挑戦意欲が旺盛ですから。

    今年のロボカップ世界大会は大阪ですから、ヒューマノイドリーグでは,TeamOsakaが圧勝することを期待しています。

――これからの夢について。

石黒氏 アンドロイド型ロボットの開発を通して、人間とは何かを知りたい。コンピュータに代わる情報インフラになりうるか、そしてそれによって人間はどう変わっていくのかを、知りたいですね。

――ありがとうございました。

略歴

石黒 浩(いしぐろ・ひろし)

1963年生まれ,滋賀県出身.91年大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻修了.工学博士.94年京都大学大学院工学研究科情報工学専攻助教授,カリフォルニア大学客員研究員等を経て現在,大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻教授.


6月12日(日)晴れ

 
奈良公園散策



鹿を見ているだけで、癒されます


 1週間ぶりの日記です。今日も、息抜きで奈良公園を散策してきました。というのも、昨日の万歩計がわずか1,754歩でしたから、今日は少し、歩かないといけないと決断して出かけました。1万歩を超えました。

 万歩計はライフコーダーに入っているのですが、先日、9日間のデーターをグラフ化してくれました。このライフコーダーは市価3万円もするそうですが、さすがにいろいろなデーターを取っていることを知りました。
 @運動量A歩数(9日間の平均は9,245歩でした)Bジョギング(高強度)、速歩(中程度)、ゆっくり歩行(軽度)の活動時間分布C私の身体活動(平均)ーについて、一目瞭然で分かるのです。
 
 結果は「普通」でした。この教室に来ている方の多くは、「やや少ない」と、判定を受けた女性の方が多いようでした。やはり、家事に忙しく、なかなか運動する時間がないのが、現実のようです。特に、標準体重をオーバーしていることを悩んでいる様子でしたね。「普通ならいいわね!」と、うらやましがられる始末でした。

 そういう事情で、歩くことを義務付けられているように感じています。この日曜日は、近鉄・奈良駅から奈良写真美術館を訪れました。ここでは写真家の入江氏の展覧会を開催していました。

 彼の風景写真、とくに「月夜の奈良の風景」がいいですね。シャッターチャンスは時間との戦いですと入江氏は語っているそうですが、写真にかぎらず、いい作品には時間と手間が必要です。

               

春日大社の裏道はうっそうとした森で、大木の根っこが歴史を感じさせます。神木として祀られている大木(右)もあります

 写真美術館というのは、珍しいですね。ただ、見学者が少ないのか、館内の喫茶店は閉鎖していました。なかなか洒落た喫茶店で残念でしたが、やはり公共施設の運営は、役人の発想では無理なのでしょう。館の向かいの民間の喫茶店は立派にやっています。いかに、お客さまに喜んでいただくかを工夫しているように思いますね。親方日の丸式はここでも駄目です。

 このあと、新薬師寺を経由して、春日大社の裏道を通って万葉植物園に抜け、そこから、「八寶」で昼食をとって、帰宅しました。

 やはり、奈良公園はいいですね。日本一だと思っています。ある意味で京都よりいいです。まず、静かです。日曜日ですから、学生や団体客も多いですが、あまり気になりません。
 
 普通、金沢の兼六公園でも大阪城公園でも入園料が必要です。ここ奈良公園は鹿と遊べて無料です。東京の皇居明治神宮も都心の公園としてはすばらしいですが、奈良公園の雄大さには足元にも及びません。散歩するにはこれ以上の場所を知りません。

 ただ、奈良にはきちんとしたシティーホテル百貨店もありません。規制が厳しいのかもしれません。奈良駅から徒歩で30分の距離に「そごう」がありましたが、先の倒産でいまはイトヨーカドーに代わっています。それと、食事の場所が少ない感じがしますね。何回も行っていると、見つけられますが、旅の本等で紹介されているものには、当たりはずれがあります。






6月6日(月)晴れ

 談合はなくならないのか?



 
 5日の日曜日も一日中、働いた(家にこもって)。しかも、法事で相棒が家におらず、独身生活を強いられている。とても3食を自炊できない。日曜日に、シニアは外出すべきでないと思っているので、月曜日まで我慢した。

 奈良公園まで、30分ほどで行ける。自慢の望遠レンズ(1,000ミリ)をかついで、出かけた。もともと野鳥を撮るために購入したが、なかなかチャンスがない。

 春日大社の奥の「神苑」(旧・万葉植物園)に出かけた。
 入り口で「コンニャクの珍しい花が咲いていますよ。」と、三脚を見て、声をかけてくれた。確かに、はじめて見るものだが、とても綺麗な花とは言えない。



[ 黒い塊の部分が花(左)だそうです。下手な写真ですみません。2005年6月6日、春日大社・神苑にて]


 
 野鳥は見ない。モンキアゲハがツツジの花から密を吸っているのを見たが、撮影の準備をしている間に、いなくなった。そのあと、いくらか待ったが、二度と現われない。

 ほとんど、収穫なくて帰宅の途についた。近鉄・奈良駅の近くに気の利いたビールを気楽に飲める店を探したところ、商店街を入ったすぐ右側に「八寶」という店があった。ここはカウンターもあって一人でも気楽に飲め、料理も珍しいものがある。お奨めできますね。

 ところで、企業の倫理感がひどいことに腹が立つ。橋梁メーカー談合問題である。談合という言葉が死語になっていると思ったが、いつまでたっても懲りないのである。
 
 記者会見した大企業のトップは「法律を犯してまで、仕事はしないでいいと、教育している」と弁解していた。建設とか、土木、橋梁といった企業は、直接、消費者の洗礼を受けないものだから、他人事のような発言である。
 それでいて、最近流行の、コンプライアンスを徹底するようにしていると話すのである。
 大企業のトップからしてこれだから、社会はいつまでたっても二流である。

 談合で新聞に名前が載った担当者は、世間の批判を浴び、子供が嫌がらせされ、彼らの人生はひどいものになる。
 上司の命令、売上げ達成のためには、背に腹は代えられないという思いで、談合に加担しているのであろう。バレなかったら、昇進のチャンスもあったろうが、報道されたらお終いである。これからの時代、バレる確率ははるかに高いし、いつまでもびくびくした生活はほどほどいやになるだろう。

 経団連の奥田会長は「努力はするが、完全に払拭することは難しい」というような、発言をされていましたが、いわば呆れ顔を覗かせていたのが印象的だった。

 この6月号の月刊『商工会』に掲載した拙文「巻頭言」を載せますので、是非、お読みください。


知足者富(足るを知る者が、真の富者である)

 この四月、改正特許法が施行された。改正のきっかけは、青色発光ダイオードを巡る発明者・中村修二氏(米カルフォルニア大サンタバーバラ校教授)と、日亜化学工業の訴訟争いであった。

 訴訟は最終的に和解で決着した。しかし、特許法改正後も争点であった職務発明の対価について、“合理的”の文言及び、企業が対価ルールを決める場合、従業員の意見を反映させることが加えられただけで、相変わらず悩ましい部分は残っている。

 正当な対価の算定を巡って、富(カネ)に対する人間の欲のあり方が論議を呼んだ。対価の算定を裁判所の判断に委ねられていることは、その算定方式が確立していないということである。

 このため、中村教授の富欲について、
「富は衆の(うら)みなり」と、故事にあるように、人間の嫉妬心が批判につながった。
 数少ない中村氏支持派の『人間の値段―考え方と計算』の著者・西村肇氏は、「日本はゲマインシャフト(共同社会)からゲゼルシャフト(利益社会)に移行できず、議論が情緒的な判断に基づいており客観的でない」と指摘している。

 対価の客観性で発明者の貢献度の算定が一番困難な仕事だが、西村氏は著書の中で、それを計算、示している。仮に対価が出ても、()(そく)(足るを知る)を知らない者は、貧乏人と同じで、心の充足を得たものが真の富者であるという教えが東洋思想にある。

 世界一の資産家といわれたコクドの堤義明氏は祖先の財を守ることに汲々としたことでも分るように、真の富者ではなかった。おそらく彼は巨額の財を守り、所有していても千円のカネも惜しむ人物ではなかったのかと、憶測される。誤魔化しがばれないならいいのだと、思う心を持った瞬間から、貧者に転落することを知らなければならない。

 ダイエーの創業者・中内功氏も日本一の小売店をつくるため、既成勢力と戦いながら夢を実現、世の主婦連に喜ばれたところまでは、真の富者であり勝者であった。しかし、いつしか「足るを知る」を忘れたため、貪欲に事業拡大を続け、バブル崩壊後も土地神話を信じ、膨大な借金を重ねた。その挙句、税金投入による支援を受けるようでは、経営者・中内功氏も地に落ちたも同然である。

 ライブドアとフジテレビ、ニッポン放送のやりとりを見て世の多くの人は、堀江貴文青年実業家に驚嘆の声をあげた。
 彼は明治維新以降、日本の変わらない商習慣、秩序の変革を求めて挑戦し続けているように見える。かつて、京セラの創業者・稲盛和夫氏が通信分野の巨大企業
NTTの独占を打ち破るために、第二電電を立ち上げた。

 そのころ、稲盛氏はマスメディアから「田舎侍に何ができるのか」と揶揄されながら、叩かれた。「日本は、戦後の財閥解体でも明治維新以降の既成勢力と秩序を温存している」と、嘆いていたことを思い出す。

 しかし、彼には中内と同様、「通信料を値下げして
IT社会を構築しなければ、世界に遅れをとる」という確固たる信念があった。高い志を掲げて、時には挫折する思いに苦しみながらも、目標に向かって果敢に突き進んだ。そして今日の情報社会の実現は、中内が小売業日本一を達成して、消費者に喜んでもらった思いと軌を一にしていたのである。

 稲盛氏が中内氏と根本的に異なるのは、私心を捨て、いつも「足るを知る」を念じていたところだと思う。創業者で成功すると、ある種、病魔に襲われたように事業拡大に取り付かれる。その昔、帝人の中興の祖と言われた大屋晋三氏は無茶苦茶な事業拡大をして、膨大な借金をつくり、死ぬまで社長を務めた。真の富者になれない人は枚挙にいとまがない。「知足」は、大はホリエモン、小は我々、庶民も心しなければならない
.

(月刊「商工会」6月号巻頭言より)




月3日(金月)曇り

     ウイルス対策


 6月になって、はじめて書く日記です。
 今回は、ウイルス対策について報告します。

 先日、知人から「岡田さん、ウイルスにやられていません?」というメールをいただきました。初めてのことで、頭の中が真っ白になりました。

 何を、どうすべきかが咄嗟に、浮かばないのです。そこで、まず、その知人にどういうメールですか、お聞きしました。英語のメールで件名には「Deliber Failure」とあり、添付付で、送信者に私のアドレスがあるというものでした。その知人曰く「添付をしない限り、大丈夫です。」というのである。そうi言われても、わたしは多くの会員にメルマガを送信していますので、徹底的に調査することにしました。

 まず、私のPCにはウイルスバスターをインストールしています。1週間に1度ぐらい、自動的に新しいプログラムをアップトデイトしています。さらに契約プロバイダー、プララとウイルスチェックのオプション契約を結んでいます。

 そこで、まずプラらサポートに相談しました。

 1.受信メールにウイルスが含まれていましたら、削除して表示しています。これを機会に友人のメール でもウイルスが含まれているメールはすべて削除に切り替えました。そうすると、処理メールが増えまし  た。その中には、友人からのものもあるかもしれませんが、仕方ありません。

 1.次に、私が送信するメールにウイルスが含まれていましたら、送信拒否のお知らせを、私に教えてく れることになっているそうです。これまで一度もありません。

 これがプロバイダーの答えです。しかし、現に私のアドレスを使ったメールが友人(件名不明)の所に届いていることについては、「岡田さんの知り合いが、その方のアドレスに保存して、多くの人たちに送信した場合には、その可能性がありますが、その場合はチェックできません」ということでした。次の日に、ソニーショップの店長が自宅に来てくれましたので、この件についてお聞きしました。

 とにかく、件名を見て、おかしなものは、開かないことです。ちょうど、この日、ウイルスバスターのウイルス検索が行われました。これもたえず自動的に行われます。全ファイルを検索しますので、1時間30分かかります。その間、PCは使えません。この結果、ウイルス0でいたので、「大丈夫です」と、言ってくれ一安心しました。「最近は、ウイルスよりスパイが恐いです。知らない間に入り込んで、データを読んだり、壊したりします。大事なデータは別な所に保存した方がいいですよ」ということです。

 店長は、「もしウイルスに侵されたら、ソフトの駆除の手法によって行えばいいのですが、どうしても消えない場合は、PCのソフトを入れ直すしかありません。その場合、メモリーのデータは消えませんので大丈夫です」という説明でした。新しいPCにはノートンソフトをインストールしました。

 外出先で自宅のメール送受信
 
 これでウイルス対策につきましては、一応、終りました。この日、ショップの方に来てもらったのは、5月の日記に書きましたように、出張先で携帯PCにより自宅のメールを読んで、送受信できるようにすることでした。

 携帯PCだから、安いと思いましたが、小型化はコスト高につき、デスクトップと変わらないのです。
 この携帯を外出先の固定電話につないで送受信するためのセットアップが大変でした。「こういう注文はほとんどありません」ということで、プロバイダー、ソニーサポートに数回電話して、午後1時〜5時30分までかかって、ようやくできました。これもダイヤル式、プッシュ式の両方に対応するようにしなければなりません。

 外出先だけに使うのでは、もったいないので、ワイアレスリンクをつけて、家のどこにいても使えるようにしました。
 そのほかついでに、やってほしい作業をこの際、数件お願いもしました。やはり、ショップ店は小回りがきくので、大型店で値段が多少、安いといっても、断然、こちらの方がいいですね。「PCは家電製品ではありませんので、購入後のメンテが大事です」という。大型店は商品確認に利用すればいいのです。

 普通、メンテサービスは1時間2、000円(内容にもよる)ということでした。当初、若い女性のいる店にしようと交渉していましたが、相手が固定電話のダイアルアップに自信がないので、断ってきました。結果は、オーナー自ら対応してくれる店の方が、真剣さが違うと思いましたね。これだけのサービスをしてもらっても、新機を1台購入したので、サービスをしてくれました。彼れ(店の名前が「DO夢」ですから、輝き、綺麗な目をしていました)と、数時間付き合う中で、信頼関係が生れた気がします。これからはPCトラブルにも一人で悩まずにすみそうです。以上です。

5月30日(月)晴れ

 6月のページを作成。
 今日、NPO法人のWS西日本のメルマガが100号に達しました。週1回の発行ですから、2年あまり続けていることになります。このメルマガに執筆の仕事情報(一回10本前後)を掲載して、会員に流しています。世の中、いろんなテーマで情報を求めていることが分ります。いつまで続くか分りませんが、がんばっていきます。

 この前、名古屋へEXPOを見に行きましたが、そこで味噌すき焼きで有名な
「宮鍵」に行きましたが、鶏肉のすき焼きで、いまひとつでした。百年の以上の老舗ということらしい。客が絶えないので、かなり威張っています。現金払いしかダメで、カードは受け付けないので注意が必要。

 それより知多半島の豊浜にある、最近は国際空港にも進出したマルハ(本当は、はを○で囲む)食堂旅館の大型のエビフライがおいしいです。大変な人気です。これは安くてうまい。

 帰路、彦根城に立ち寄ったが、EXPOよりはるかによかった。この城の傍に有るキャスルホテルのレストランは接遇もよく、味もいける。

 ライフコーダーの万歩計は2万歩〜2,800歩とばらついている。6月2日の学習会でチェックを受けることになっている。どうなりますか?