除雪機 ホンダ HS55

○ ガバナー改造

 エンジン始動でいきなり高回転になる。 明らかにガバナーの異常であるが、そのガバナーをどんなに調整しても変化が見られない。  そもそもガバナーレバーが動いていない状況だ。 もしかして、エンジン内部にガバナーの内部部品が落ちていないかと思いオイルを抜いて色々調べてみたが、何も出て来ない。  エンジンをバラシている暇がないので、常に最低回転になるようにガバナーレバーをキャブと反対方向に引っ張り、アイドリング回転が少し高い状態にキャブを調整した。 

このエンジン(GX140)のガバナーはものすごく繊細なのか低速専用なのか解らないが調整範囲が少し狭いような気がする。


○ キャブレター 

農機具エンジンのキャブレターは真上からニードルピンが刺さっているものしか見たことが無いが、このキャブレターには燃料噴出調整のニードルが無い。  キャブの両側にチョークバルブのような弁があり、気化されたガスの量により回転数を調整している。 最近、フロートの油面調整用のニードルが劣化したのか、燃料コックを締め忘れると燃料噴出口からガソリンがにじんでくる。  エンジンを止めたら常に燃料コックを締めていれば問題とならないが、たまに忘れるので新品と交換した。 並行輸入品ではあるが、アマゾンで2千円程度で買えるので有難い。

取り外した燃料漏れキャブレター   左エアー流入側      右エンジン側


○ オーガのプーリーが固着

 プーリーが固着して中々抜けない場合は、高価なプーリー抜きを使うのが常であるが、DIY人間とっておきの手段はハンマーで軸を打ち抜くことだ。

外した後で手法を撮り直した。 軸頭部の保護のため、M8ボルトにダブルねじで強く締め付けた後、「親の仇」とばかりに強くたたくと外れる。ボルトの頭に水滴が付いているように見えるが、小さいハンマーでコツコツ叩いたらキズだらけになった。叩くならなるべく大きなハンマーでゴツンと一発だ。


○ シャーボルト

 正式名称は解らないが、一般的にはシャーボルト・シャーピン・オーガーロックボルトなどと言っているらしい。 HS55純正のボルトは特殊な形状であり、購入価格も結構高い。 そこで、ホームセンターにぶら下がっている安い6ミリボルトを使用することにした。

使う材料は、強度が保証されていない安物の6ミリユニクロ鍋小ネジセットと緩み止めナット。 小ねじに同胞されているナットをネジ頭まで締めてナットの角をネジ頭と同じ径(10mm以下)まで削る。加工はこれだけだ。 回転軸とオーガーを密着固定させる必要は無い。 ネジが落ちなければオーガーは回転するし、負荷がかかったら切れれば良い。 緊急の場合は少し太い番線でも十分だ。

         左:純正                右:偽装ボルト


○ フリクションディスク

 年代物のフリクションディスクはゴムの摩耗や傷が見られるはずだが、特に異常は見られない。 念のため、腹回りを測る巻き尺で外周を測ってみた。 470mm。 直径にすると、470/3.141592=149.60mm。 メーカーの新品を見たことがないので、この値がどういう状況なのかは判らない。 

 

○ Vベルト

 オーガ用は内側デコボコ(コグ状と言うらしい)のVベルト32インチ。 グリップ力が強いようであり、オーガクラッチを握るとプーリーとの摩擦音が一瞬ギュッと鳴る。 こんな立派なベルトを使うからオーガのピンが切れたりブロアーの爪がよじれたり、オーガーにとっては有難迷惑なベルトだ。 ほどほどにスリップし、ほどほどに切れるベルトに変更したほうが除雪機の長生きにつながると思う。

走行用はA-29、オーガ用はB-32。