ガバナーがありえない状態だった

〇 これまでの経過

2020年、ボロボロの中古除雪機を手に入れてエンジンをかけたらいきなり高回転になる。 どんなに調整しても変化が見られない。  そもそもガバナーレバーが動いていない状況だ。 常に最低回転になるようにガバナーレバーをキャブと反対方向に引っ張り、アイドリング回転が少し高い状態にキャブを調整した。

〇 そして今回(2021年1月)

ついにエンジンを割ってみた。結果がこれだ。ありえない状態になっていたのだ。
遠心力で錘が広がることにより、テコの原理でガバナレバーを押し上げる構造のはずだが、この状態ではテコに押さえつけられて身動きできない状態だ。絶対に動く訳がない。テコというものは、物体の下にあるものだ。


取り外した。

テコの足を広げてようやく取り外したらフランジ部分が傷だらけ。この下に付いているワッシャーのような部品はテコにあたってすり減っているはずだが、殆ど擦れた形跡がない。もしかして、製造当初からこの状態だったのか?。何十年たった機械なのか不明だが、よくぞここまで捨てられずに来たものだ。

これが正常

  


ボール紙でガスケットをつくり、組み立ててエンジンスタート。 とても滑らかにそして静かに回っている。 エンジン全治だ。

そして翌日

快調に除雪を開始。屋根から落ちて固くなった雪をフルパワーで砕いていたら、またしてもエンジン全開に変わってしまったのだ。 このエンジンはガバナーアームがタンクの下にあり、アームに直接触って操作するころが出来ない。こうなったらエンジンを止めるしかない。ガバナーは正常のハズだから今度は何だろう。
タンクを外して各部品をチェックしたが異常が見つからず、またケースを割ってみた。
またテコが上になっているのだ。そして、プラスチックギヤの中の各部品をさわってみると、すり減りが大きくほとんどがガタガタ。今度はテコ部分を思いっきり内側に曲げてみようと思いマイナスドライバーで爪を煽ったらボロン。 ついに破壊してしまったのだ。

こうなったら部品を交換するしかないが、プラスチックギヤを押さえているcリングが中々外れない。cリング専用工具なんてある訳がない。細いマイナスドライバーや千枚通しでも外せない。ギヤをクルクル回して見るとcリングの下にわずかな隙間ができる部分が見つかった。思いついたのがコーススレッドの頭を引っかけて抜くことだ。 見事に成功。

取り外した部品



プラスチックギヤは楕円に変形し、錘を支えているピンは摩耗が激しい。正常に機能しないのは当然だろう。  早速、近くのホンダへ部品を持ち込み調べてもらった。 40年近いエンジンだから期待しないほうが良いと言いながらパソコンを見ていたが、ちゃんとあるではないか。 さすがホンダ。 2千円以内で済みそうだ。 機械内部にあるこのような部品はネットをいくら探しても出てこない。 ネットを見る時間があったら販売店に飛び込んだ方が速くて確実、そして安く済む。