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 第一それは、一番の功労者に対して酷い仕打ちでしかないのだから








 好きには二種類ある。

 ウサギ耳をぴこぴこさせる、オレンジ色の髪の「ひよこウサギ」と言い得て妙なエリオットの事は好きだ。
 マフィアの2なんて地位にいて、三秒も考えずに銃をぶっぱなすような「悪い奴」(いや、ウサギか?)だが、アリスは好きだ。
 アリスに向けられる眼差しはまっすぐで、表情も判りやすい。
 素直で喜怒哀楽がはっきりしているから、懐かれて嬉しく思える。

 だからエリオットは「好き」。
 当然だ。

 気遣いもしてくれるし、相談にも乗ってくれる。この世界や屋敷の事を教えてくれたのもエリオットだし。
 必然的に彼と過ごす時間が増えるのも仕方ない。

 加えて、彼は己が好きなものが非常に分かりやすい。

 にんじん、と名のつく物なら、恐らく、なんだって喜ぶだろう。

 分かりやすくて好き。
 期待を裏切らない対応をしてくれるから好き。
 全力で好意を見せてくれるから好き。

 アリスはエリオットが好きだと、公言出来るくらいには、彼が好きだった。


「あ・・・・・」
 屋敷の主から逃げ出して、なんとなくふらついているのは、クローバーの塔付近の街で、新しく出来た小さな雑貨屋にアリスは目を止めた。
 輸入菓子も扱っているらしいそこのショーウィンドーには、瓶に入った色とりどりの飴玉やキャラメル、ゼリーなんかが所狭しと並んでいた。
 虹色の包装紙が綺麗なそれを、じっと眺めていると、一袋、目を惹く包みが有った。

 ポップには「新商品! にんじんキャラメル〜味噌田楽風味〜」と書かれている。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 エリオットは大凡、「にんじん」と付く物なら何でも好きだ。
 大抵が、「うめーっ!!!」という感想の元に腹に収められている。

 だが、これはどうだろうか。

「絶望的なコラボレーションね・・・・・」
 でも、何となく買わずにはいられない、別の意味での魅力があった。


 好きには二種類ある。

 薔薇に羽に、果てはプライスカードが付いた重そうなシルクハットは、完全に人を馬鹿にしているか、大真面目に被っているのなら職業は奇術師なんだろう、と思わせる用途がある。
 だが、残念ながら彼はそんな穏やかな職業の人間ではない。
 帽子屋ファミリーなんていう、ふざけた名前のマフィアの首領を張る男は、物騒な生業を主としている所為か、とにかく不気味で恐ろしく、考えを人に読ませない達人だ。
 何を考えているのか判らない、爆弾のような男だと、自分で評した事が有るが、全くその通り過ぎて泣けてくる。
 何が彼の機嫌を上向かせるのか、下降させるのか図り兼ねるその男に、アリスはトンデモナイ言いがかりで手を出されてしまった。

 だからアリスは「好き」と言えない。
 当然だ。

 恋人同士、なんて面倒な関係を、ブラッドはアリスとの間に望んでいない。あくまで遊び。暇つぶし。気まぐれに手を出しただけの、単なる玩具。
 それが、アリスとブラッドを繋いでいる関係に一番当てはまるものだ。
 けれど、アリスは「遊びの関係」と自分たちの行為を割り切れないほどには、ブラッドが「好き」だった。

 エリオットの好きとは違う、好き。

 これ以上を望んでしまいそうな、「好き」。

 アリスは死んでも言わない気で居る。
 ブラッドが自分を抱くのは遊びだと知っているから、だから、「好き」とは一生言わない。
 飽きられて捨てられても良いように。
 「愛していない」と言われたのだから、勘違いしないように。

 ブラッドはたまに好意を口にしてくるけれど。唯の言葉遊びに、ぐらりと流されてしまいそうな自分に嫌気が来るくらいには、アリスはブラッドが「好き」だった。




 にんじんキャラメル〜味噌田楽風味〜を一袋買ったアリスは、心持ちうきうきした足取りで塔に向かって歩いている。途中、ブラッドが気に入っている喫茶店の傍を通りすぎ、ここの紅茶をお土産に買って帰ろうかと考えるが、とにかく今はエリオットだ、と楽しそうに素通りする。
 小走りにクローバーの塔に向かうアリスを、その店内から見詰める目があった。

「何をあんなに浮かれているんだ?アリスは」
「・・・・・・・・・・・・・・・さあ。何か良い事でもあったんだろう」
 一人掛けのソファに腰をおろし、優雅にカップを傾ける男は、だるそうに答える。
「珍しいじゃないか、アリスがあんな風に嬉しそうにするのは」
 対して、大きな窓ガラスの傍に立つのは、この地の領主で、クローバーの塔の主、会合の主催者であるナイトメアだ。
「何か良い事でもあったのかな?」
 両手をガラス窓に押し付けて、塔の敷地に消えていく背中を見送るナイトメアは、無言の男から滲んでくる感情に、眉間にしわを寄せた。
「・・・・・・・・・・・・・・・大した自信じゃないか、帽子屋」
 その根拠はどこに有るんだ?
 ちらっと後ろを振り返れば、ブラッドが紅茶のカップを傾ける。
「あー・・・・・なるほどね。だが、アリスから拾えたのは『にんじんキャラメル』っていう単語だぞ?」
 ぴくり、と微かにブラッドの眉が跳ねる。ゆらっと視線を上げる男に射抜かれて、ナイトメアは背筋をただした。
「って!わ、私の所為じゃないぞ!?・・・・・冗談でこんな事を言うか。え?ああ・・・・・まあ、多分エリオットへのお土産だろうなぁ」
 お前はオレンジ色の物、目にするのも嫌だろう?

 にやりと笑って切り出せば、壮絶な威圧感が襲ってきて、ナイトメアは慌てて窓ガラスに縋りついた。

「お、お前・・・・・怖いぞ」
「怖くないマフィアなど意味がないだろう」
 だるそうに告げて、ゆっくりと男はカップをソーサーに戻した。そのまま立ち上がり帽子を被り直す。ちらちらと視線がブラッドに集まり、周りを見渡してナイトメアが溜息を吐いた。
「なんでお前ばっかりモテるんだ・・・・・」
 不公平じゃないか。私はここの領主なのに。
 ぶちぶちと愚痴を言いながら、唇を尖らせるナイトメアを無視して、ブラッドは出口に向かう。その彼の思考を呼んで、ナイトメアが慌てて声を荒げた。
「で、次の会合にはちゃんと出席するんだぞ!?その為にわざわざこうしてお前を探しに・・・・・なっ!?失礼な!べべ、別に私はグレイから逃げてるわけじゃなく・・・・・は!?そうだ、帽子屋!お前、絶対にアリスにそんな事をって、ちょっと聞いてるのか、おいー!!」

 聞いていない、と吐き捨てるように「思って」、ブラッドは早足で喫茶店を後にした。





 これを、アリスが・・・・・俺に!?え!?い、いや・・・・・嫌じゃねぇ!嫌じゃねぇ・・・・・ケド・・・・・し、しし、新入荷なんだろ!?いい、のか?俺が全部貰って・・・・・あ、いやいや駄目だ!ブラッドにも・・・・・へ?ブラッドには別の物を進呈する?っそ・・・・・けど・・・・・これ限定品なんだよな・・・・・いや、うん。だ、大事に食うな!


 がっかりした。

 アリスは傍目にも判るほど消沈してソファに座っていた。クローバーの塔のエントランス。そこで、ちょうど何らかの「仕事」に出ようとしていたエリオットを捕まえて、例のキャラメルを渡したのだが。

「完全に読み間違ったわね・・・・・」
 彼女はぽつりと漏らして紅茶のカップを持ち上げる。結局エリオットは不気味なコラボレーションのキャラメルを服のポケットに、それはそれは大事そうに仕舞い込んで、「落ち着いたところでじっくりゆっくり食うな!」ときらきらした瞳でアリスに告げたのだ。
 それは、アリスからの贈り物だから、ということなのか、限定品のにんじんキャラメル〜味噌田楽風味〜なのか、その両方なのか判断が付かない。

 アリスとしては、紅茶狂いの上司と同じように、「にんじんにこんな物を混ぜるなんて邪道だ!」と怒った彼が、ストレートのにんじん・・・・・まあ、つまりは生のにんじんが一番だと気付いて、オレンジ色の料理を所狭しと並べ無くなってくれるか、あるいは、「にんじんって・・・・・こんな不味いのか・・・・・」と開眼してくれることをなんとな〜く薄ら願っていたのだが、どうやら持ち越しされてしまったようだ。

「持ち越しっていうか・・・・・」
 被害がブラッドと自分に拡大しそうな気がしないでもない。

 何となくどんよりした気分で紅茶を飲んでいると、不意に後ろから「アリス」と名前を呼ばれた。振り返えると、奇妙な帽子が目につく。
 塔の入口からまっすぐに歩いてくるのは、アリスに暇つぶしで手を出す男だ。
 露骨に嫌そうな顔になるのは、彼が何かを企んでいるとしか思えないような笑顔で近づいてくるからだ。
 そそくさと席を立とうとする彼女の腕を掴んで座らせると、アリスの座るソファの隣に腰を下ろす。
 そのまま彼女の肩を抱いた。
「どこに行っていたんだ?」

 そう言えば、自分は彼の部屋から「逃げ出して」来たんだった。

 クローバーの塔で会合が開かれると、アリスもブラッドも行動が制限される。居たくもない場所に居続ける、というのはブラッドにしてみれば相当のストレスな筈で、案の定、アリスの呼びだしも頻繁だった。

 暇だだるい退屈だ、相手をしてくれないか?で、結構な回数、アリスは彼に抱かれていた。
 身体には、鬱血の跡が沢山残っているし。

 そんな彼がシャワーに入っている隙に、アリスは部屋を飛び出してきたのだ。早くしないと連れ戻されると判っていたから、手早く身を清めて街に出た。そこで、ふらふらしている時に、エリオットへのお土産を見つけたのだ。

「戻ったら君が居ないから・・・・・思わず探してしまったぞ」
 部下に命じて、という台詞を腹の中で呟いて、ブラッドはアリスに顔を寄せる。
「ベッドに居てくれないなんて酷いじゃないか」
 こそっと囁かれた台詞に、かあっとアリスの頬に朱が走る。それを誤魔化すように、アリスは瞳を険しくするとブラッドを睨みつけた。
「そんな仲じゃないでしょう、私達って」
 出来るだけ素っ気なく告げて、口の端を引き上げて笑って見せる。
「そんな仲って?」
「・・・・・・・・・・ベッドで貴方の帰りを待ってるような仲よ」
 同じように、ひそっと告げて、アリスはブラッドの腕を掴んだ。こんな公衆の面前で肩を抱く、なんていう誤解を招きそうな行為は止めて欲しい。
 身を離し、アリスは紅茶のカップに手を伸ばす。
「ふうん」
 対して気のない、吐息のような微妙な返事をして、ブラッドはちらりとアリスを横目で見る。
「では、私と君はどういう関係なんだ?」
 だるそうにソファに身を預けて、ぱしり、と掌に持っていたステッキをぶつける。乾いた音に、アリスは胸が痛んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・上司と部下よ」
 間が有った。それでも、言いきれた。
 俯いて、ぽつりと漏らすアリスに、ブラッドはふん、と鼻を鳴らす。
「なら、上司命令だ。君は私が良いと言うまで私の部屋から退出するのを認めない」
「!?」
 紅茶の水面を見詰めていたアリスは、唐突に下された、やや職権乱用気味な命令に顔を上げる。

 不機嫌そうな男の、冷たい眼差しがアリスに注がれていた。
 ぞく、と彼女の背中が震えた。

 彼の瞳には、慈悲も慈愛もない。情けも恋情も。命令だ、と告げる彼の瞳に有るのは、底冷えするような威圧的な色合いだけだった。

 人を見る・・・・・ましてや恋人を見るような目じゃない。

(まあ、恋人じゃないけど・・・・・)
 それにしたって冷たい。身を斬られるような鋭さが有る。
 だが、提示された条件は、とてもじゃないがアリスが飲めるようなものではない。勇気を奮い起して、アリスはきっとブラッドを睨みつけた。

「そんな命令不当よ!拒否するわ」
「どうして?私はただ、君に傍にいて欲しいだけだよ?」
 払った筈の腕が、今度はアリスの腰に回る。ぐいっと抱き寄せられれば、固定されて動けない。
「だからって」
「そうじゃないと、君は直ぐ他の男の所に遊びに行く」
「!!」

 何を言い出すんだ?

 ぎょっと目を見開くアリスに、ブラッドは温度のない笑みを向けた。

「君は私の部下だと言うのに、直ぐにふらふらとどこかに出掛ける。会合期間中は大人しいとは言え、敵対組織の連中がうろうろしていて危険だと、教えなかったかな?」
 なのに、気付けば君は部屋を抜けだして、好き放題に歩いている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あれほど忠告したのに、甲斐が無いとなると・・・・・閉じ込めたくなるのも道理だろう?」
 密やかに甘やかに、睦言を言うように、芝居掛って告げるのに、やはり温度を感じない。
 ぞわぞわと背筋が震える。
「それとも・・・・・君はそう言った趣味でもあるのかな?」
「え?」
「・・・・・・・・・・・・・・・無理やり連れ去られて、犯される趣味が」
「っ!!」
 かあっと頭に血が上る。

 酷い台詞だ。
 アリスを侮辱している。

「違うのか?だったら・・・・・この辺には役持ちも集まっているからな。どんな友達か知らないが・・・・・愉しんで来たのかな?」
 なにをどうしてきたのか、興味が有る。

 馬鹿な事を言わないで、と心の中で憤慨し、力一杯睨みつければ、鋭利すぎる碧の瞳に捕まってしまう。
 拳を握りしめて、震わせるが、怒りのあまりうまく言葉が出ない。

 トンデモナイ言い掛かりだ。
 冗談じゃない。

 じわり、と微かに滲む涙をものともせずに、翡翠の瞳を険しくして睨んでも、凄むマフィアのボスには叶わない。

 すうっと更に周りの温度が下がった。

「なんだ。違うのか?・・・・・なら、何をしに出て行った」

 ベッドの中で、ブラッドを待っているなんて出来るわけがない。
 一分、一秒だって早く、情事を終えた後は、その名残を全部払しょくして離れたい。

 じゃなければ。
 後戯なんかされた日には。

 多分アリスはおかしくなる。愛されたいと狂ってしまう。
 でも、そんな事、言える筈がなかった。

 言えば、きっとこの男の事だ。面白半分にアリスの気持ちを手玉にとって、とことんまで傷つけるだろう。

 それが嫌で、逃げ出すのに。

 殺気なのかなんなのか。浮気を疑う時よりもはるかに強い冷気が肌を撫で、見詰める瞳の底の無さに恐怖する。
 足が震える。
 舌が凍りつきそうな気がしたが、それでも、酷い事を言われて、酷い勘違いをされているのだと、アリスは身体を奮い立たせた。

「別に。街を見て歩いただけよ」
「何も買わずに?」

 冷え冷えとした眼差しに、アリスはこれ以上ブラッドの機嫌を低下させたくなくて、判断を誤った。

「ええ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 嘘。
 真実を知るブラッドに対して、彼の機嫌をこれ以上損ねたくなくて付いた小さな嘘は、最悪に作用する。

 恐ろしく長い沈黙。
 本当はほんの、2、3秒のそれは、死ぬほど長く感じられ、握りしめたアリスの小さな掌は、じっとりと汗を掻いた。

「そうか」
 零れた低音は、過分に怒気を含んでいて、その穏やかさにアリスは警報を聞いた。
 何かが、ブラッドの逆鱗に触れたのだ。
 それだけは判ったが、何が触れたのか判らない。

 本当に、分かりにくい男。

「ならば仕方ない。君が何をしていたのか、泣いて懇願して吐きだしたくなるまで、君を拘束させてもらおう」
「?!」
「君は余所者だ。会合に参加する必要もない」
 おい、と周りにいた部下に声を掛け、ブラッドは「お嬢さんを丁重におもてなししろ」とだけ告げて突き飛ばす。
「ブラッド!?」
 目を見張る彼女に、困惑気味に部下が手を掛ける。
「どういうつもり!?」
 気色ばんで声を荒げるアリスを、女性の部下二人が抱え込み、「すいません〜お嬢様〜」と困ったように微笑んだ。
「ちょ」
 ブラッド!!!

 叫ぶアリスの口と鼻に、ハンカチのような物を押し当てる。一瞬で視界が回り、意識が遠のく。地に沈むように倒れ込んだアリスは、目蓋が落ちる瞬間、ちらりとこちらをみたブラッド目が合った。

 その碧の瞳の奥が紅く揺らめくのが、見えた。







 本当に監禁されてしまうとは。

 連れ戻された屋敷の最上階。そこの一室にアリスは繋がれてしまった。
 脚に鎖を付けられて持ち上げる事の叶わない重しが、どっかりと部屋の隅に鎮座している。両手は自由だが、足枷の所為で、ドアにも窓にも届かない。真っ白な床と壁。高い位置の窓から差し込む光の加減で、時間帯の変化が判るが、それ以外、アリスが知りうる情報は何もなかった。
 ベッドとテーブルだけで、何もない。

 自身も真っ白な、頭から被るだけの簡素な服を着せられて、まるで囚人にでもなったような気分だ。

 真っ白なベッドに横になったまま、アリスはぼうっと閉じられたドアを見詰めていた。最初は時間帯を数えていたのだが、今はもう飽きてしまって、あれからどれくらい経ったのか判らなくなってしまっていた。

 というか、どうして自分がこんな目に遭わなくてはならないのだろうか。

(理不尽だわ・・・・・)
 嫌でも足首の鉄枷の冷たさを意識してしまう。

 誰か来るだろうかと、耳を澄ませるのだが、緊張感は疲労を誘う。転寝から目を覚ますたびに、食事が置かれていて、その度に、誰かがここにきている事を知るのだが、捕まえる事が出来ない。

(会合は終わったのかしら・・・・・)
 ころっと寝返りをうち、夕陽がオレンジ色に染める天井を見上げて溜息を吐く。

 ただ寝ているだけだし、これからどうなるのかよく判らない。じりっと不安が胸を焼く。
 そのせいか、食欲がなく、意識を飛ばしてい寝ている時間の方が多くなってきていた。

 ブラッドは何をそんなに怒っていたのだろうか。
 ここに、アリスを閉じ込めたく思うほど。
 何か悪い事をしただろうか。

「悪い事をしてるのはブラッドの方じゃない・・・・・」
 ぽつりと零し、アリスは唇を噛んだ。

 暇つぶしに、メイドに手を出す最悪の上司。
 ブラッドがアリスの元の彼に似ていたことから始まった、奇妙な関係。

 代わりになる事が出来るのか?と告げるブラッド。その彼に抱かれて、先生の代わりなんかじゃなくて、本当にブラッドが好きなんだと知ってしまった。
 そして、彼に抱かれるたびに、それを思い知らされる。

「だから嫌だったのよ・・・・・」
 枕に頬を押し当てて、アリスは目を閉じた。目蓋の奥が熱い。震えるように身体を丸めれば、じゃらっと鎖が重い音を立てた。

 こんな風に、拘束して、執着なんかしないでほしい。
 嫌なら、詰まらない女だと、腹を立てたのなら我慢などせずに撃ち殺してしまえばいいのに。

 どうしてこんな風に閉じ込めるの?
 こんな事をされたら、嫌でも残ってしまう。

 アリスの胸の中に、ブラッドの存在が重く重くのしかかっていく。

 何も残らない、遊びの関係なのに、アリスの中にブラッドが残っていってしまう。


 判らない。
 どうしてブラッドはこんな事をするんだろう。


 ああそうか。

 たった一つ、思いついた事が有って、アリスはぼうっと目を開けた。ぽろぽろと涙がこぼれる。

 ブラッドにとってアリスは玩具だ。
 言う事を聞く従順なそれ。
 なのに、アリスはブラッドの言う事を聞かなかった。

 傍に居ろと言ったのに、彼女は居なかった。ふらふらと出歩いて、他の人間と親しくして。

(私は玩具じゃないし、ペットじゃない・・・・・)
 これは躾の一環ということか。

 誰がご主人様か、しっかりと考えろとそういうこと。

 違うのに。
 私は・・・・・違うのに・・・・・。


 ぽろぽろと涙がこぼれ、アリスはどうして自分をちゃんと観てくれない人を好きになってしまったのだろうと、固く目を閉じ、嗚咽をかみ殺して考えるのだった。





 ブラッドの機嫌は最下層を漂ったまま浮上しない。
 会合が終わり、屋敷に戻っても上向かない。全てが詰まらなく、面白くない。

 苛々したまま、ブラッドはエリオットを撃ち殺せばそれなりに機嫌が上向くだろうか、と考えてその考えを破棄した。
 確かに、一時気分は向上するだろうが、彼を無くせば、膨大な仕事を押しつける相手が居なくなる。その為にこうむる被害の方が大きそうだと判断したからだ。
 ソファに座って、こまごまと仕事の報告を続けるエリオットを眺めて、ブラッドは溜息を吐いた。

 だるい。そして、無性に苛立つ。

 面白くもなさそうなその吐息と、纏う空気の殺伐とした感じに、鈍いエリオットも気付いていて、申し訳なさそうに報告書をブラッドの方に、そーっと押し出した。

「なあ・・・・・ブラッド・・・・・」
 アリスと喧嘩でもしたのか?

 こそっと言われたエリオットの台詞に、ブラッドが殺気の滲んだ眼差しを寄こす。ボスと部下の決定的な違い。それは、ブラッドの纏う王者の風格と言うか、絶対零度の誰をも寄せ付けない底知れない威圧感にある。
 エリオットもそこそこ怖いが、彼のように他を圧倒するそれは放出など出来やしない。

 ひゃっ、と首をすくめ、エリオットはしゅんと耳を萎れさせてうなだれた。

 余計な事だったかな、とちらちらブラッドを伺い、彼女から貰った限定品のキャラメルに思い当たった。

 エリオットとしては尊敬する大好きな上司と、同じく尊敬する大好きな余所者が仲良くしてくれるのが一番なのだ。
 この二人が仲良く笑っているのを見るのがエリオットの最も好きな時間なのだ。

 それはにんじんクレープに、にんじんを挟んで、にんじんソースを掛けて食べるようなものだ。
 エリオットの中では、好きな物の乗算イコールとても好きな物、になる。

 大好きな二人が、仲良くしていると言う事なし。
 更に自分の好きな物を食してくれたら、更に倍率が上がる。

「なあ、ブラッド・・・・・」
 機嫌の最下層を更新しようとしているブラッドに、エリオットはいそいそとポケットから、綺麗な虹色の包みを取り出した。
 一時間帯一個、と取り決めたキャラメルは半分くらい減っている。
 超超貴重な、アリスからの貰いものを、エリオットは耳を萎れさせながらブラッドに差し出した。
「これ・・・・・アリスから貰ったんだけどさ、すっっっげー、美味いんだ・・・・・く、喰ってみろよ」
 後半、台詞がどもって居る。

 苛々して機嫌の悪い男は、ちらとみたオレンジの物体に切れそうになった。
 粉々に打ち砕いてやろうかと、持っていた杖を変化させるより先に、今にも泣き出しそうなうるうるした眼差しでブラッドを見上げるエリオットに、彼は考えを改めた。

 アリスからの贈り物。
 へえ。
 アリスからの贈り物、ね。

 スキップでもしそうな勢いで自分の目の前を素通りして行った彼女が、持っていたと思しき包み。

 忌々しいオレンジのキャラメルに、ブラッドは氷点下を記録しそうな笑みを浮かべて手を伸ばした。

「ほー・・・・・アリスからの貰いもの・・・・・ね。それは興味が有るな」
 大事に大事に食べている姿を知っている。
 だからブラッドは冷やかな笑みのまま、そのキャラメルの半分以上を手で掴み取ると「ありがたく貰っておこう」と吐き捨てて、ひゃああああああ、と真っ青になるエリオットを振り返らずに乱暴に部屋を出て行った。

 手元には、大事なキャラメルがたったの2コ。

 八つ当たりをされたウサギさんは、哀しそうにがっくりと肩を落とし、おいおいと男泣きするのだった。








「君は寝すぎじゃないか?」
「なによ、別に邪魔するわけじゃないんだからいいでしょ」
 脚に鎖のあるアリスは、どこにも出られない。使用人さん達が食事を持ってきてくれているのだろうが、出会わない。誰とも話さないで居ると、どんどん思考がマイナスに落ちていく気がして、腫れぼったい泣いた眼差しのまま、アリスは無理やり夢に居候を決め込んでいた。
 住人のナイトメアが、苦笑する。
「帽子屋と仲直りをしたらどうだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 喧嘩をした覚えはない。一方的に監禁されているのだ。

 視線を落とし、再び涙が滲むアリスの、そんな感情を読み取って、ナイトメアが嘆息する。

「なんで帽子屋が怒ってるのか、君は心当たりがないのか?」
 座りこんで、ぎゅっと衣服の裾を握りしめるアリスに、ナイトメアが顔を寄せた。ちょい、とリボンをつつかれて、アリスはのろのろと顔を上げた。
「無いわ・・・・・」
 そりゃ、勝手に部屋を抜け出して、街をうろうろしたのは悪いと思ってるわ。でも、毎回毎回護衛を付けて出歩くのなんて、変じゃない。私は唯の見習いメイドなんだし。

 唇を噛んで訴えるアリスに、ナイトメアはふうっと溜息を吐いた。

「帽子屋が怒ってるのは、何も君が勝手に居なくなった事じゃない」
「知ってるわ!浮気してると思ってるんでしょう!?それこそいい迷惑よ」
 私は浮気なんかしてない!

 覗いてみたら判るでしょ、とナイトメアに訴えるアリスに、彼は苦笑した。

「帽子屋が君の浮気を疑うのは毎度のことだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 言われてみれば、そうだ。どこかに遊びに行くたびに、「どこでだれと何をしてきた?」と毎回毎回だるそうに尋ねられる。今回もそれの延長のようなものなのに、どうして監禁されているのだろうか。

「君は嘘を付いただろ」
 考え込むアリスに、ナイトメアがにやりと笑って指摘した。どくん、とアリスの心拍が乱れ、慌てて彼女は弁解した。
「大した事じゃないわ!」
「そうかそうじゃないか、判断するのは嘘を付かれた本人だ」

 これ以上、ブラッドの機嫌を低下させたくなくて、アリスは、「何も買わずに?」という質問に嘘を付いた。
 でも、何故その嘘が、ブラッドの逆鱗に触れたのかが判らない。

「本当に判らないのか?」
 やや呆れたようなナイトメアの台詞に、アリスは「勝手に読まないで!」と声を荒げると眉間にしわを寄せた。
 唇をかむアリスに、ナイトメアは「帽子屋が、君が誰の為に何を買ったのか、知っていたのだとしても?」と淡々と告げた。


 え?


 どくん、とアリスの鼓動が不規則に高鳴る。ぎょっとする彼女を見詰めたまま、やれやれとナイトメアが立ちあがった。

「帽子屋に同情するね。自分の恋人が、自分の為じゃなく、他人の為にあんなに嬉しそうにはしゃいで買い物をするのを目撃して、尚且つ、嘘まで付かれるとは」
 重罪だよ、アリス。

「だって・・・・・それはっ」
 誤解よ、とアリスはナイトメアに己の考えを吐きだした。

 もしかして、あの最悪のコラボレーションの代物が、エリオットの嗜好を変えるかもしれない。
 そうしたら、ブラッドは喜んでくれるかしら。

 そんなことしか考えていなかったのだ。
 訴えるアリスの胸中に、更にナイトメアは呆れた。

「私は夢魔だからね、気持ちを読むことくらい訳はない。だが、帽子屋は違うぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「気持ちが読めるから嘘が判る。だが、気持ちなんて読めなくなって判る嘘もある。そして、真実が判らない限り、嘘は嘘のままだ」

 どうしよう。

 ぽつりとこぼれたアリスの台詞は、そのまま涙になって頬を零れた。

 なんて厄介な二人なんだろう、と泣きながら蹲るアリスの髪を、なだめるように撫でながら、ナイトメアは己の領域に近づく気配に渋面で溜息を零した。






 お嬢さまが〜ほとんど料理に手をつけてません〜

 そう言われて、下げられたトレイの中身を確認したブラッドは、最上階へと上がってきた。閉じられたドアを開く。時刻は夜。星明かりだけが差し込む、真っ白な室内で、アリスはベッドに横たわったまま目を閉じていた。
 歩を進めて膝を付く。顔に掛っていた髪を払えば、青ざめた頬が彼の目の前に現れた。
 つっと指を滑らせ、温度を確かめていると、不意に彼女の閉じられた目蓋から涙がこぼれてきた。
 温かなそれが、ぽろぽろと零れ、枕に小さな染みを作っていく。

 誰かが、夢の中でアリスを傷つけている。

 彼女に傷を付けて良いのも、それを慰めて良いのも、触れて良いのも自分だけ。

「アリス」
 そっと肩に触れて揺さぶれば、起きだす気配がない。何度も揺さぶり、ベッドに座りこんだブラッドが抱き起こして膝に座らせても、起きない。
 おかしい、と気付いた瞬間、ブラッドは忌々しそうに舌打ちをして彼女を抱き締めたまま横になった。





「夢の中でも逢引か?」
 降ってきた、よく知る声に、アリスの肩が震える。彼女の髪を一生懸命撫でていたナイトメアは、ほっとしたように息を付くと「アリス」と促すように、柔らかな声で名前を呼んだ。
 それに、ブラッドの機嫌がまだ下がる。

 これ以上下がる事もないと思っていたのに。新記録更新だ。

 それは私の女だ、触るな。

 そんな時計が止まりそうな威圧感と低い怒りの声が響き、ナイトメアは泣きたくなる。ついでに気持ちが悪くなって吐血しそうだが、踏みとどまって、蹲るアリスに、苦笑した。

「アリス。帽子屋が君を心配して迎えに来てくれたぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 心配などしていない、と言おうとするが、ナイトメア相手では通用しない。渋面で黙りこみ、足早に近づくとナイトメアとは反対側に座りこんだ。
「嫌がってる」
 じとっとした眼差しを向けるナイトメアの台詞は、アリスの気持ちの代弁だろう。ちっと舌打ちして、ブラッドはアリスの細い肩に触れた。
「こんな所まで来て、浮気か?」
 皮肉びたブラッドの台詞に、アリスの肩が大きく震えた。
「そんなんじゃないぞ」
 ナイトメアの台詞に、ブラッドの瞳が細くなる。
「ではなんだ?私に会いたくないからか?」
「それも違う」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「一生懸命、謝ってるぞ?お前に対して」
 ナイトメアのまっすぐな台詞に、ブラッドは目を見開いた。
「ほら、アリス」

 そっと促され、のろのろと彼女が顔を上げた。

 酷く泣いたのか、目許が真っ赤で、それでも瞳は潤んでいる。頬にはいく筋もの涙の跡。ぶらっど、と弱々しく名前を呼ばれて、彼は身体の奥が痛むのを感じた。

「ごめ・・・・・なさい・・・・・」
 新たな涙が零れ落ち、ごめんなさい、ごめんなさい、と彼女は続ける。

 嘘を付くつもりはなかったの。
 貴方を傷つけたくなかったから。
 でも信じて欲しいの。
 私は浮気なんかしてないし、エリオットに買ったものだって・・・・・

「貴方が喜んでくれるかと思ったから・・・・・」
 しゃくりあげる彼女の台詞に、ブラッドが眉を寄せる。言葉が続かないアリスの腰を抱き寄せて、ブラッドは彼女の熱い額に、己の額を押しあてた。
「私が喜ぶって?オレンジの物体をエリオットに贈る事がか?」
「凄むな凄むな」
 横から告げるナイトメアを、力一杯睨みつける。引きつった笑みで両手を上げ、それでも涙で声も出ないアリスに代わってナイトメアが応えた。

「アリスはな、新入荷の『にんじんキャラメル〜味噌田楽風味〜』なんっつーものを食べたエリオットが、にんじん料理・・・・・ていうか、にんじん菓子がにんじん本来の風味やらなんやらを損なう事に気付いて、にんじん料理を敬遠してくれるか、嫌悪してくれるかするんじゃないかと、あわ〜い期待を抱いたんだよ」
 お前の為に。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 だから違うの、と涙声で告げるアリスに視線を戻し、ブラッドは彼女の頬にそっと触れた。
「アリス・・・・・」
「違うの・・・・・ブラッド・・・・・私、別に・・・・・変な意味じゃ・・・・・」
 でも貴方を傷つけた。


 嘘を付かれる辛さは、知っている。
 彼と同じ顔をした人に、一番付いて欲しくない嘘を付かれたから。

 好きじゃないのに、付き合ってくれた。
 身を斬られるような、嘘。

「アリス・・・・・」
 ごめんなさい、と掠れた声で謝る彼女を抱きしめて、ブラッドは目を閉じた。

「アリス・・・・・済まない。悪いのは私だ」
「違う・・・・・」
「違わない・・・・・私が悪かった」

 もっとよく、君の話を聞けば。

「お前たちは決定的に話し合いの量が足りない」

 ぎゅうぎゅうと抱きあう二人を眺めて、判ったらとっとと出ていけ、と疲れた様子でナイトメアが促し、ぱちん、と指を鳴らした。


 次の間には、アリスは真っ白なベッドの上で、ブラッドにしっかりと拘束されていた。







「痕になってしまったな」
 枷を外された足首に、青い痣が出来ている。渋面で吐き出すブラッドに寄りかかり、ろくに食事も取っていなかったアリスはぐったりと、でもほんのり目許を染めて首を振った。
「いいの・・・・・私が悪かったから」
 泣いた跡の残る頬を、ブラッドの指先が柔らかく撫でている。
「違う。悪いのは私だ・・・・・」
 ちう、と目蓋にキスを落として頬を寄せる。そのままこめかみやら耳の縁やらにキスを繰り返す男に、アリスはすり寄った。
「君の話を最後まで聞けば・・・・・」
「私が嘘を付かなければよかったの」
「でもそれは」
「ブラッド」

 言い募るブラッドに、アリスはお詫びを込めて、自分から唇を寄せた。
 そのまま、確かめるようにゆっくりと唇を合わせていると、不意に肩を押されてベッドに沈まされる。
 気付けば、翻弄していた筈の相手に、翻弄されている。

 開かされた唇の先。侵入した舌を擦り合わせて、口付けに熱がこもる。
 ふるっと握りしめるアリスの手が震え、ブラッドは彼女の唇を堪能した後、ちゅっと音を立てて離した。

「すまなかった、アリス」
 そっと伏せったブラッドの言葉が、耳をくすぐる。柔らかく触れてくれる手が優しい。

 愛されているのか違うのか。
 勘違いしそうになる、という思考が、この時ばかりは締結し動かない。

 ただ、自分に触れて執着してくれるブラッドが、愛しくて嬉しくて仕様がなくなる。
 夢中になる。


 ただ、一時の事でも。

「許してくれるか?」
 酷い事を君に強い掛けた。
 そっと告げるマフィアのボスを、アリスはうっとりと見上げた。困ったような、酷い痛みをこらえるような彼の碧の眼差しに、唯一人映っているのはアリスだけ。
 ふるっと首を振り、アリスは「許してほしいのは私の方」と掠れた声で答えた。

 今この時だけは。
 この時だけは、二人の心は重なっているとはっきりと言う事が出来る。

 繰り返される甘やかなキスに酔い、アリスは溺れるようにその両手をしっかりとブラッドに回した。








 それから長い夜を過ごし、だるい身体で目覚めたベッドの上に、散らばっている「にんじんキャラメル〜味噌田楽風味〜」を発見し、固まったブラッドとアリスは、丁寧にそれを包み直すとエリオットにそっと渡し、同様の物をアリスはナイトメアに送りつけて、食べたナイトメアが瀕死の重傷を負ったのは、別段くわしく語る様な内容ではないだろう。






















 ごめんなさい―っ!!!!!(陳謝)

 GW&30万打記念企画リクエスト作品として、5月4日19時に拍手からコメントを下さった方に

 rubyシリーズか、もしくはブラッドがつまらない嫉妬からアリスを冷たくして、アリスが悲しくて夢に閉じこもって、アリスに土下座なりなんなりしてアリスといちゃラブしたらいい


 というリクエストを頂いたので、「ボスの嫉妬ボスの嫉妬ボスの嫉妬・・・・・」とわくわくしながら書き出したら、こんな代物になってしまいました orz

 ほんのり趣旨が違いますよね、ごめんなさーいっ!!!!(土下座)
 アリスが夢に閉じこもるどころか、帽子屋さんがアリス閉じ込めちゃうし、ブラッドが謝る予定が、アリスまで謝ってますしなかもう・・・・・申し訳ないです・・・・・ orz


 アリスを監禁しちゃうネタは公式のガイドブックにも有ったのですが・・・・・どうしようか散々迷った挙句、監禁してしまいました(土下座)
 ネタ被り気味で・・・・・新鮮味に欠けるかと思いますが・・・・・そ、そんなプレイだと(!?)思っておいてください・・・・・

 書いてる本人は楽しかったですvv

 といいますか、最初物凄いシリアスで・・・・・「あ、これ無いわ」と思って、出来るだけライトな感じを目指したのですが、これも微妙にシリアスていうか、ヘンタイちっくですよね(あはははは/汗)

 こんな感じですが、少しでも楽しんで頂けましたら幸いです・・・・・ほんと・・・・・すいませんでした・・・・・(泣)

(2010/07/26)

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