最後に笑うのは誰?
※ 先生が微妙に変態で、アリスがそんな先生から微妙に酷い目に有わされてます(爆)のでワンクッション
でも、ブラアリです(笑)
ついでに、先生も酷い目に・・・・・
そんなんでも・・・・・つーか、何でもOK!という精神的にも年齢的にも大人な方は、スクロールどうぞです ※
「多分、俺は殺されるのかな」
ふっと苦く笑う男に、アリスは胸の前で手を握りしめた。
「どうして・・・・・」
それ以上言葉が出ない。
どうして。
どうして目の前に居るのだろう。
「私になんて・・・・・」
何の価値も無い。
そう続けようとした台詞は、そっと抱き寄せられて口の中でほどけて消える。
目を見開くアリスに、男は「君をあんな場所に置いておけない」ときっぱりと告げた。
あんな場所。
指先を掴んで引っ張られる。逃げよう、と促される。
太陽の光が眩しい、正午。学校の構内から、アリスは不本意な別れをした己の元家庭教師と共に姿を消した。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
覆いかぶさる男から贈られる口付け。
ただ困惑し、されるがままになっていると、するりと太ももを手が滑って行った。びくり、と身体が震える。
スカートの裾が捲れ、膝裏を掌が這う。そのまま膝を包まれて緩やかに開かれ、アリスは思わず顔を逸らした。
「アリス・・・・・」
唇を離した男が、午後二時の光の中で困ったように笑った。どこか寂しげなそれを見詰めて、アリスは唇を噛んだ。
「・・・・・嫌」
掠れた声が出て、アリスは身を起こそうと手を付く。上半身をベッドから持ち上げようとする彼女の肩を、男は掴んでベッドに沈めた。
「っ」
思わず見上げれば、男は酷く苦しそうな瞳でアリスを見下ろしていた。
「ごめん」
「・・・・・え?」
乾いた声が謝罪を伸べて、アリスの恋した男は、哀しそうに目を伏せた。
「君をわざわざ・・・・・あんな所に堕とす訳にはいかない」
「え?」
細い彼女の手首を掴み、ひとまとめにすると頭の上に縫いとめる。徐々に困惑するアリスを余所に、男は、サイドボードに手を伸ばすと、じゃらり、と重い音がする手錠を取り上げた。
「ちょ・・・・・」
先生・・・・・?
翡翠の瞳を一杯に見開く彼女の手首をベッドの頭部分に有る手すりに、ひとまとめにしたまま拘束する。
「な・・・・・」
喉が渇く。ごくん、と唾を飲み込むアリスに、男は哀しげに笑った。
「ごめんね・・・・・」
「!?」
何がだ。
何を謝っている?
どうして??
「やっ」
今まで感じた事の無い、得体のしれない恐怖が身体を駆け抜ける。ごめんね、と謝罪を口にしながら、身体に触れられ、徐々に絶望にも似た感情が積もって行く。
「ヤダっ・・・・・いやあっ!」
拒絶の意味を込めて精一杯脚をばたつかせるが、一つ一つ、膝で折り曲げられて、縛られる。
両足を広げたままの状態で固定されて、アリスは口惜しげに奥歯を噛みしめ、涙の滲んだ眼差しで男を睨みつけた。
「・・・・・・・・・・それ以上、声を上げられると困るな」
舌を噛まれても、辛いだけだ。
淡々とした口調。哀しげな表情。なのに、恐怖しか感じない。
「んっううっ」
タオルで口を塞がれて、とうとうアリスは何一つ抵抗出来ない格好で拘束される。唯一開いたままの眼差しをきつくするが、今にも泣きそうな男の顔に、涙が滲んで視界がぼやけてしまう。
「君を取られるくらいなら・・・・・俺が壊してあげる」
「!?」
「きっと、俺も殺される」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「それでもいいんだ」
掌が、愛しそうにアリスの胸元に滑り込み、下着を押し上げて愛撫する。丸く膨らんだ柔らかな胸は、男の手の中で形を変えて、鼻に掛ったような声がアリスの口から洩れる。
く、と快楽を主張するように立ち上がる先端を指先で挟んで転がし、乳房を揉みしだく。吸われ、歯を立てられて、急激な痛みにアリスの喉からくぐもった悲鳴が漏れた。
「ねえ、アリス・・・・・」
開かされた脚の奥から、じわりと蜜が溢れて下着を濡らす。両胸を丹念に愛撫され、唾液で濡れる。圧し掛かる男が、己の猛った楔を取りだして、アリスの口元に押しつけた。
「っ」
要求されている行為の想像が付き、アリスは青ざめる。口の戒めが解かれると同時に突っ込まれて、アリスは顔を歪めた。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
無言で頭を押さえられて、口の中を突かれる。両手も両足も動かないから、拒めない。無理に腰を押しつけられ、苦しい。強引に犯された口に、白く濁ったものを吐き出され、アリスは思いっきり咽た。
「こんな風に、された?」
げほげほと咳こむ彼女の唇に指を這わせて、苦しそうに男が告げる。奥歯を噛みしめ、涙をこらえるアリスは、ひりつく喉で声を絞り出した。
「犯されたことなんかないわ」
「・・・・・・・・・・合意だったの?」
微かに驚いたように目を見張る男に、アリスはかあっと身体が熱くなるのを感じた。
貞操観念を疑われたような気になったのだ。
固定されたままの掌を、握りしめる。
ぐ、と下着の上から脚の奥、尖った花芽を押されて、アリスの口から悲鳴にも似た喘ぎ声が飛び出した。ぐりぐりと弄られ、腰が震える。
「やっ・・・・・いやぁっ・・・・・止めてっ」
「どうして?」
「どう・・・・・って」
「・・・・・・・・・・俺とじゃ合意にならない?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あの時は、抱いてって言ってくれたのに。
「今でも言って。そうしたら、こんな戒め、解いてあげる」
目を見張り、アリスは口を閉ざした。
抱いて、と言えばどうなるのか、今のアリスにはよく判った。
この人は本気でアリスをブラッドから引き離すつもりなのだ。死ぬかもしれないと、頭のどこかで判っていながら。
そして、自分が死ぬのなら、アリスを殺しても良いと、考えている気がした。
「どうして・・・・・」
涙が溢れて、視界がかすむ。ぽろぽろと頬を転がり落ちる涙に、男が柔らかく笑って指を伸ばした。
そっと目尻のそれを拭う。
「好きだからだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「あんな連中に犯されて・・・・・わざわざ破滅するしかないような場所に貶すことなんか出来ない」
「あっ」
開かれたままの身体の奥。下着の間から手を入れられて、溶けかけていたそこを指が這う。くちゅくちゅと音を立てて掻きまわされ、アリスは首を振った。
「駄目っ」
「どうして?」
「駄目・・・・・せんせ・・・・・いは・・・・・普通の道を・・・・・」
ぱちん、と鋏の音がして、アリスの下着が切り裂かれる。赤く充血した秘所が空気に触れ、ひくりと蠢く。舌を這わせる愛した人に、アリスは懇願した。
「駄目だって・・・・・先生っ・・・・・わ・・・・・たしのことは・・・・・忘れて」
「嫌だ」
「なんで!?」
泣き叫ぶような声で言えば、押し込んだ指が濡れたアリスの中を撫でた。
「ああっ」
喉を逸らす彼女に、男は暗いものが渦巻く視線を落とした。
「あんな男にやるくらいなら・・・・・あんな場所で飼われるくらいなら」
俺が・・・・・
「先生っ!」
「大丈夫。このままここで、何度も何度もその身体に刻めば、きっと逃げられなくなる」
声に滲む更に暗い色合い。ぞっと背中が総毛立ち、アリスは目を見開く。
「あんな奴と結婚する前に・・・・・俺の子供を孕んでくれれば」
指が引き抜かれた秘所に、楔が押しつけられる。
「いやああっ」
蒼くなって首を振る。護るもののない場所に、突きたてられる。ぐちゅりと音を立てて、徐々に咥えこむ熱量に、アリスは恐怖し、眩暈がした。このまま突きあげられて揺さぶられるなんて、冗談じゃない。
「んあっ・・・・・んんぅ・・・・・んんっ」
ぐちゅ、と卑猥な音がして押し込まれ、アリスは気が遠くなるのが判った。
混乱から真っ白になる脳内。悲鳴を上げ、意識を手放す瞬間、アリスは微かに異様な音を聞いた気がした。
愛となんとかは表裏一体。愛するが故に狂気に走る。愛しているから、思い通りにしたい。好きだから、壊したい。
束縛したい。
誰にもやりたくない。
一人の人間を誰かと「アイ」で共有することなど不可能なのだ。
ドアの向こうで話し声が聞こえる。
その声に緩やかに覚醒し、アリスは先ほどまでの事態を思い出してがばりと跳ね起きた。両手と両足の拘束は解かれている。脱がされた筈の服はちゃんと身に付いているし、切り裂かれた下着もちゃんと元に戻っている。
一体どうして。
青ざめたまま、とにかくここから逃げなくては、とアリスはベッドから降りようとして、そこから転げ落ちた。
どたん、と凄い音がして、ドアの向こうの気配が動く。
恐怖からか脚が立たない。膝が笑っている。
あんな事が出来るようなタイプには見えなかったのに。
とにかく逃げないと、今度は何をされるか分からない。
ばたばたと足音が近づき、アリスは床に蹲ったまま目を閉じた。
ばん、と勢いよくドアが開き、「アリス」と名前を呼ばれる。
その声に、アリスは反射的に顔を上げた。
「あ・・・・・・・・・・」
「落ちたのか?」
手にしていた携帯をベッドに放り投げ、へたり込む彼女の元に足早に近づく。膝を折って、ぎゅっと抱きしめられて、ふわりと己を包んだ甘い香りに、アリスは身体の芯からほっとするのを感じた。
それと同時に、涙がぼろぼろと零れてくる。
「ブラッド・・・・・」
声が震え、気付いた男がそっと額に口付けを落とした。
そのまま彼のシャツに縋りついて涙を零す。何に対して泣いているのか判らない。判らないが、酷く泣けてきて、アリスはこのまま、ブラッドの身体に溶けてしまいたい衝動に駆られた。
そんな彼女を抱き上げて、ベッドに横たえると、ブラッドはしっかりとアリスを抱きしめる。何度も何度も、なだめるように髪を撫でられて、ようやく落ちついたアリスがそっと顔を上げた。
「ここ・・・・・」
辺りを見渡す余裕が出てきたアリスは、そこが己の身に馴染んだ場所だと気付いた。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ブラッドの寝室。アリスが寝起きする部屋だ。
ぱちぱちと目を瞬くアリスが、ぼんやりとブラッドを見上げる。
「私・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
困惑するアリスに、ブラッドは深く口付けた。そのまま覆いかぶさり、口付けを繰り返す。やがて、彼女の指先に力が籠り、なされるがままだった舌が、絡んでくる。
乞う様なそれに、ゆっくりと唇を離したブラッドが、うっとりと見上げるアリスに柔らかく笑って見せた。
「全く・・・・・困ったお嬢さんだ」
「・・・・・・・・・・え?」
「・・・・・・・・・・いや。無事でよかった」
再び何かを言う前に、ブラッドはアリスの口を塞いで、その身体にそっと指を這わせた。
「あっ・・・・・あんっ」
可愛らしい声が上がり、びくんと身体が震える。痛々しく付いた肌の傷。拘束の痕。それに次から次へと口付けて、ゆっくりと彼女の身体を溶かしていく。じわりじわりと身体の奥から溢れる蜜。濡れて甘いそこに舌を這わせ、ぐっと脚を持ち上げると、ブラッドはゆっくりゆっくり己の物を彼女の身体に沈めて行った。
「あっあああっ」
ふるっと首を振るが、零れる悲鳴は甘い。
「あああああんっ」
喜んで震える内部に、ちらと笑みを敷くとブラッドはゆっくりゆっくり彼女を揺さぶる。濡れた音がこだまし、彼女の身体が赤くほてって汗ばんでいく。首筋に顔を埋めて口付けを繰り返し、その手で可愛らしい胸を愛撫する。
緩やかな腰の動きに、アリスがうっとりと目を開けた。
「ブラッド・・・・・」
徐々に激しく、角度を変えて行きながら、ブラッドは男が吐き出したそれに汚れ、ベッドに拘束されて貫かれ、意識を手放している彼女を思い出す。
まさかそこまでアリスに執着しているとは思わなかった。
アパートのドアを半壊し、ドアの前で待つ部下に、男を引き渡す際、射殺すような目で睨まれた。ナイフを持たせたら、間違いなく、なんの躊躇いも無くブラッドを刺しただろう。
純粋な殺意。
「ブラッド・・・・・」
甘い声に我に返ると、不服そうなアリスの眼差しが自分を映していた。
「・・・・・・・・・・・・・・・考え事?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
普段、自分に貫かれながら考え事をするのは、彼女の方だ。くすりと笑うと、丁寧に彼女の唇にキスを落とした。
「・・・・・・・・・・何考えてたの?」
不服そうな声。低く笑いながら彼女を抱きしめて、ブラッドは甘やかに応えた。
「君の事、だよ」
何も考えられないように。
何もかも忘れるように。
全ての感触をリライトするように。
「あっあっあっあ」
強張る彼女の足を抱え込み、更にきつく追い上げる。ブラッドの肩を掴むアリスの手に力が入り、ぎりっと爪が食いこむ。
涙の零れる彼女の頬にキスを。喘ぐ唇を塞ぎ、奥の奥まで突きあげる。
「もっ・・・・・やっあ」
ひくん、と喉の奥で声が掠れ、びくびくと身体が震える。アリスを高みにまで追いつめて、落としながらブラッドは彼女の最奥で己の裡に溜まっていた欲望を吐き出した。
暗い一室。鎖の軋む音がし、呻くような声がする。細い灯が漏れる、外部に繋がったドア。その前で、腕を組み壁に寄りかかった男が、面白くなさそうにその部屋を見下ろしていた。
床に這わされた男は、その細い光の先に立つ黒いスーツの男を睨みつけていた。
「我々の事を忘れれば・・・・・君の前には姿を現さないと言った筈だが?」
淡々とした口調。それに、男に圧し掛かられた彼が、口の端を歪めた。
「・・・・・だから?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「アリスはっ・・・・・」
ぐう、と痛みに喉から悲鳴が漏れる。良いように弄ばれている男を見下ろしたまま、ブラッドは鼻を鳴らした。
「まずは、自分の心配をしたらどうだ?」
男に犯されるなんて、生きていけないだろう。
愉快そうにブラッドは笑う。だが目は笑っていない。
「アリスは渡さないよ・・・・・」
それでも、圧し掛かられ、乱暴に殴られたりしながら、男は底しれない笑みを浮かべて笑う。
「アリスは俺の物だ・・・・・俺の・・・・・大事な・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
溜息とともに、ブラッドはスーツの内側から拳銃を引き抜くと、無造作に撃った。悲鳴が上がる。それが、自分の部下のものなのか、捕えた男のものなのか判らない。判らないが、ブラッドは立て続けに深い闇に弾を撃ち込むとくるりと背を向けた。
血のにおいと、倒れ込む影が見える。
それが誰かなんて、ブラッドには興味はない。
「死んだのなら、化けて出るな。生きているのなら・・・・・幸運を嘆くんだな」
死よりも辛い目にあう事が確定しているのだからな。
吐き捨てて、ブラッドは階段を上がるとドアを閉めた。再び闇が落ち、低い笑い声がする。
「アリス・・・・・」
甘やかな声が響き、鎖の音とともに、両の手が天井に向かって持ち上がる。
「愛してるよ・・・・・」
必ず、助けに行くから。
その後、ただ低い哂い声だけが、その暗い一室に響き渡った。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ぼうっと目を開けて身体を起こす。身体が重い。顔に掛る髪を払い、緩やかに首をめぐらせると不意にドアが開いた。
薔薇と硝煙の香りがする男がゆっくりと歩いてくる。ほっと緩む彼女の表情に目を細め、ブラッドは緩やかに彼女を抱きしめた。
「・・・・・もう少ししたら、風呂の用意が出来る」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「入ったあと、一緒に出掛けよう」
「出掛ける?」
ぼんやりした声に、ブラッドはそっと身体を離すと、触れるだけのキスを唇に贈った。
「ああ」
「どこに?」
「・・・・・・・・・・アリス」
そっと手を持ち上げられて、アリスは己の左の薬指に嵌っている指輪に驚く。
目を見張る彼女の、その指輪にキスをして、ブラッドは妖しく笑って見せた。
「式の内容は全部君に任せよう」
私はどんな内容にも付き合うぞ?
「・・・・・・・・・・・・・・・」
指を絡めて握られて、アリスはその碧の瞳に捉われたまま、唇を開いた。
「先生は・・・・・」
ぼんやりとしか思い出せない。考えようとするアリスにキスをして、ブラッドは低い声で言い切った。
「来れるものなら、招待してやろう」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「生き残れる不運が、奴にあるのなら、な」
身体がだるくて重い。
ひそやかな笑い声に、徐々に蝕まれていく。
誰かを愛する事の難しさ。
唯一の愛に手を伸ばす愚かしさ。
そして、応えられない哀しさと、暴力的な愛情表現。
縋りつくアリスを抱きしめて、ブラッドはその耳に唇を寄せた。
「まあ・・・・・君を奪われたくないと言うその気持ちは判らなくないが・・・・・」
君が奪って欲しいのは私なんだろう?
見透かすような台詞に、アリスはただ力一杯抱きつくしか出来なかった。
101014