ヴィンテージ
                     作詩 守沢 高
                     作曲 守沢 高

歳をとったら、とった歳は返そう。くれた歳なら、そのまま貰おう。
歳が薬さ、効き目はなかなか。
歳を繰ったら、人を食って暮らそう。
百間で生きてみるから。とりあえずキリがいいから。

おもむろにマッチを擦るのも,年代物の小説の中だけ。
もどかしくダイヤルしたのは、古い映画の一こまの中。
憧れは言わぬが華、胸の奥の庭で咲く。
ほっておいても歳は増える。何もせずとも、なぜか歳はゆく。
だったら何かしようや、忘れられないこと。
諦められないあのことがあるはず。
心の後ろにまだ、憧れがほらあるから。

年代物のワインのように、ほんの少し渋い味の話。
白い話も、赤い話も、ロゼのようなピンクの話も、
あの時、お洒落をして逢いに行ったのに。
役に立ったり立たなかったり。
私の話はヴィンテージものさ。あなたが聞いて楽になるといいね。
知っているかな、なぜステッキつくかを。
この星とノックして話す。話とは、私は今ここにいる。
色々あなたもあったね。働き盛りのミディアムステーキ。
生き急ぐのは若いレアのステーキ
歳を重ねたウエルダンの誇りは、ゆっくり生きてやり過ぎがないこと。
過ぎても足りなくても駄目、よくやったウエルダン。









       ラクダに乗って   作詞・作曲 守沢高

         
ラクダに乗って、思いを巡らしゃ
ラクダは時間をどんどんおいてゆく

前のこぶは明日、後ろのこぶは昨日
あいだに座るおいらは今日さ。


ひとこぶラクダが、前を横切り
こちらを一瞥してニヤリと消えた。

追ってみようか、追わずにいよか
眺めりゃヤツは砂漠の蜃気楼。

前と後ろの、明日と昨日の
ふたこぶラクダにおいらは揺られて

空は今日は笑っているから
ふたこぶラクダにおいらは揺られて

空は今日は笑っているから
ふたこぶラクダにおいらは揺られて

空は今日は笑っているから
ふたこぶラクダにおいらは揺られて

空は今日は笑っているから
あー

          チョコレート    作詞・作曲 守沢高
                    

これほどアスファルトの色が黒いと 気づかせるように洗い流す 雨を
雨を見つめている彼を その彼を まんざらでもない顔で眺めている 彼女
これほどアスファルトの色が 黒いと 気づかせるように洗い流す 雨を
雨を見つめている彼を その彼を まんざらでもない顔で眺めている 彼女
彼女が まんざらでもない顔で ながめている彼は 雨を見つめ
雨は洗い流す 気づかせるように
アスファルトの色が これほど 黒いと

そちらからみれば そのままでも こちらからみれば タロットカードは
Reverse

チョコレートの形が 口の中で トロリ溶けて 形が消える
消える時しか 味わえないのは 何とも哲学的な問題ではないかしら 彼女
チョコレートの形が 口の中で トロリ溶けて 形が消える
消える時しか 味わえないのは 何とも哲学的な問題ではないかしら 彼女
彼女の問題は何とも哲学的で 消えない時には 味わえなくて
トロリ溶けずに 形があるのは 彼女の口に入るまでの チョコレート

表も裏も 上も下に カードのように 何もかもが Reverse

彼に一つだけの 願い事 あなたも私を 見つめてほしい
瞳に映るのは 二人だけで マバタキも同時にしたいと言った 彼女
彼に一つだけの 願い事 あなたも私を 見つめてほしい
瞳に映るのは 二人だけで マバタキも同時にしたいといった 彼女
彼女はマバタキも同時にしたい 彼が目を閉じるのを見なく
て済むから
彼も私が目を閉じるのを見ないから その話を聞きながら 彼は笑った
Oh! Reverse
そちらから見れば そのままでも こちらから見れば タロットカードは Reverse

今宵も ブェノスアイレスでは タイクツが眠り タンゴが目覚め
裏側の東京の朝は 夕べの夢たちを歩道に捨てる 人々
今宵も ブェノスアイレスでは タイクツが眠り タンゴが目覚める
裏側の東京の朝は 夕べの夢たちを歩道に捨てる 人々
人々は 夕べの夢たちを 東京のステップで 歩道に捨てる 人々
裏側の ブェノスアイレスは 眠るタイクツ 目覚めるタンゴ 今宵も

表も裏も 上も下も カードのように 何もかもが Reverse

彼女の問題は何とも哲学的で 苦くても 甘くても 堅くても
裏返しても それでも溶ける 雨上がりのアスファルトよりも黒い
ブラック チョコレート

        パパワルツ   作詞・作曲 守沢高


あの人いい人だから止めないで
私は大人だから言わないで
揺れる心とらえていたい
揺れる心についていきたい
街で見かければあなたの娘は
女でいるわ、女に見えるわ
事実だけを受け止めてパパ
だけど好きなパパ

明日も私の部屋に日が差すわ
さびしいパパの顔は良くないわ
私、置き手紙は嫌だから
こうして電話で話したい
街で見かければあなたの娘は
女でいるわ、女に見えるわ
事実だけを受け止めてパパ
だけど好きなパパ
事実だけを受け止めてパパ
だけど好きなパパ

    ルート246   作詞・作曲 守沢高


右を見れば
別れを告げた女の足は速い
バス停前のポストのなかの言葉は
どこへ行く
ルート246 ルート246

黒い革ジャンの青い風が
通りすぎていく
灯をかざす流れる車も
過ぎ行く街も
ルート246 ルート246

Vintage

1000円

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