モデル 泰明君
 
  加筆訂正  2023年06月15日 2023年05月09日 2022年12月17日 2022年11月13日
   2022年10月14日 2022年10月08日2022年06月26日 2022年01月15日 2021年10月17日・・・
  公開 2021年05月15日
 4歳11か月からのLS-CC松葉杖訓練
 訓練を開始しました。今後の変化を見守って欲しいです。
 他のお子様についても随時加筆しています。確認してみて欲しいです。
※ この泰明君ほどに、今の療育界を示す治療経過のケースは無いかもしれません。

☆ 生育歴
 妊娠5ヶ月より自宅にて安静、33週にて早期破水となり、33週1日で体重2198gで生れてきました。
 順調と言われていましたが、生後1ヶ月半で脳室周囲白質軟化症(PVL)と診断されました。
 生後6カ月より訓練開始。
 首がすわっていなかったので、ハイチェアを起こして首を支える練習。追視する事が弱かったので玩具をしっかり見る練習等。
 首がすわったのは・・10カ月。
 寝返りを開始したのが・・1歳。
 3歳9ヶ月の時、選択的脊髄後根遮断術(SDR)を受ける。
 床に自分で座るようになったのが・・4歳頃で、トンビ座りとなっていました。
 四つ這い・つかまり立ちは、まだ行えません。
 4歳11カ月の時点で、平行棒に捕まって歩く、介助歩行、PCWにて歩く等の練習をしています。
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∞ LS-CC松葉杖訓練を開始→4歳11か月
 何故にこの子どもが・・・??
 お母さんの言葉の指示で、肘這い(腹這い)でお母さんの膝元まで移動する事ができる。
 寝返りも可能。
 腹臥位(腹這い位)で股・膝を曲げて床の上に座る事ができる。座るとトンビ座りとなる。
 床の上に座る際に、四つ這い位にほんの少しの時間行うが、四つ這い位をあまり行わない。四つ這い移動はできない。
 持ち込んで立たせても、下肢の支持性、股関節の進展ができない為に、立つ事は支えてあげてもできない。
その様な下肢の支持性や股関節の状態で、どの様にして歩行練習をしていたのだろうか?
 下肢はSDRを受けているためなのか、左膝を除けばほとんどの関節制限は無い。上肢の関節可動域には少々の制限がある。特に肩関節。
 床での座位保持ができないので、摂食指導などの際には座位保持椅子を利用しているとの事。
 訓練内容・・全身のストレッチ・床での座位保持・腕立て位・四つ這い位。
→ 訓練開始2週間
 トンビ座りが割り座や正座となる事ができている!
 食事の際に座位保持椅子を利用しているとの事なので、座卓を使って床での座位で摂食指導をするように促す。
→ 訓練開始3週間
 床に座っての摂食指導ができるようになったとの事。
 椅子座位が何故にできないのか試してみた。椅子に座ろうとしていない。椅子のどこか? 椅子に持ち上げてくれた介助者のどこか? 何処でも良いのでつかまって座っていようとしている。
 椅子に座らせて、強制的に座っているように指示する。自分で座ろうとしなければ椅子から落ちるようになる。危険が有る事を承知のうえで、泰明君を椅子から落ちるように身体を揺さぶる。その結果、5分を要せずに椅子に座っていられるようになる! この変化、平衡感覚が良いし、意思が伴えば指導する内容をすぐにでも獲得できるのか?
 幼稚園に通う事を考えているとの事で、幼稚園に入ったならば座位保持椅子を使って昼食を摂る予定との事なので、幼稚園で他の園児が使用する椅子を借りられないか? 借りて家庭内で練習ができないか提案する。
 訓練が終わった後に、幼稚園に伺い園児の使用する椅子を借りられたとの事。
 訓練の有ったその日、幼稚園で椅子を借り、家庭で座卓にて皿に盛り付けられたイチゴをフォークを使って自分で食べられたとの事!!
 泰明君は幼稚園で使う椅子、家庭の食卓の大人の椅子に座り、座っていられた経験を得て、「これからは椅子で食事をする!」と言葉を発したとの事。家庭内のみんなと共に同じ様に食卓を囲んで食事ができた事が嬉しかったのでは…? 当分の間は、家族が椅子から泰明君が落ちないように注意する事が必要だが・・・
→ 訓練開始5週間
 クローラーを貸し出す。
 クローラーでの手歩きを開始。CC2度
→ 訓練開始7週間
 CC3度となる。
→ 訓練開始2カ月
 体幹・大腿部、何処を支えても立っていられない? これでどの様に平行棒歩行やPCWで歩行練習をしていたのだろうか?
 松葉杖訓練に入る事ができない。足で立つのではなく、わざと膝を曲げるようにして、立つ事を避けているような感じ…
 CCでの手歩きを喜んで行う。
→ 訓練開始2カ月2週間
 スタビライザを貸し出す。LS1度
→→ その1週間後
 LS2度を超えた!
 松葉杖訓練に入る事ができた! 松葉進度1
→ 訓練開始4カ月
 お母さんと松葉杖訓練ができるようになる!
 家庭内でほんの少し、四つ這いをしたとの事。ほんの足を二・三回動かす程度…
→ 訓練開始5カ月
 足を使って立つ事を少しは理解した様子!
 だが立つ時間は短く、直ぐに膝折れをしてしまう。もう少し膝折れが少なくなれば、松葉進度2となるのに…
→ 訓練開始6カ月に1週刊足らないが
 松葉杖訓練でもって、休む事も無い状態で30m程を練習できた!
 膝折れの回数が減り、足で立って松葉杖訓練ができるようになっている! 希望的観測で、来春の桜の咲く時期までには松葉進度4となるのでは?
→ 訓練開始8カ月
 松葉杖訓練で、疲れない間は進度3となった。
 疲れると膝折れする回数が増える?
→→ その2週間後
 正月で食べ過ぎたのか、太ったために練習ができる量が減ってしまった。
→→ 更に1週間後
 正月で太り気味と感じたのは、太ったのではなく体力減と判明。
 兎跳び様の変形四つ這いと、交互性ある四つ這いを少し始めた!
 でもすぐに肘這いとなってしまう。声かけをする事によって、四つ這いに戻るが・・・
 松葉杖訓練から松葉杖歩行訓練に変わる!
 時々膝折れが起きるが、原因は……?
→ 訓練開始1年2か月
 松葉進度が時々3となる! しかし膝折れを起こす事には変わりがない。
 膝折れ対策として、短下肢装具にゴム製のクレンザックを着けて試みる。
→ 訓練開始1年4か月
 相変わらず膝折れを起こす。膝折れ対策として、下腹部から短下肢装具まで、両下肢にゴム紐で引き上げる試みをする。膝折れが少ない感じ…
→ 訓練開始1年5か月
 膝折れ対策のゴム紐の着け方に工夫を加える。更に膝折れが少なくなったか?
→→ その2週間後
 兄が犬を飼いたいと言い、洋犬を家庭で飼うようになり、肘這いをしている背に犬が載り、首筋などを舐めるとの事。
 よだれが垂れていると、犬に舐められるとの事。
 その結果として、嫌がっていた四つ這いを少しづつ始め、よだれを垂らさないように注意するようになったとの事。
 犬が傍にいないと、以前と変わらないのだが… 犬によって運動機能が伸び、生活態度も変えられるのか?
→ 訓練開始1年6か月
 膝折れ対策が良かったのか? 10歩以上膝折れを起こさずに歩けた! 本児の気分でなければ良いのだが…
 膀胱機能が低下している事がわかり、治療に入る事となる。
→ 訓練開始1年7か月
 膝折れ対策として、二つのパーツで膝折れ予防をしていたが、ずいぶん成功率が高くなってきたので一つのパーツを外す準備に入る。
→→ その2週間後
 膝折れ対策でもって、パーツの一つを外す事になった!
 全てのパーツが不要となれば良いのだが・・・
→ 訓練開始2年
松葉杖歩行練習をしていて、突然の膝折れを止められないが、立っている事や歩いている事を子どもの意識に乗せられている間は、膝折れが防げると感じる。子どもの意識が何処かに行ってしまうと、膝折れが起きるのではないか?
 膝折れ対策のパーツを全て外しての練習に入りました。
 立っている・歩いている。この意識がどこかに飛ばないようにできるのだろうか? この点が歩行可能になるかの別れとなると考えています。(膝折れの原因が選択的脊髄後根遮断術に大いに有るのでは・・・)
→ 訓練開始2年1か月
 松葉杖歩行で問題なのが「膝折れ」…。膝折れが無ければ、松葉進度4の方向に動けるのだが…
 膝折れを防ぐために、何らかの装具ができるか技師装具士と相談中。
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◎ 指導する者からの期待と希望
・ 生まれて4年余りの訓練指導を受けていて、その間にできなかった事がたった3週間余りでできるようになると言う事は??
 伸びる能力を延ばさないようにするのが、今の肢体不自由の子どもへの指導法なのかも知れません。これを読まれた保護者の方は、どう考えますか?
 SDRが本当に必要だったのだろうか?
・ 5歳児で脳性麻痺やPVL等と診断を受けた子どもが、これ程に松葉杖練習を拒むような態度をとるのだろうか?
 麻痺の他に別の障害を秘めているのだろうか?
・ これ程に変化の著しい子どもも珍しいのでは?
・ 膝折れするのはPVLが原因とは考えられません。SDRが原因と考えても良いのだろうか?
・ 膝折れ対策をしなければ、松葉杖歩行訓練ができないなど、SDRの手術を勧め実行した人たちの考え方を知りたいです。

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  製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美