モデル 太朗君
 
  加筆訂正  2024年02月10日 2023年06月23日 2023年06月14日 2023年02月09日
  2022年05月05日 2021年07月30日 2020年11月01日 2020年07月20日 2020年02月29日・・・
  公開 2018年08月01日
 4歳4か月からのLS-CC松葉杖訓練
 訓練を開始しました。今後の変化を見守って欲しいです。
 他のお子様についても随時加筆しています。確認してみて欲しいです。
☆ 生育歴
 在胎38週1日で正常分娩。2810gで出産。
 問題となる出産エピソードも本人も異常なしですが、産後入院中に手足共に緊張があり、収縮させていたので、違和感を医師には訴えていました。
 4ヶ月の時に、全身型の痙攣発作を起こした。3歳過ぎで服薬は中止。
 4ヶ月検診以降、首すわりが不安定、9ヶ月で寝返り獲得など、発達の遅れが顕著になり、1歳でのMRI検査を受けたところ、白質容量が少ないことを指摘されました。
 脳性麻痺。
 首がすわったのは・・4から5か月頃
 寝返りを始めたのは・・9ヶ月
 訓練を開始したのは・・1歳
 自分で座るようになったのは・・2歳
 2歳3か月より・・SWASHを夜間、装着して就寝。脱臼の進行は止まらず…
 2歳9ヶ月の頃・・本や物を極端に目に近づけて見るようになり眼科を受診したところ、白内障と診断。2歳11ヶ月の時に医大にて、人工レンズを入れる白内障手術を受ける。
 四つ這い開始・・3歳4か月
 3歳5ヶ月より・・ボトックス注射治療開始。股関節の開きや機能面に変化はなし。股関節2回、大腿部後面に1回、足首1回。
 3歳6か月頃から・・足の緊張が極端に強くなり、姿勢の崩れが目立ち、自力での移動やお座りも極端に減った。膝の痛みを訴える事が増え、最近では就寝中に「痛い」と大泣きして目覚めることがある。
 A医師の診断では骨切り術をすることを勧められたが、鈴木先生を受診したところ筋乖離とこの訓練を勧められました。
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∞ LS-CC松葉杖訓練を開始→4歳4か月
 背臥位で過ごしていることが多い。
 坐位に持ち込むと円背が著しい。不安定ながら割座で数分間座っていられる。
 関節可動域・・股関節の両側内転筋と内旋筋に短縮傾向、両側膝屈筋に短縮傾向、両側の第1足指が屈曲し筋が短縮している。両側が外反扁平足。
 訓練内容・・全身のストレッチ、各種座位保持、スタビライザでの立位、クローラーでの手歩き
 LSを貸し出す。LS1度
→ 訓練開始2か月
 肘を伸ばすことが難しいようなので、肘当てを貸し出す。肘当てを着けてクローラーでの手歩きを行う。
 就寝中の足の痛みを訴えないようになる。
→ 訓練開始3か月
 股関節・膝関節・足関節・両側第1足指周辺の筋解離術を受ける。
→ 術後1週間
 長下肢でのギブス着用で、訓練開始。
→ 術後3週間
 ギブスカットとなる。
 術前の訓練と同じ内容を開始。
→ 訓練開始4か月・術後1か月
 術後の痛みも減少したのか、泣かずに行えるようになる。
 松葉杖訓練開始。松葉進度1
→ 訓練開始4か月2週間・術後1か月2週間
  本日、水野記念病院にて、鈴木先生の診察を受けてきました。
 股関節のレントゲンを撮ったところ、亜脱臼の状態が改善されている、腸骨からの距離が縮まっており、左が特に良くハマってきている、との事で、「こんな事があるのか?」と鈴木先生もとても驚いておられました。
 ギブスを取った段階では変化がなかったので、私も驚きと喜びで、今の調子で頑張っていこう!と気を引き締めたところです。
→ 訓練開始6か月
 松葉進度2となる。
→ 訓練開始7か月
 松葉杖訓練で、杖を出すようになる。足は出せないが、軽い介助で出るようになっている。
→ 訓練開始9か月
 自力での坐位ができるようになり、その姿勢も保持が増えてきている。
 四つ這いで少し動くようになる。
 松葉進度3となる。物につかまらせて立たせると、少しつたい歩きを行う。
→ 訓練開始10ヶ月
 松葉進度4となる。5m程を歩くことができた。
※ これからの松葉杖歩行のでき具合で、独歩に至るかが定まるのでは・・? 2年後、3年後に独歩に至るか否か。
→ 訓練開始11ヶ月
 四つ這い移動を少し行うが、日常生活の中で増えていかない。
 足関節背屈で、膝関節を伸展する形で、下肢の異常緊張となるために、四つ這いが日常生活で行えないし、松葉杖歩行の距離も延びていかないもよう。
 それでも10m程の松葉杖歩行が可能となっている。
→ 訓練開始1年2ヶ月
 松葉進度4の状態で、数十メートル程を歩くようになる。
→ 訓練開始1年5ヶ月
 本日、鈴木先生の定期診察を受けてきました。
 股関節のレントゲンを撮ったところ、〔亜脱臼の状態が改善されている。腸骨からの距離が縮まっており、左が特に良くハマってきている〕、との事でした。
 ほぼ1年前のレントゲンよりも、更に骨頭と臼蓋の距離が近づいたとのこと。「珍しいとも言える良い結果」だと言われていました。
◎○  聞きかじったおもしろい話
 松葉杖歩行をあまり行わないようになる。辛いことがわかってきているのか?
→ 訓練開始1年6か月
 松葉杖歩行を再び行うようになる。
 床に座った際や、立位に持ち込んだ時、背筋が伸びるようになっている!
→ 訓練開始1年8か月
松葉杖歩行訓練で、杖と足が交互に良く出るようになってきている! そのために、スピードも増し、歩く距離も伸びた!
→ 訓練開始1年10カ月
 松葉杖訓練で、立脚で立ち、遊脚の膝が良く曲がるようになる!
 遊脚の膝が曲がって足を出すことができるので、歩行スピードが増した!
 もう少しの辛抱で、生活の中で四つ這いが始まるのでは…
→ 訓練開始2年2カ月
 新型コロナウイルス感染のために、4カ月お会いできていません。
 お母さんからメールが届きました。
 松葉杖で歩く事が楽しくなり、気分にもよるが自分から歩きたいと言い出すようになったようです。
 松葉杖で歩く距離も伸び、1回の休憩を挟めば100m程を歩くようになったようです。
 日常生活の中で、常に四つ這い移動をすることができていないようなので、これからの発達がどうなるのか? 四つ這いが生活の中で自然に行われるようになれば、今後が期待できるのだが…。
→ 訓練開始2年5カ月
 座位や立位では背筋が伸びるのだが、四つ這いでは円背が目立つ。改善が求められている。
 階段昇降練習に入る。
 昇りでは、上の段に足をのせるのがやっと。降りでは、上段に残した膝が曲がりにくい。下肢筋の筋力が乏しいのか? 筋の使い方がわかっていないのか?
→ 訓練開始2年6カ月
 片足だしの力がまだ弱い。
 階段昇降で強化できるか?
→ 訓練開始3年1カ月
 松葉杖を使って一人で歩く事ができているが、左右共に下肢筋が強化されない?
 下腿三頭筋(ふくらはぎの筋)がいくら待っても使うようにならない。これと似た症状が、二分脊椎症や脊髄損傷の子どもで診る事ができていました。
 下腿三頭筋を動かす神経は、脛骨神経で(腰椎4番から仙骨2番神経)なので、この脊椎部を負傷していると下腿三頭筋が使えず、膝から下を一本の棒としても使えないのです。そこで、二分脊椎の子ども等で使ったフレンザックを使ってみる事にしました。
 どうするか検討に入る。
→ 訓練開始3年2カ月
 検討していたクレンザックのモデルができる。
 モデルを使ってみて、歩容が改善したので使っていた下肢装具を修理する事になる。
→→ その2週間後
 使っていた下肢装具がクレンザック着きとなる!
 歩幅が広がり、歩行スピードが増した!
 残るは階段昇降などの応用歩行か?
 二分脊椎症では、独歩に至ったがこのケースは?
→ 訓練開始4年
 松葉杖歩行のスピードも増し、速度も速くなっている!
 片足立ちが介助してもできなかったが、5秒?・10秒程が出きるようになる!
 介助の方法は骨盤を軽く介助するだけで、倒れる事まで助けていません。
 松葉杖を使って一人で歩くようになり3年が経過。独歩を期待する事は難しいのか?
→ 訓練開始4年9か月
 松葉杖歩行でスピードも増したが、足部を使ってのバランス確保が難しい。考えられる原因が足部のアーチを造る骨の間で、固定ができていない事ではないかと考え、整形外科での手術を計画しまもなく行われることになる。
 術後の変化が期待されます。
→ 訓練開始4年10か月
 足部の手術を受ける。
 舟状骨が落ち、偏平足が著しく、第一指が強く屈曲しており、床をしっかりと踏む事ができていないので、これに対応しての外科的手術です。
→→ その1週間後
 左右の下腿部にギブスを巻いたままで退院。
 自宅でもって、術後のトレーニング。
 ギブスでもって固定されていない身体の部分は、ストレッチを施す。
 クローラーを使用して、手歩きを行う。
→ 訓練開始5年 術後2か月
 ギブスも外れ、骨癒合のためのピンも外れたので、通常の訓練に戻す。
 ギブス固定が長かったのて、筋力低下と関節の動きが悪くなっており、痛みを訴えている。
 LSに入っても、怖いと訴えている。踵に体重がかかるのか、踵が痛いとの事。
→→ その10日後
 短下肢装具着用でもって、松葉杖歩行訓練に入る。
 最初は松葉進度2であったが、徐々に松葉進度3となる。
→→ その2週間後・術後3か月・ギブスカット後1か月
 松葉進度4となる。50mから100m歩けた!
→ 訓練開始5年2カ月
 松葉杖歩行のスピードも上がり、踵で体重保持もできるようになり注意して歩けば、下肢での体重保持でもって歩いている!
→ 訓練開始5年7か月
 踵に体重を落としての歩行が忘れられ、松葉杖に体重を預ける事が多いので、それを訂正する事に努める。
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◎ 指導する者からの期待と希望
・ 筋の異常緊張のために、3歳や4歳でできていたことができなくなっていた子どもが、これからどの様な変化を遂げていくのか見守って欲しいです。
・・ この子どもの変化については保護者には伝えてありますが、指導する私の頭には2年から3年後の予測がついているのです。
・ 股関節の状況は「訓練開始4か月2週間後 術後1か月2週間」の時点では改善されているようです。もっと改善されるのか?
・ 10ヶ月の訓練成果として、喜ばしいのであって恥ずかしくはないと思うのだが…。
・ のんびりと運動機能が伸びているのでは…!
 杖歩行や独歩に至って欲しいのだが…、何時頃になれば実現するのか?
・ 2歳から3歳頃までの股関節可動域制限が、この時期になってこれ程に影響するとは考えていませんでした。
・ この訓練法での進歩としては遅いが、他の指導と比較すればどうなのだろうか?
・ クレンザックが脳性麻痺の子どもにも効果が表れるとは?!
・ 杖歩行が好まれない今、スポーツとしての松葉杖歩行でも良いので続けて行って欲しいです。
・ 偏平足の手術によって、今後どれだけの変化を見せてくれるのか楽しみです。
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@ さんぽ道 その3
 
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  製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美