態正君の場合
公開 2018年11月12日
3歳2か月からのLS-CC松葉杖訓練
☆ 生育歴
妊娠29週で早期破水によって出産。体重1220g
運動発達遅滞と診断。
生後5ヶ月で呼吸不全。
10ヶ月ごろから訓練を受けはじめる。
首が座りはじめたのが1歳ごろ。
寝返りも1歳ごろ。
自分でお座り(手で支える)は1歳2ヶ月ごろ。
四つ這い2歳8ヶ月ごろ。
つかまり立ち2歳9ヶ月ごろ。
歩行訓練は、2歳5ヶ月ごろから脇で支えたり手で支えたりしながら歩いたり、歩行器を使いながらの訓練を始めました。
↓・↓・↓・
∞ LS-CC松葉杖訓練を開始→3歳2か月
現症:臥位から座位まで問題なし。移動は四這いであるが、兎跳び様の動きである。つかまり立ち可能。
関節可動域:特に問題なさそう。
訓練内容:全身のストレッチ・床からの立ち上がり・松葉杖歩行訓練
SLBと松葉杖を貸し出す。松葉進度1から2。
大泣きをしていて、訓練が行いにくい。
→ 訓練開始6か月
松葉進度3となる。
→→ その3週間後
松葉進度4となる。
→ 訓練開始8か月
松葉杖で良く歩くようになった。
→ 訓練開始9か月
股・膝・足関節の各々が、関節可動域が狭まっている。痙性麻痺の兆候が大きい。
松葉杖歩行で歩く距離は延びているが、それ程延びずにスピードも上がってこない。
→ 訓練開始2年4か月
股・膝関節の可動域が狭まり、整形外科での手術を勧める。
→ 訓練開始2年5か月
ある整形外科での診察を受けたが、手術の必要は無いと診断されたとのこと。
→ 訓練開始5年4か月
松葉杖を持った状態で、床から一人で立ち上がる練習に入る。
→ 訓練開始6年
松葉杖を使って、床から一人で立ちあがるようになる。
→ 訓練開始6年4か月
整形外科での手術が予定される。
→ 訓練開始6年8か月
両下肢の股関節(腰筋・内転筋)、膝関節(膝屈筋)、足関節(下腿三頭筋)の筋乖離術を受ける。
→→ その2週間後
術後の訓練開始。
長下肢のギブス固定。
術後訓練開始。
大腿部からの長下肢ギブスのままで…
ストレッチ・立位・松葉杖歩行
→ 訓練開始7年1か月・術後6か月
術前の状態よりも歩容が良くなり、歩行距離も延びている。
→ 訓練開始8年2ヶ月
首の後に手の指を置いて、触っていることを伝えることによって、数メートルの独歩ができる。
→→ その1週間後
持ち込み立位から十数歩の独歩を行う。
→ 訓練開始9年10カ月
コロナでお会いする事はできませんでしたが、お母さんと医師と私との間で連絡を取り合い、整形外科手術を受ける事になる。
左股関節の内旋を修正するために、左大腿骨の手術を受ける。
術後の子どもの様子を見て、一時自宅に帰る。
→→ その11日後
再入院して、術後の訓練を受ける。
→ 訓練開始10年8カ月
術後の2度の訓練入院でもって、術前の運動機能を取り戻そうとしたが、本人が術部の違和感を訴えて歩く事ができない。
→ 訓練開始10年9か月
左短下肢装具を長下肢装具に変え、更に膝関節をバネの力で伸ばすように工夫してみたが…
→ 訓練開始11年7か月
バネ付き長下肢でもって、松葉杖を使い一人で歩く様になったが、スピードに欠けている。長下肢装具が短下肢装具に変えられれば…?
→ 訓練開始12年3か月
歩行練習をする時間が無いようで、時々の練習では現状維持を図るのも難しいのでは…
高学年となり、勉強も進めたいと考えれば仕方ない事だが、どの子どもも幼児期や低学年の時にしっかりと訓練をしておきたいです。
→ 訓練開始13年2か月
松葉杖歩行や独歩を目指しても、その練習時間が取れないので、現状維持を目標に、ストレッチを中心とした指導に代える。
↓・↓・↓・
◎ 指導する者からの期待と希望
当初は運動発達遅滞と診断されていたようだが、明らかに脳性麻痺の兆候が診られなかったのだろうか? 例えば筋反射などで・・
整形外科での手術の決定が、ずいぶんと遅れたために歩容の改善が遅れたようです。
手術については、診察する医師を換えたことによって手術が決定されました。
これまでにずいぶんと時間を要していますが、今後の伸びに期待したいです。
・ 骨に触る手術まで受ける事になり、杖歩行や独歩での生活を獲得できると良いのだが…!
・ 本人の訴える違和感とは? 違和感を取り除かなければ術前の機能を獲得できないのだが…
・ 違和感が減っている様だが、短下肢に戻れるのか
・ 手術時期を間違えたのか? 訓練する時間が無くなったからなのか? 一時期は独歩の夢も見る事ができたが、日常生活は車椅子生活。多機能トイレを使用する事で、外に出かけても活動は可能に…
↓・↓・↓・
@ さんぽ道2
@ トップに戻る
製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美