ケース 真子さん
加筆訂正 2024年05月05日 2020年09月03日 2019年09月21日
公開 2019年06月23日
今から35年から45年以前は、脳性麻痺となった子どもを療育施設に修養して、1年から数年に渡り療育指導を継続して施していました。
このページは子どもとは異なり、変化は乏しく、加筆訂正することは少ないかも知れませんが、変化が有れば書き込んで参ります。
今は幼い子どもであっても、いずれは成人となります。その時をイメージされて読んでいただければ幸いです。
☆ 私と知り合ったきっかけは…?
真子さんは、私の務める療育施設に療育入園して来たお子様です。
療育入園する前は、外来に通い、通園に通い、そして療育入園して来たのです。
療育入園は3歳8ヶ月からで、4歳3ヶ月で股関節内転筋の筋解離術を受け、5歳7ヶ月まで入園していました。
退院後は最寄りの通園施設に通い、8歳で股関節屈筋の筋解離術を受けるために入院、術後の訓練を終えて退院。
15歳で右股関節臼蓋形成術を受けるために入院、術後の訓練を終えて退院。
退院時は、松葉杖歩行が可能で、手すりが有れば階段昇降も可能でした。
病室内や家庭内では、四つ這いでの移動をしていました。
衣服の着脱や食事、洗面トイレなどのADLは、時間を要するが全て単独で可能でした。
※ 現在はグループホームで、お友だちと共に生活しています。
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∞ LS-CC松葉杖訓練を開始→38歳7ヶ月
長いことお会いしていませんでしたが、年を重ねている間に、できていた杖歩行や四つ這いができなくなり、グループホームや家庭内で介護量が増え、家庭に戻った時などには年を重ねた保護者の介護が辛くなったと、久しぶりに保護者からの連絡があったのです。
久しぶりにお会いして、真子さんの様子を診れば、全身が異常緊張によって身体中が硬く、関節を動かせば可動域が狭まり、痛みも訴えるのです。
床に座ることも下手になり、安定も悪く、四つ這いも下肢が伸びてしまい行えません。
→ 訓練開始
訓練としては、全身のストレッチと関節可動域を広げることを重視し、まずはどの様な姿勢でも痛みを伴わないで、動くことができるように指導しました。
→ 訓練開始1ヶ月
全身のストレッチを受ける際に、痛みを訴えなくなり、気持ちが良いと言うようになる。
関節可動域には、まだ制限があるが、かなり広がってきている。
四つ這いと松葉杖歩行が行いやすくなってきたとのこと。
→訓練開始2ヶ月
ストレッチの際に痛みを訴える箇所が減っている。
四つ這いでの移動がやりやすくなったとのこと。
→ 訓練開始3ヶ月
元々、下肢が浮腫むことがあり、グループホームの看護士さんから電動フットマッサージ器を使って、治療することを勧められていましたが、一時は行っていましたが毎日の事で行わなくなっていたようなのです。
そんな状況も知らずに、下肢の浮腫に驚く…。何故にこの時期にこれ程の浮腫が現れたのか?
内臓に問題が無いのか? 血管に問題は無いのか?
→ 訓練開始4ヶ月
下肢の浮腫については、内臓や血管には問題無いとのこと。加齢に伴い筋力が低下して、浮腫が現れているのではないか? マッサージや電動フットマッサージ器を使って、浮腫の治療に努める。
→ 訓練開始6ヶ月
私の体調不良により2ヶ月ほど治療を施すことができず、久しぶりの訓練となる。
当初は関節可動域も狭まり、関節を動かされる際に痛みを訴えていたが、徐々に痛みも訴えなくなる。関節可動域はまだ少し狭いが…
→ 訓練開始1年6カ月
コロナの影響で会うことができなかったが、久しぶりに6カ月ぶりに会うことができた!
下肢の浮腫みはそれ程でもないが、全身の関節の可動域が狭まっている。
動くことができない状況が続いているのだから仕方ないことかもしれない。
グループホームや家庭で過ごす肢体不自由者は、四つ這いをする広いスペースも無い。自治体ではこの様な事も考え、自由に四つ這いができる所を確保して欲しい。
→ 訓練開始1年8か月
左下腿の浮腫みがひどい。
→ 訓練開始4年8か月
あちこちが痛かったり、浮腫みがひどかったりと、繰り返し良い状態と悪い状態を繰り返してきたが、今のグループホームを出て、遠方のグループホームに変わったために訓練会を退会。
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◎ 指導する者からの期待と希望
何時頃のことか、真子さんがグループホームに入ったことは噂で知っていましたが、脳性麻痺者にとって二次障害をどの様に防いでいくのか、今回問題として提起されました。
問題が有ることは承知していましたが、現実に二次障害で悩む脳性麻痺者を診て、幼い子どもの運動機能の改善だけで無く、脳性麻痺と言われる障害を、生涯に渡りケアーしていく必要を更に重視させられました。
真子さんが、お友だちと共にグループホームで楽しく生きていくために、協力を惜しまない私です。
・ 私の都合でストレッチが行えない期間が生じ、真子さんに迷惑をかけただけでなく、関節可動域が改善しつつあったのに2ヶ月の休止で悪化する事実を診て、成人となって治療が施されていない脳性麻痺者の治療を医療機関が行うことを勧めたいです。
・ コロナの感染が肢体不自由児者に影響を与えている。
限られた所でしか動けない人たちの動く場所の確保も公共機関で考えて欲しい。
・ グループホームの変更で、より良い生活ができる事を願うばかりです。
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製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美