美都チャンの場合
 
 公開 2019年01月21日
 PVLによる運動機能障害
 2歳1か月時からのLS-CC松葉杖訓練での取り組み
☆ 生育歴
 前期破水・出血・感染症の為に妊娠28週0日で出産。体重1034g。
 1歳11か月でPVLと診断を受け、地域の療育施設でストレッチの法を学び、家庭で行っていました。
 首がすわったのは→5ヶ月
 寝返りを始めたのは→6ヶ月
 肘這い(腹這い)を始めたのは→7ヶ月
 自分でお座りを始めたのは→1歳5ヶ月
 四這いを始めたのは→1歳5ヶ月
 つかまり立ちを始めたのは→1歳5ヶ月
 歩行練習に入ったのは→入っていません。
↓・↓・↓・
∞ 2歳1か月で水野記念病院に来院され、それから訓練開始。
 大泣きをしていて、身体のことを診ることができない。
 人見知りや場所見知りがあるとのことだが…?
→ 1か月後
 泣いているが大泣きではなく、関節の動きをチェックすることができた。
 外反扁平尖足位→ストレッチの指導を受けていたのだろうが、足関節のストレッチが行われていたのかが疑問。
→ 2か月後
 SLBができあがる。
 すたびらいざを貸し出す。LS2度
 歩行器で歩くことができる。
※ 歩行器=ここで言う歩行器は、通常から見れば特殊な歩行器です。ハンドル型で、押して使用します。前輪は何の抵抗も無い固定輪。後輪は、方向が自由に向くことのできるキャスター。クロコダイル(歩行器の一種)を使用すれば、同じ様な使い方が可能です。クロコダイルをPCWと同じように使用している時、後方の車輪の抵抗を外して自由に動くようにする。前輪は動きを抑制している装置を外し、キャスター用の動きが可能とする。押し部の高さは、子どもの乳頭部とする。
→ 3か月後
 屋内を歩行器で自由に歩くようになる!
 人見知りや場所見知りがあったのか疑問。
→ 6ヶ月後
 松葉杖歩行訓練に入る。松葉進度1。
→ 7ヶ月後
 松葉進度2となる。
 松葉杖を使っての訓練は、歩行器を使っての訓練と異なり、別のバランスを求められます。
→ 9ヶ月後
 松葉進度3から4となる。一人で歩くことは疲れるのか、休み休みながらも10m以上は歩くことができる。
→ 1年1カ月後
 松葉杖歩行距離も伸び、スピードも出るようになっている!
 しかし気分に左右されて、その日の機能に大きなばらつきがある。
 持ち込み立位から3歩・4歩の独歩を行う!
→ 1年2カ月後
 松葉杖で歩く際に、4点支持2点歩行となってきている!
 独歩に至るのは間近いのか!
→ 1年9カ月後
 コロナの影響でお会いする事はできていないが、4カ月ぶりにメールが届きました。
 持ち込み立位から、5〜6m程の独歩を行うようになった!
 幼稚園で、園庭に出る際は松葉杖を使って移動したり、園内でも手をつないでですが装具で歩いていて、自宅で自主練していた時と比べ物にならないくらい運動量が増えています。
 そして最近オムツが外れました! 美都がパンツ履くと言い出して、ダメ元でトイレトレーニングを始めたら、上の子よりも簡単にオムツを卒業出来ました!
→ 1年10カ月後
 お母さんからのメール受信
 幼稚園の教室や廊下を歩く時は、なるべく介助しないようにしていたところ、6〜7mの歩行は安定してきました! 幼稚園の先生たちにも「美都ちゃん歩くの上手になったね!」と言われて、自信になっているようです。
 ずっと出来なかった手の指の動きで、ピースと3が出来るようになってきました!
→ 2年5カ月後
 一人で床から立ち上がる事もできる事が有る。室内で素足で独歩もできるようになった!
 それでも独歩の能力が伸び悩んでいる。原因と思えるのは、尖足や下肢の関節の可動域の制限が増してきている。整形外科医師の診察を受けて、手術を考える時期が来たのか。
→ 2年8カ月後
 股関節・膝関節・足関節の筋乖離術を受ける。
→→ その5日後
 大腿部から末端の指先までぎぶすで固定されているが、固定されている以外の術後の訓練に入る。
 手術からの影響をあまり受けていない模様。
→→ 術後2週間
 両足がぎぶすのままで松葉杖歩行を行っている。
→→ 術後3週間
 ギブスカットが行われた。
 カット後に下肢の関節を動かしたが、あまり痛がらなかった。
→→ ギブスカット後3日
 松葉杖歩行を行っている!
だが床からの立ち上がりなどでは、怖いのか拒否する。
→ 2年9カ月後 術後1カ月2週間
 松葉杖でほぼ自由に歩いている。
 床からの立ち上がりができそう!
 術後の回復が早いのか!
→→ 5日後
 床から一人で立ち上がるようになり、そのまま数歩の独歩を行う!
→ 2年11カ月後
 メールが届きました! コロナの影響で合う事もできず、お母さんと子どもとで家庭での自主訓練の結果…!
 術後3カ月が経ちました。術前より機能は改善しています。
 1人で立ち上がって歩けるようになりました!
 装具を履けば10メートルは歩けます。途中転んでも前に手を突き、そこから1人で立ち上がって歩き出します!
 家の中でも歩くことが増えて、途中壁に伝いながらもトイレまで1人で歩いて来ます。 踵を着いて歩くので安定感が増し、歩行距離も伸びています!
 手を前で叩きながら歩いたり、おぼんにおままごとのケーキや果物を乗せながら歩くこともあります。驚いたのが、床からそのおぼんを持ち上げながら立ち上がることです。
→ 3年後
 下肢装具着用で、病院などの広い所を自由に独歩する様になった!
 しかしバランス確保のためなのか、両腕を広げ挙げるようにして歩いている。
→ 3年2カ月後
 何処でも床から立ち上がり、独歩を良く行うようになった!
 歩容も安定し歩行距離も伸びている!
 下腿の内旋が気になるが…
→ 3年7か月後
 自宅からお父さんと歩き、電車を乗り継いで目的駅に着き、更にそこから訓練会場まで(約1km)を歩く事ができるようになった!
 下腿の内旋が気になるが…
 体力と耐久性をつけ、実用歩行に向かって欲しいです。
→ 3年9カ月後
 猛暑の中を独歩で水野記念病院や訓練会に来られるようになる。全身汗まみれ…
→ 5年5月カ月後
 地元の小学校に入学!
→ 5年11カ月後
学校は面白いようで、喜んで通学している模様。
↓・↓・↓・
◎ これまでの経過を振り返って・・・
保護者の感想
 いただいたならば公表させていただきます。
指導者の感想。
 新生児科から小児科(フォローアップ外来)に転院したのかも知れませんが、PVLの診断と予測にあまりにも時間を要しているのでは…?
 四つ這いが可能となっているのに、立位から歩行への指導が何故になされないのか?
・ 3歳未満児が松葉杖歩行訓練? 珍しいと想われるでしょうが、私たちの訓練法では珍しくはありません。
 松葉杖歩行から独歩を目指して…!
・ 訓練開始から1年が経過し、数歩であるが独歩を開始しました。
 美都ちゃんの首のすわりや四つ這い開始時期と比べて、松葉杖歩行ができ、独歩を数歩で有っても可能となるまでの期間は、決して遅くないと思えるのです。 
・ 本物として独歩が獲得できる運動機能が備えつつあるようで嬉しいです!
・ 術後の変化に期待したいです。
・ 訓練開始約3年、術後3カ月。
 美都ちゃんの訓練成果は良好と言いたいのですが・・・
・ 訓練開始3年。術後3カ月。車椅子生活から歩行の生活に行き着けたと思います。
 これから更にいろんな応用歩行が可能となるように、もう少しの努力を期待したいです。
・ 小学校入学を前にして、独歩を獲得できた事は嬉しいです。
 独歩の獲得によって、学校選びにも選択の幅ができたのでは…
 更に体力面や、日常生活の中で行動の自由を獲得して欲しいです。
・ 地元の小学校で、問題があまりなく過ごせているのは嬉しい事です。

@ さんぽ道2
 
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 製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美