希実枝チャンの場合
公開 2018年12月12日
知的障害による発達遅滞
2歳2か月? 2歳7か月?時からのLS-CC松葉杖訓練での取り組み
☆ 生育歴
胎児としてギリギリの41週6日になっても出産の兆候が無く、緊急帝王切開。出生体重3352g。
産まれてから、ミルクが飲めない、吸う力がない、ずっと寝ている。
初めての沐浴の時に、まわりの赤ちゃんはみんな泣いているのに、希実枝は1人で寝ている。その時は、沐浴がやりやすくて、良かったなんてのんきな事を思っていました。
その次の日に、新生児室の先生から、体が柔らかいと言われ、血糖値を測って、異常はみられなかったと言われホッとしたのを、よく憶えています。その後も、ミルクを飲まず泣かずで、目覚ましをかけて、ミルクをスプーンで飲ませる様になりました。体重も、かなり落ちてしまい、この先、どうなるのだろうと不安がどっと押し寄せてきました。
病名はまだ定まっていません。
生後7か月頃から訓練が始まり、10か月頃に首がすわりました。
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∞ 2歳2ヶ月時に、訓練会に参加する予定でしたが、指導を始めると泣きと嘔吐が激しいので家庭での指導を指示して、嘔吐が治まってから始めることとなりました。
2歳2か月時の状態→↓
通常は背臥位で過ごしている。移動手段はない。
持ち込むとえんこ座りが可能だが、すぐに後方で支える者に寄りかかる。
側臥位から起き上がろうとするが起き上がることはできない。
両膝が反張である。
家庭で行うことは→↓
うつ伏せ位に慣れて、頭が上げられるようにする。
介助にて寝返りの練習。
持ち込みでの各種座位保持。
∞ 2歳7か月時より訓練開始。
家庭で指示に従い指導ができたようで、寝返りを行うようになっている。持ち込めば、後方の介助者に寄りかかることもなくえんこ坐位で座っている。
肘立て位を行い、持ち込めば腕立て位が可能。
四つ這い位が可能。
訓練内容:CCでの手歩き・腹臥位からの起き上がり・LSでの立位・松葉杖訓練。
→ 1週間後
腕立て位と四つ這い位が行いやすくなる。
→ 2週間後
松葉杖訓練に入る。進度1。
SLBと松葉杖を貸し出す。
→ 3週間後
LSを貸し出す。LS2度。
家庭で臥位から座位になるようになったとのこと。
→1か月後
自力座位を行うようになる。座ると割座となる。姿勢は良い。
→ 3か月後
松葉杖訓練の時、杖を少し持つようになる。
→ 7か月後
お母さんの声かけで、四つ這いを1m程行う。
松葉杖訓練から松葉杖歩行訓練に換わる。
→ 9か月後
腹臥位からの起き上がりが早くなっている。座位バランスも良くなっている。
→ 10か月後
松葉杖での歩行が学べないようなので、歩行器歩行を訓練に加える。
→ 1年後
お母さんの声カケだけでなく、自分の好きな所に四つ這いで動く。
→ 1年2か月後
ソファーなどにつかまり、つかまり立ちを始めたとのこと。
→ 1年9か月後
テーブル・ソファー・キッチンなどで、つたい歩きを始める。
→ 3年1か月後
家庭で、数歩の独歩を行ったとのこと。
→ 3年3か月後
持ち込み立位から、十数歩の独歩を行う。
階段昇降訓練に入る。泣いていて昇降の練習にならない。
→ 3年4か月後
お母さんとならば、階段の昇りが練習できる。
→ 3年8か月後
立たせてあげると、屋内を独歩するようになる。
階段昇降の練習が、嫌々ながらもできるようになる。
→ 3年9か月後
自ら床から立ち上がることはできないが、屋内外共に歩くようになる。
坂の昇降練習に入る。
→ 訓練開始4年3か月後
特別肢体不自由支援学校入学。
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◎ これまでの経過を振り返って・・・
知的障害に伴っての発達遅滞児で、つい最近中学1年の女の子を知りました。
歩くことはできていませんが、お母さんがこの訓練法を知り、どうしても子どもに試みてみたいということで、スタビライザでの立位から始まっています。
どれ程の多くの発達遅滞児が、歩くことができないで生涯を送っているのか思えば悲しく悔しい思いです。
「
マトモ
」の習得に励んでいます。
希実枝チャンが独歩を獲ましたが、まだ床から立ち上がることはできていません。この床から立ち上がれるようになれば、卒業となるのですが…!
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製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美