登君の場合
 公開 2018年12月11日
 二分脊椎症・L2から4番 水頭症
 4歳時からのLS-CC松葉杖訓練での取り組み

☆ 生育歴
 在胎35週4日で帝王切開で出産。出生体重2178g。
 妊娠15週時頃に、家近くの医師から異常があるから大きな病院で検査を受けるように指示され、検査を受けて水頭症・二分脊椎症の疑いで注意しつつ様子を見ることとなる。
 妊娠27週頃に水頭症と二分脊椎症を告げられる。
 出産時に、自発呼吸微弱の為、人工呼吸器を1週間程付けました。
 1歳前後から療育施設で、PT訓練を開始しました。
 2歳6ヶ月頃までは、寝転がってのストレッチのみで上田法を受けていました。その後に担当PTが換わり、プロンボードなどで立位訓練→その後平行棒やPCWを使って歩行訓練に→4歳過ぎから左膝の立位支持ができなくなり、歩行訓練は中断しています。
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∞ 4歳6ヶ月に、訓練会に参加されました。
 現症:臥位から座位まで問題なし。移動は四つ這いだが、交互性は無く兎跳び様の変形四つ這い。
 立位・歩行不能。
 関節可動域:足部に外反扁平、背屈制限がある。
 訓練内容:股部と膝伸筋の強化・交互正有る四つ這い・立位保持・松葉杖歩行訓練。
 SLB着用。松葉進度1。
→ 3週間後
 上肢と上肢帯の筋力とバランスが悪いので、プッシュアップ台の作製に入る。
→ 1ヶ月後
 プッシュアップ台ができあがる。プッシュアップの訓練に入る。
→ 5ヶ月2週間後
 松葉進度2となる。
→ 7ヶ月2週間後
 松葉進度3となる。
→ 8ヶ月2週間後
 松葉進度4となる。
→ 9ヶ月後
 松葉進度5となる。
→ 10ヶ月後
 屋内を自由に松葉杖歩行するようになる。
 スイング(大振り)歩行訓練に入る。
→ 11ヶ月1週間後
 スイング歩行が可能となる。
→ 11ヶ月2週間後
 スイング歩行で、屋内を自由に歩いている。
→ 1年5ヶ月後
 屋内外共に、スイング歩行している。
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◎ これまでの経過を振り返って・・・
 二分脊椎症や脊髄損傷・両まひの運動療法では、上肢のコントロール・筋力・耐久性が求められ、それに対応する為にプッシュアップ台を使って、上肢のコントロール・筋力アップ・耐久性を訓練するものと、私は思いこんでいました。ところがそのような訓練を受けないでイル二分脊椎症児がいることを知り、驚きました。
 単純でつまらない訓練ですが、これらの子どもにはプッシュアップ台を使っての上肢の機能をアップすることが、その後の訓練効果を高め、運動機能を高めることができるのです。
 プッシュアップ台での上肢と上肢帯の筋力強化や耐久性のアップには、子どもたちはおもしろくもなく好む訓練ではありません。クローラーを用いた手歩きができれば、プッシュアップ台と併用して、上肢と上肢帯の強化を図りたいです。
 この子どもたちに、最初からロクストランドクラッチを用いて指導される方々がおられますが、立位・歩行バランスを指導するには、松葉杖から入るのが指導しやすいと思えます。

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 製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美