「釜石便り」 2011・8月
●外山のエゾエノキ(8/28)
今月23日に「外山のエゾエノキ」を撮りに行ってきました。
このエゾエノキの巨木は、釜石市の天然記念物にもなっていますが、急な沢沿いの山道を700mも登るので、わざわざ見に来る人は少ないようです。
正直私も、何年か続けて撮った写真があったので、今回の津波で写真を流されていなかったら、当分撮りに来ることはなかったと思います。
それでも岩手県でも有数の巨木、釜石の自然の象徴という事で、写真愛好家の方などにはお勧めしたい巨木です。

鵜住居町新川原から日向(ひかた)を通って外山へ。
途中控えめな案内標識(写真中央)がありますが、ついついオーバーランしてしまいそうです。
以前はこの近くに路上駐車をして登っていましたが、この手前100mに車が数台止められる草地があります。

1枚目の写真の案内標識のアップです。
外山のエゾエノキまで、車道からは700mあります。
たかが700m、されど山道の700mです。

車道から車も通れるオフロードを少し上るとこの600mの標識があります。
数年前、この巨木を写真に収めたくて初めて登った時、この標識を見落として別な沢をどこまでもどこまでも登ったことがありました。
車も通れる砂利道が上の方まで続いていたので、てっきりそちらだと思いました。
それらしい巨木を撮影し、ここまで下った時にこの標識を見つけました。
別な沢をかなりな距離登り、本当に疲れ切っていたので、この標識を前にして登るかどうか本当に迷いました。
夕方近くになっていましたが、何とかこの巨木までたどり着き、写真に収めることができましたが、50年以上も生きていると写真に限らずいろいろな岐路に直面することがよくあります。

外山のエゾエノキまでの山道。
道はなんとかありますが、急で時々沢を横切るので、行かれる方は長靴を!。
熊の爪痕もありますので、周りをよく見ながらお進みください。

あと300mの案内標識。

これが「外山のエゾエノキ」です。
写真を撮りながら、しかも休みながら登って約40分かかりました。
熊の爪で標識はかなり傷つけられていました。

外山のエゾエノキの説明看板です。

こんな感じで撮りました。
暗くてぶれるので、三脚は必須です。
熊が出た時の対策としても、三脚は手放せません。

遊びで三脚に載せたカメラをくるっと少しだけ回して撮影したものです。
シャッタースピードが1秒なので、その間にゆっくり回します。

これが私の「外山のエゾエノキ」です。
少し神秘性を出すために青を加えて、超広角でこぶを強調して撮りました。
この日は雨降り上がりの日でしたが、巨木や森の撮影は雨か曇りの日に!。
巨木の生命感・存在感は幹が乾いていてはダメで、特に晴れの日は見苦しい影が出ます。
フルサイズ17ミリレンズ、F11オート(シャッタースピード1.3秒)、ISO400、ホワイトバランス3800K
●久しぶりの晴れ(8/27)
お盆を過ぎてから釜石はずっと曇りや雨の日が続いていましたが、27日にはようやく青空が広がり、さわやかな1日となりました。
山から聞こえるセミの声もアブラゼミやヒグラシなどから、秋のセミ「ミンミンゼミ」に変わり、木陰では涼しい風も吹き、季節の移り変わりを教えてくれます。
連日皆さんから写真集申し込みのメールをいただいておりますが、興味深いお話も聞かせていただいております。
申込者は釜石出身者の方が多いので、どこの地区に以前住んでいたか、出身学校や人とのつながりなど、楽しく読ませてもらっています。
写真集の方も、入荷翌日の31日に皆様に向け発送の予定です。
今日は仕事の方もようやく小休止、久しぶりの青空という事で、大平の釜石大観音周辺を徘徊してきました。

27日は久しぶりのすっきりした青空。
今日はここ大平プール横から、久しぶりに釜石大観音を撮影しました。
写真後方は大平(おおだいら)中学校です。

釜石のランドマーク「釜石大観音」。
ここは大平の鎌崎ですが、釜石の中心市街地の山の上に、リオのコルコバードの丘に建つキリスト像みたいなのがあれば、復興のシンボルにもなっていいのですが・・・。
どなたかお願いします。

大平公園からは釜石港と市街地が見えます。
今日は大型貨物船が入港し、釜石ならではの活気ある港風景が見えました。
活気ある港の風景、やはりいいものです。

大平公園は市営プールのすぐ上にあります。
小さな公園ですが、眺めがいいのでよく来ます。
中央は大平中学校です。
昔、このプールで岩手国体が行われました。
当時私は一中生で、全校で天神町から嬉石の缶詰工場、そして大平の観光道路を通ってここまで来ました。
缶詰工場の前を通るとき、悪臭がひどくてみんなで鼻をつまんで通ったものでした。

大平墓地公園駐車場から見える釜石大観音。
釜石湾もきれいです。
本当、今日は久しぶりの快晴です。

大平墓地公園の展望台。
青い釜石湾と白い大観音がきれいです。
今日もこの絶景を独り占め、「ごっつっあんです!」

大平墓地公園からは釜石商工高校(手前・釜石工業の場所)、大平中学校と市営プールが見えます。
釜石の自慢はこの青い空と青い海。

ここからは釜石市役所(中央山際の白い建物)や釜石一中まで見えます。
被害は少し分かるものの、以前の釜石の様です。

嬉石の高台にある白山小学校では、子供たちが青空のもと野球をしていました。
ここは昔の釜石商業高校があったところです。

白山小学校のフェンスの所から嬉石の町が良く見えます。
被災した家屋の撤去が進み、家並みがだいぶ無くなりました。

今大町にある市民会館では、津波で流されたアルバムなどの写真、位牌、貴重品などが届けられています。
私も何度か来ましたが、残念ながら明峰幼稚園、大渡小学校、一中、釜南などの卒業アルバムは見つかりませんでした。

市民会館も被災しましたが、「負げねっすよ釜石」の看板が・・・。

昭和50年代初めに建設された釜石市民の熱意の結晶「釜石市民文化会館」。
完成当時は県民会館に次ぐ規模と豪華さと言われ、釜石市民も鼻高々でした。
大町のホテルサンルートが建っている所に、東北一の映画館「錦館」を改装した旧市民会館はありました。
青い4階建てのタイル張りの名物市民会館でしたが、老朽化の上客席数も少なく、トイレ臭いという事で、現在の市民会館が建てられました。
当時の市長は浜川才次郎さんで、友人の村田皮膚科の村田衛先生が、1000万円の大理石世界時計を寄付してくれました。
市民・会社・団体からの寄付金も多く寄せられ、本当に釜石市民の血と汗の結晶でできました。(ちょっと表現が古いかも?)
私も完成した頃、見学に入りましたが、靴を脱いで入ろうとした人が多かったとか?。
私もあまりの豪華さに、つい拝んでしまったような・・・。
最近は釜石にびっくりするようなものができないのが本当に残念です。
復興計画でも、ここは釜石人の心意気を見せたいものです。

市民会館隣のコスモ石油(北日本石油)。
津波被害の爪痕が今でも。
左奥の釜石郵便局も被災しましたが、すでに営業しています。
あの場所は、日活ボウリングセンターがあった場所で、市内では上中島に共栄ボウル、鵜住居・片岸町にもありました。
この道は私の一中時代の通学路。
当時このスタンドは丸善石油で、小川ローザの「オー・モーレツ!」が流行った時代でした。
昭和の時代はみんな元気で夢があり、本当にいい時代でした。
右端には水野医院もありました。

市民会館前の風景。
山際に市役所が少し見え、右は瓦田歯科です。
●写真集発売日延期のお知らせ(8/24)
写真集「釜石の記録」は初版4000部が売り切れとなったため、只今増刷をしております。
書店等での発売は当初8月26日(金)を予定しておりましたが、30日(火)に延期となりましたのでお知らせします。
多くのお客様には26日発売とお伝えしており、大変ご迷惑をおかけしてしまいました。
また今回の増刷分もすでに多くの予約が入っており、品切れも将来的には考えられますが、再増刷の予定で安定供給に努めますので、よろしくお願いいたします。
藤枝 宏
●今日の釜石(8/20)
釜石は、あの夏の暑さがどこに行ったのかと思えるほどの肌寒い日が昨日から続いています。
今エアコンのないエコ生活?をしているので、この涼しさは大歓迎なのですが、やはり涼しいと逆に寂しい気が募ります。
今大町商店街では、アーケード撤去が行われています。
津波で汚れ傷んだアーケードの撤去は致し方なしの面もありますが、釜石唯一最後のアーケードだっただけに残念な気がします。

大町商店街のふじたや交差点付近。
新華園本店は間もなく営業開始のようですが・・・?。
あの日私に3時からの新華園のラーメン撮影の仕事が入ってなかったら、足腰の悪い母と妻はどうなっていたか・・・。
車の運転のできる私が家にいなかったらと思うと・・・家にいて本当によかったです。
いつもこの風景を見ると、あの日の事を思い出してしまいます。

アーケードが撤去されたみずかみ大町店付近。
この4階建てに見える窓はダミーで、実は木造二階建てなのです。
昔はオイシンマート、次にマイヤ大町店、最後はみずかみ大町店と、ここは大町スーパーの指定席でした。
右端はレンズセンターコティ、奥から手前二軒目は田丸スポーツです。
田丸さんは二階で営業中!。

幾分減ったものの、車の通りは相変わらずある大町商店街。
アーケードも撤去され、逆に明るくなりました。
左端はヘアーサロンアベ(阿部床屋)で、私も行ってました。

薬師公園前の交差点角にあった大正軒も、解体されて更地となっていました。
ソース味のあんかけたこやきは、釜石はもちろんですが全国にファンがいましたが、またどこかで再開してもらいたいものです。
近くにあった佐賀カバン店もすでに解体され、更地となっています。
私の娘と息子にランドセルを買ったのも佐賀さんでした。
次々解体され・撤去されていく中心商店街ですが、早く夢のある復興計画を見たいものです。

8月9日の朝の大渡川風景。
お墓のお掃除に駒木を通って行くとき、朝霧がきれいでした。

8月9日の朝の大渡商店街。
一見何も無かったかのようですが、ほとんどが無人状態です。

8月9日の朝の大渡橋。
この橋も津波で大部分が水没しました。

石応禅寺に続く青葉通りは、お盆時期になると車の大行列。
この風景、賑わいがあって好きな風景です。(8/14)

8月14日朝の石応禅寺山門の盆旗風景。
若いころはお墓参りなどはあまり好きではなかったのですが、最近は歳を取ったせいか?大好きになりました。

14日朝の石応禅寺。
お墓参りの人が行き交う光景、ずっと続く釜石の変わらぬ風景です。
私にも年頃の時期がありましたが、同年代の女子などに会うと緊張したものでした。
あなたも見覚えがありませんか?。
ちなみに手前のエキストラは、うちの息子と娘です。

石応禅寺に続く青葉児童公園には、子供が喜ぶ出店が出ていました。
心やすらぐ風景です。

実は7月末に母が肺炎になってしまい県立病院に入院しましたが、何とかお盆前に退院できました。
窓から見える松倉のサッカー場には、今仮設住宅が立ち並んでいます。

8月5日には箱崎半島先端部にある御箱崎に行ってきました。
今、週二回の連載を頼まれている釜石新聞の「かまいし便り」用の撮影でしたが、私のライブラリー用にも色々な撮り方をして来ました。
上の写真は13秒間シャッターを開けて撮った写真です。
荒れた海も霧のように静かな感じに写りますが、撮影にはPLフィルターとNDフィルターが必要です。

霧が出て海も暴れだした御箱崎。
力強さを出すために、1枚目の写真よりタイトに撮っています。
釜石の至宝「御箱崎」、とってもいいですよ!。
●お盆も終わって(8/18)
今日の釜石は雨が降ったり止んだりの涼しい1日。
今日一日だけをみると、お盆が終わった静けさもあり、まるで夏が終わったような感じもします。
「釜石便り」も最近はほとんど更新できずにおりますが、今年は今までにない位忙しい8月を迎えました。
やはり一番は写真集「釜石の記録」を出した事。
いつも私がポストカード・写真集を出すのは、決まって12月頃の暇になった時期でした。
お恥ずかしい話、のんびり屋で一つの事しか集中できない私が、販売に集中出来るのがその頃だからですが、今回は「津波写真集を早く!」との要望をいただき、時期を早めて出した次第です。
津波の写真を失うことなく印刷物で残し、自分も早く津波の事を忘れて安心したいのと、次の生活再建に気持ちを向けたいという思いもありました。
ただ写真集発刊には相当な金額と労力が必要でしたが、販売店様の助言などを参考に、初版は4,000部を発行することにしました。
部数が少ないと印刷単価は高く、多いと印刷単価は下がりますが、部数との掛け算なので結局はどちらも相当な金額になってしまいます。
この頃合いが非常に難しいものがあります。

がれき撤去が終わり、更地になった大町の我が家。
ゼロからのスタートという事で、お墓参りの帰りに娘と息子を家の前で撮りました。
本当に生きてて良かったと思います。
娘の笑顔は釜石一なのですが、息子はいつも仏頂面。

大町から只越の裏通りは、地震による地盤沈下の為、満潮の時に冠水するようになりました。
右の写真は呑兵衛横丁付近で、写真中央には「火の車」がありました。
左の写真は大町の我が家前ですが、今の状態では満潮のたびに冠水するので、家など建てれなくなりました。
●写真集増刷のお知らせ(8/18)
写真集「釜石の記録」をお買い求めいただき、大変ありがとうございます。
只今一部販売店を除き、写真集が完売となっており、皆様には大変ご不便をおかけしております。
増刷した写真集の再入荷は来週半ば頃の予定で、書店等にはそれ以降並ぶ予定となっております。
皆様には大変お待たせすることになりますが、よろしくお願いいたします。
尚、心象舎へのご注文は引き続き承っておりますが、発送数が多く、「発送をお知らせするメール」、「入金確認をお知らせするメール」等はお出しすることができない状態が続いております。
この写真集を早く皆様にお届けするためですので、誠に勝手ではありますがよろしくお願いいたします。
発送の不手際等ありましたら、ご指摘の方よろしくお願い致します。
心象舎 藤枝 宏
●お知らせとお詫び(8/13)
写真集「釜石の記録」をご注文・お買い求めいただき大変ありがとうございます。
13日現在、心象舎では写真集「釜石の記録」が欠品となっております。
釜石市内の書店などの販売店ではまだ在庫がございますが、完売となると次回入荷は8月末になります。
皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
尚心象舎の方に8月12日までお申込みいただいた方へは近日中に発送できますが、13日以降のお申込みの場合、発送が8月末の入荷後となります。
お急ぎでご入用の方には大変なご迷惑をおかけすることになりますが、謹んでお詫び申し上げます。
心象舎 藤枝 宏
●写真集「釜石の記録」発売のご案内(8/7)
釜石の津波被害を記録した写真集、「釜石の記録」を8月11日に発刊いたします。
この写真集には、釜石の中心市街地を始め、市内各集落の津波被害を撮影した405枚の写真が掲載されています。
これまで多くの津波被害の写真集が販売されておりますが、皆様からご要望の多かった全ページ釜石だけの写真で構成されております。
釜石の津波被害の記録写真集としてぜひお役立て下さい。
●写真集「釜石の記録」はこちら
尚、写真集はお盆の配送事情を考慮して発刊日翌日の8月12日の発売となっておりますが、配送事情が良ければ、11日午後からの販売となります。
[ 写真集「釜石の記録」 販売店 ]
■及新書店サンパルク店(上中島) 0193(23)2145
■桑畑書店(鈴子) 0193(22)3399
■さわや書店釜石店(新町ジョイフルタウン内) 0193(23)0643
■釜石特産店(鈴子シープラザ内) 0193(31)1180
■釜石観光物産協会(鈴子シープラザ内) 0193(22)5835
■フォトライブラリー心象舎 藤枝 0193(55)4622
※ 「 釜石・大槌復興クリアファイル 」も、各販売店にて同時発売いたします。
●写真集「釜石の記録」はこちら
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