「釜石便り」  2024・12月

                           
       ※写真の無断使用はお断りしております。


師走(12/20)

今日も釜石は晴れのいい天気です。
気温は低めですが、釜石はこのところずっと空気の澄んだ快晴の日が続いています。

早いもので今年もあと10日あまり。
私の仕事の方もほぼ仕事納め状態で、今は撮りためた画像の処理と整理、年末の大掃除を始めています。
大掃除の方は年末に集中してやっていましたが、最近は年末をゆっくり過ごすために12月半ばから少しずつ始めています。
写真はあまり撮っていないので、津波から回収した昔の写真などを少しばかり。


12/19の大渡商店街師走の夕景です。
三陸道ができて東部地区(市内中心部)を走る車の数はめっきり減り、商店も少なくなって歩く人もだいぶ減りました。
釜石の人口も間もなく2万8千人、寂しさが募る年末です。
来年は釜石が何かで飛躍する年になる事を願います。


2008年12月6日に撮った大渡町八幡様前のモミジです。
この日は新しいカメラを買ったばかりの日で、初撮りを兼ねて八幡様前に行って見ましたが、モミジは落葉がだいぶ進んでいました。
枝ぶりの方に眼をやると、隙間から青空がのぞき、黒い枝とのコントラストもあってきれいな模様となっていました。
今でも葉が少し落ちて青空が見える頃がカラフルなので好きです。


確か1997年だったと思いますが、仕事で小正月行事「スネカ」の撮影で三陸町吉浜へ行った日の事です。
この日は雪が降っていたので、めったにないチャンスとばかりに雪の千歳海岸も個人的に撮るつもりで少し早めに家を出ました。
次第に雪は大雪となり、千歳海岸までの下りの道も雪ですべり、大変な思いをしながら何とか下の漁港までたどり着きました。
今は千歳海岸への遊歩道は閉鎖されて入れませんが、当時は黄色の樹脂チェーン手すりが遊歩道に沿って設置されていて磯場まで入ることができました。

千歳海岸は何度も通っていた場所でしたが、いつも行く南側ではなく北側に行く事にしました。
磯場に着くと海は大荒れ、雪は北寄りの風に乗ってふきすさぶ荒れ模様。
できるだけ海を入れたかったので恐る恐る波が来る岩まで進み、三脚を立ててカメラをセット。
長靴は海の中です。
右には雪の載った岩礁を配し、空けた左には吹き付ける雪をストロボで止めて作画。
数秒の露光時間の間にストロボを数回発光させて吹き付ける雪を写し込みました。

満潮と暗闇が迫る中、荒波にいつ襲われるか心配しながらも、陸に上がった時の安堵感は忘れられません。
このあと大雪となった急な坂道を車で何とか上り、スネカの待つ吉浜地区センターまで雪道を飛ばして間に合った思い出は今でも忘れられません。

これよりも激しく雪が写った写真は1998年の県芸術祭奨励賞となりました。
審査員評では「一見、水中写真に見えた」と評価された事を記憶しています。


1998年12月に、鮭漁で賑わう唐丹町片岸川河口に行きました。
川止め近くの加工場では新巻鮭が何本も干してあり、許可をもらって写真を撮らせてもらいました。

つるされた鮭の中でも目力のある鮭を見つけ、顔だけをアップで撮りました。
ビニールひもの事もあり、印象としてはあまり強くなかったのですが、現像から上がって来たフイルムには鮭の迫力ある顔が暗く落ちた背景の中にしっかり浮かび上がっていました。
さっそくプリントし、縦の写真でしたが眼が上向きになる横位置にしてコンテストに出したものが日本写真家協会のJPS展入選となりました。
タイトルはそのものずばりの「顔」でした。


1999年7月に家族で夕食を食べに山田の四十八坂にある「磯よし」に行きました。
食べ終わって外に出るときれいな夕焼けで、西の山の上には楕円形の、まるで繭のようなふくらみのある雲が浮かんでいました。
家族を車で待たせ、慌てて三脚を立てて6×7カメラで写真を撮りました。
その雲の上にはひこうき雲も出ていて、今は亡き父・母も見た家族の思い出の写真になりました。
タイトルは「繭雲」、立木義弘さん審査の県芸術祭奨励賞となりました。


「繭雲」を撮った山田町船越四十八坂にあった磯よしです。(2023年4月撮影)
すでに閉店していますが、吉里吉里ドライブインと並び、磯ラーメンや海鮮ものを食べた方も多いのでは?。
遠くの島は船越のタブの大島です。


八幡様前のモミジ見頃(12/6)

今日の釜石は、朝方晴れていましたが次第に曇りになりました。
予報では午後にまた青空が広がるようですが、内陸では雪が降っているようです。

5日は大渡の八幡様前にあるモミジを見てきました。
見頃が始まっていて、モミジの木の下から葉を透かして見ると極彩色のきれいさで、まるで影絵の様でした。
雨が降ったり風が吹いたりするとあっという間に散ってしまうモミジですが、穏やかな日が続けば、あと1週間は楽しめそうです。


大渡の八幡様前にある大きなモミジ。
隣にアオモリトドマツ?の巨木がありますが、近寄って見上げるとみごとなモミジです。
ここは少し高台にあり、青空バックに撮れるのもいいところです。
撮影は葉がきれいに透ける午前中がいいと思います。


モミジの下から透かすように見上げると、何ともきれいな夢の中にいるような光景です。
青空に向かって伸びるさまを、構図的にななめに傾けて撮りました。


モミジ全体の撮影ばかりではなく、超広角レンズでぎりぎり寄って遠近感を出してメリハリを。
色の違いがカラフルできれいです。


オーソドックスに中央に黒い幹を配して左右対称に。
もう少し葉が落ちると青空の青が入り込み、更にカラフルなモミジの絵になります。
いつもここでは藤城清治の影絵の様に撮りたいと思っています。
小人はいませんが・・・。
「燃える秋」ももうすぐ終りますので、今年最後の超天然色のモミジをあなたもぜひ!。

この光景で思い浮かんだ曲は平原綾香の「朱音」でした。


■トップページの写真は今年12月5日の八幡様前にあるモミジです。
 釜石でもトップクラスの大きなモミジで、形も良く青空を背景にできるので、どなたでもきれいな写真が撮れます。
 午前中は背後に太陽があるので、陽を入れた作画もできるモミジです。


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