夏井戸から出土の石器を芹沢長介先生と検討する相澤忠洋


相澤千恵子館長

 相澤忠洋は、日本で最初に赤土の関東ローム層の中に人類の文化が存在する ことを立証した岩宿遺跡の発見者です。この記念館は、相澤の終焉の地で 前期旧石器時代遺跡の夏井戸遺跡のある雑木林の中に建っています。 群馬県赤城山麓に於いて、相澤が発見した数々の旧石器時代の遺跡の資料は、 岩宿発見の槍先型尖頭器を初めとして、権現山遺跡発見のハンドアックス等、 我国の考古学上極めて貴重な文化財です。この文化財を広く一般に公開し又、 研究者には学問上の活用を図り永く保存することは、 学術文化発展の為必要であり意義深い事と存じます。 相澤が赤土に賭けた執念は、 恵まれなかった一家団欒に対する憬れへの追求であり、 それは北関東赤城山麓に展開された太古の日本人の起源への追跡となりました。 不屈の精神力により在野の研究者として生涯を閉じた相澤の座右の銘は、 吉川英治先生の「朝の来ない夜はない」でありました。 ここに旧石器関係資料のみならず、相澤の生きざま、生い立ちに関するもの、 遺稿、交友関係資料等も収蔵しております。 接する人にいつも笑顔で人にやさしく、 己に厳しく生きた相澤の人間性を知って頂ければこの上ない幸せと存じます。

相澤忠洋記念館  名誉館長 芹澤長介 
           館長 相澤千恵子   


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