鎮魂 ( MOZART : REQUIEM )

 

            街の雑踏から逃れ

            独り 静かな部屋に座り

            何をすることもなく 何を想うこともなく

            宙を ぼうと眺める

 

            鎮魂の時 沈黙のなかに

            うたは流れて

            俺は拷問を受け

            自然と死を夢む

 

            神は私を許したもうか

            このけがれた肉体

            このけがれた魂を

            神は許したもうか

 

            手をあわせて握りしめ

            俺は祈る

            神に乞う

            どうか許して下さいと

 

            時のすぎゆくなか

            この俺の魂はゆっくりと

            部屋の白い壁のように

            ただに ただに よごされてゆく



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